次話は番外編として光秀と学園長の話を書こうと思っています。
秀吉が復帰して勉強会も再開、その後も順調に試験対策が進んで試験当日を迎えた。
文月学園では十数教科の試験を一日ですべて行うと言う割と無茶なモノとなっている。その分体力のあるFクラスは頭の要領が足りん所以外は他クラスよりやや有利、更に今回はクラス全体がやる気に満ちている。もしかしたらEクラスの平均点を上回るくらいは出来るかもしれんな。
さて、俺も気合いを入れてがんばるとするか。
~時間経過~
「試験終了です。筆記用具を置いてください。」
午後四時半、すべての試験が終了した。明智先生が皆のテスト用紙を丁寧に回収する。
「ふう、疲れたぜ。」
雄二も珍しく疲れた表情を見せている。まあコイツはなにも言わなくてもそれなりの点数は取るだろう。
「ふう、疲れた…とりあえず家に帰ったら寝よ…」
「…もう何もできない。」
明久は日本史、世界史、国語を、ムッツリーニは理科、数学を中心に頑張っていた。これらが上がったら良し、だな。秀吉は全教科バランス良く、島田は国語を中心に、だったか?皆、苦手教科を克服できたら良いのだが…
俺、高虎、姫路は恐らく若干の点数低下がある。テストとテストの間の会話でもやはり二人から良い話は聞かなかったし、俺も何時もより手応えが悪い。まあ、クラスに貢献できたなら良しとしよう。
「高虎、手応えは?」
「良くて平均点400行かん。350は越えるだろうが…」
「俺も似た感じだ。少し姫路に劣る程度だろうな。」
日本史、世界史は俺と高虎で一位二位を独占できるだろうが、その他で毎回姫路に遅れを取っていて、総合科目で結局僅差で負けてしまう。
「いえ、私も今回は上手くいきませんでしたし…」
「それは俺も高虎も一緒だ。だが俺達の点数が落ちた分恐らく他の奴らの点数は上がってるはず。クラス全体としては大きく前進したぞ。」
「そうですね、美波ちゃんも明久君も頑張ってましたもんね。」
…ん?今気付いたが、何時の間に下の名前で呼んでいたんだろうか。
それにしても今日は疲れたな。帰ったら適当に飯食べて寝るか…
~時間経過~
テストの結果は、俺個人としては少し下がったが、Fクラスとしては劇的な上昇があった。
まず明久。日本史と世界史で200点を越える快挙を為し遂げ、国語でも100点を越えた。その他の教科も80点前後になり、合計12教科(英語一つ、数学一つ、国語二つ、理科三つ、社会四つ、保健体育)で1200点を超えることとなった。明久はやっと姉が帰ってくれると喜んでいた。
次にムッツリーニ。理科、数学が共に150点を越え、保健体育も700点と言う異常な点数を叩き出した。その他の教科は70前後となり、合計で凡そ1800点となり、何と学年平均を越えた。
次に秀吉。全体的にバランス良く上がり、合計科目で1500点を越えた。本人曰く「まだワシは満足しておらん。」とのこと。これからもたゆまず努力を続けてくれるだろう。
次に島田。数学では250点を記録。苦手科目の国語もある程度克服し、60点を越えた。その他の科目も少し上がり、90点前後。合計で凡そ1300点。
次に玉。得意教科の国語は250点に上昇。その他の教科の平均点が150に乗り、合計点が2000点に迫った。明智先生も返却時に上機嫌だった。
そして雄二。何とコイツは全教科で200点を越えた。しかも数学、理科は250点を越え、合計は3000オーバー。Aクラスの中に入れても遜色無い点数となった。
俺、高虎、姫路にはそれぞれの点数が10~20点下がり、総合でも200点下がってしまった。それに関して雄二から済まないと頭を下げられたが、「皆が上がったからそれで良し。」と快く許した。
最後にFFF団。今までの一教科の平均点は60点だったが、大幅に上がり平均が80を越えた。
最終的なクラス全体の総合科目の平均点は1250点。Eクラスを追い越し、Dクラスに僅差で勝利。これを聞いてクラス中に歓声が沸き起こった。
ちなみにAクラスは高虎の言っていた通りに成績の二極化が起こりつつあるらしい。
下位の十人程度が既に根本を始めとしたBクラスの上位陣に負けてしまっているらしい。
それに対し、上位陣の成績は変わらず高い。特に霧島、木下の成績上昇が著しいとのこと。俺や高虎単独では厳しいのかもしれん。夏休みに何か対策を講じる必要があるな。
まあそんなことは後で考えれば良い。高虎も姫路も雄二も、他の皆も喜んでいるし、俺も今は皆と共に喜ぼう。