バカと無双と下剋上   作:走り高跳び

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駄文ですが今夜も投稿しました。
グダグダになっていますが、期末試験まで着実に向かっています。



期末試験4

勉強会も二日目。昨日と同じく雄二は明久に、姫路は島田に付いている。俺は昨日の秀吉と代わってムッツリーニを担当することになった。科目は秀吉と同じ日本史。

「…難しい。」

「とりあえず事件だったり政策の名前を覚えろ。その後に人名を嵌め込んでいけ。」

アドバイスや覚え方は秀吉と同じにする。昨日の様子を見た限り元々の頭は悪くないし、保健体育では学年最高得点を記録している。同じ暗記科目の地歴はコイツにとっては有利な科目になり得る。

「…確認を頼む。」

「よし、それじゃあ…」

昨日の秀吉の様には行かなかったが、数回繰り返して問題無い状態まで到達した。これならば何とかこのメンバーの点数は上げることが出来るだろう。願いが叶うならば須川達の点数も上がって欲しいが…

 

~時間経過~

勉強は順調に進み、下校時刻を迎える。早めに鞄の用意が出来た俺は一足先に下駄箱に向かって行った。

その時、俺達の教室の近くの図書室から見覚えのある人物が現れた。Aクラスの久保利光だ。

「ああ、大谷君か。キミも学校で試験勉強をしていたのかい?」

「試験勉強ではあるが…成績の悪い奴らへの指導だな、どちらかというと。」

ついでに、何故教室が空いているのにそこでやらないのか、と言うのも聞いてみた。

「あの教室埃っぽいじゃないか。それに、代表や木下さんも居る。あの二人や他のクラスメイトが出す殺気の様なものに僕は耐えられる自信が無くてね…最近は休み時間も殆ど図書室で過ごしてるよ。クラスから距離を置く事も出来るし。

「…工藤はどうした?アイツも恐らくお前と同じ考えだろう。」

「工藤さんはあの二人の側で考えが変わるように頑張るって言ってたよ。今まで一緒に頑張ってきた仲間なんだ、簡単に見捨てるなんて出来ないんだろう。」

工藤、お前の仲間に対する思いは尊敬に値する。だが、あいつらに近づき過ぎるとまた前のお前に戻ってしまうかも知れん…と少し思ったが、久保も居るし大丈夫か。何かあったらコイツが止めに入るなりするだろう。

「…なるほどな、アイツらしい。俺から言えることなんて無いし、工藤が上手くやってくれることを期待するしか無いな。」

「だね。僕は何か彼女の身にあったら対応出来るようにしておくよ。とりあえず期末試験、お互い頑張ろう。」

そう言って久保は旧校舎の方へ歩いて行った。アイツとはそこまで話したことは無かったが、面白い奴だ。俺もだが、雄二や高虎とも気が合うだろう。Aクラスを狂気から救える存在は、工藤の他には久保だけだな。他の連中も二人の姿を見て思い直してくれる奴が居れば良いのだが…

「おい吉継、置いてくぞー。」

「ああ、悪い。すぐ行く。」

久保と話している最中に高虎や雄二達に先を越されていたらしい。待たせるわけにもいかんし、急がねばな。

下駄箱へはや歩きで向かい、靴を履く。今は同じクラスだから皆で帰ったりできるが、来年はどうなんだろうか。俺も、高虎も、姫路も、恐らく雄二もAクラスを狙うことだろう。その時、明久やムッツリーニ、秀吉、玉は別のクラスになる可能性が高い。

(…よそう。今は期末の事だけ考えれば良い。)

そう思い直し、雄二達のいる昇降口に今度は駆け足で向かった。


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