バカと無双と下剋上   作:走り高跳び

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本日も投稿します。
文章中の問題に誤りがあるかも知れないので知らせてくれたら有り難いです。


期末試験3

打ち合わせを行った次の日の放課後、教室には俺を含め九人の生徒が残っていた。

「全員揃ったな。良し、始めるぞ。」

雄二が近くにあった席に座り、参考書を広げる。

「俺は明久を教える。姫路、吉継、高虎は他の奴らの勉強を見てやってくれるか?」

「分かりました。それじゃあ美波ちゃん、始めましょう。」

「了解よ。」

姫路は島田に古典を教えている。俺ら二人は…ムッツリーニ、秀吉、玉の三人か。

「高虎、役割分担はどうする。」

「国語、数学、英語は俺達二人でやる。理科は俺がやるから社会はお前がやってくれ。」

「了解だ。それじゃあそれぞれやる教科の道具を出してくれ。」

そう言うと、ムッツリーニは生物を、秀吉は日本史を、玉は物理を出した。となると、俺は秀吉に付きっ切りになるな。

「秀吉、現時点でどれ位どれ位覚えている。」

「う、うむ…始めの数ページと言った所だ。」

始めの数ページとなると…院政が始まってからか。今回の範囲はそこから鎌倉時代の終わりまだ。世界史も中世の中国をやっているから、平家滅亡からは世界史も並行してやっていこう。世界の流れを知っていると日本史はやりやすい。逆も言えることだがな。

「授業で特に分からなかった所は何処だ?」

「分からなかった、と言うより天皇の名前や平ナントカの様な名前がまぎらわしくて殆ど覚えておらぬ。何か良い覚え方は無いかのう。」

「ふむ…確かに似ている名前が多いから覚えにくいな。だが残した実績や時代もそれぞれ全く違う。まずその時代の出来事を先に覚えろ。その後に人名を覚えれば良い。」

平清盛、宗盛、知盛、資盛、源頼朝、義経、義仲…同じ苗字の人物が数多く出てくるから大変だ。だがこのあたりの時代をしっかりと抑えれば古文も少しだが上がるだろう。秀吉はFクラスの主戦力の一人、頑張って貰わねばな。

「…よし、恐らく覚えきったのじゃ。」

「それなら軽く確認するか。木曾義仲が討たれたのは何の戦いだ?」

「粟津の戦いじゃったか。」

「よし、次は…」

軽く五、六問出題したが、特に問題は見られなかった。このペースなら成績の大幅上昇も狙えるか。

さてと、隣はどうだろうか。

「閉鎖血管系の動物で脊椎動物、軟体動物の他には?」

「…環形動物。」

「浮力の大きさは?」

「F=qVgじゃな。」

「ふむ、少しやったら覚えるか…」

なかなか順調だな。まあ一度覚えるのは簡単だし、肝心なのはこいつらがずっと覚えているかどうかだ。反復練習は徹底させないといけないか。

「とりあえず今回の日本史の範囲はさらった。だが、これを忘れずに覚えるのが大事だ。しっかりと覚えるように徹底しろよ。」

「う、うむ。」

秀吉は根は真面目な奴だ。これだけ言っておけば大丈夫だろう。島田には姫路が、明久には雄二が、残りの二人には現在高虎が付いてるから何とかなるだろうな。

と、もう最終下校時刻まで後十分か。

「お前達、もう今日は終わりだから片付けろ。」

「え、もうそんな時間?」

明久が驚きながら時計を見る。ちらっと見ただけだがかなり集中して励んでいたようだ。だが直ぐに気を抜くかも知れんから常に尻を叩き続けなければならんか。まあそれは期末が終わってからだな。

家に帰ったら自分の勉強もしなくてはならん。なかなか忙しいな、楽しいから構わんが…


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