何時終わるかわかりませんが、頑張って完結までは書いていきたいと思います。
期末試験1
「おう、吉継も高虎も早いな。」
「ああ、家に居てもすることが無いし、お前達と話していた方が良い。」
このように普段通り俺、高虎、雄二は話しているが、全員なにかしらの問題集や暗記帳、授業プリント等を見ながらになっている。
強化合宿が終わり、後二週間で期末試験が始まる。他の学校なら数日間かけてやるのだろうが、この文月学園では一日で終わらせてしまう。勿論この点数は試験召喚戦争にも影響して来るのでクラスの為にも手は抜けない。
「期末が終われば夏休みだ。吉継も高虎も何か予定は立ててるか?」
「いや、特に何も無いな。吉継はどうだ?」
「俺も、特に何かしようとは思っていない。」
今までもそうだったが、長期休みは家でゆったり過ごすことが多かった。親が旅行に連れていってくれる事もあったし、それがつまらない何て思ってもいないが本音を言うと遠出はしたくない。
「雄二は何か予定があるのか?」
「いや、特には。家で全く手をつけてないゲームをひたすら終わらせる位しかしないな。」
「意外だな。お前はアウトドア派だと思っていたぞ。」
「そういう高虎はどうなんだ。お前もスポーツ得意なんだろ?」
「俺は夏休みはバイトで終わりそうだな。」
バイトか…学校で禁止はされていないし、やってみても良いかも知れんな。
「ま、そんな事より目の前に迫ってる期末の対策だな。恐らく期末の前日とかに明久やムッツリーニが俺に泣きついて来るんだろうが…」
雄二がそこまで言った時、教室の扉が開く。始業までまだ相当時間はある。この時間帯に来るとしたら…島田や須川か?
「ん?こんな時間に他に…って、明久!?」
雄二が驚きの声を上げる。俺や高虎も声こそ上げないが目を見開いて驚いている事だろう。
「どうしたんだ!?何時も遅刻か遅刻寸前になるまで来ないお前が…」
「い…家に…」
家に?でも、アイツは確か一人暮らしのはず。
「姉さんが来たんだよ!」
姉…そういえば一年生の頃の自己紹介で姉が海外に居るって言っていたな。
「それがどうしたんだ?ここに早く来ることと何の関係が…」
「仕方ないじゃないか!姉さんより早く起きて先に朝食作らないと、何か分からないゲテモノを食べさせられるんだよ!」
姉がメシマズなのか…それは辛いな。
「それに…」
「それに?」
「元々は7月までしか居ない予定だったけど、期末の総合で1200点を超えなかったら、高校卒業まで居座るって言ってきたんだ!」
「…明久が、1200点ね…」
雄二が腕を組んで思案に耽る。確か強化合宿の時点で明久の総合科目の点数は900点程だったはず。それを1200まで上げるとなると…
「苦手科目の克服は必須か。」
「だな。高虎はどうだ?」
「俺も同意見だ。日本史が比較的上昇しているから、それを除いた教科をするべきだ。」
まあ、そうだな。で、明久の苦手科目は…古典だったか?
「もし、苦手科目の克服が出来なかったら…」
「姉が居座るだけだ。ってか、姉に教えてもらえばどうだ?」
「ええ、嫌だよ…一日で体がぼろ雑巾に…」
「どんな人なんだ、お前の姉は…」
明久の姉がどんな人かはともかく、明久に勉強を教えるのはいい機会かも知れんん。
「雄二、俺達でコイツに教えよう。」
「あ?吉継がそんなことを言うなんて珍しいな。」
「他人に教えることによって知識が定着してるかどうかも分かる。悪い話では無い。」
そういうと、雄二は暫く考える様に腕を組んで目を閉じた。
「やるなら俺達だけじゃなく、姫路や島田も誘うか。あと、秀吉にムッツリーニに。」
「そうだな。じゃあ、皆が来たらそれについて話し合うとしよう。高虎、それで良いか?」
「問題ない。」
高虎の同意も得た。俺や高虎は割と余裕があるから大丈夫か。後はこれが原因で雄二の勉強が疎かにならないようにしなくては…
まあ、他の奴らが来なくては何も始まらない。ゆっくりと待つとしよう。