『 Fクラス 姫路瑞希
日本史 288点 』
VS
『 Aクラス 霧島翔子
日本史 337点 』
姫路が押されているか…召喚獣の操作だけなら姫路の方が勝っているはずだが、さすがは霧島。飲み込みが早かったか。
「はあ…はあ…」
「姫路、助太刀するぞ。」
「えっ、大谷君!?久保君はどうしたんですか!?」
「後で話す。今は霧島を倒す事だけ考えろ。」
姫路にそう言って召喚獣を霧島の方に突撃させる。勿論単調な攻撃が通用するはずもなく、日本刀で弾かれてしまう。
「…単純過ぎる。」
そのままカウンターでこちらに斬りかかって来るが、俺はそれを采で受け止める。
「姫路!」
「はい!」
姫路の召喚獣が大剣を振り下ろす。しかし霧島にも俺にも当たらずに空を切る。
姫路はそのまま霧島に斬り込み、霧島も姫路に向かって斬りかかり、大剣と日本刀の鍔迫り合いになる。
そこに俺が仕込采の刃を出して霧島の背後を突き、背中に刺す。
『 Aクラス 霧島翔子
日本史 279点 』
鎧があるからそこまで大きいダメージでは無かったか。
すぐに霧島は刃を抜き、振り向きざまに俺に袈裟懸けをしてきた。
当然直撃するわけでもなく、召喚獣の上体をずらして避ける。
「…一体あなた達はどうやって他のクラスを味方につけたの?」
ふいに霧島が聞いてきた。
「簡単だ。俺達の知っている、全ての事を話しただけだ。」
「…そう。」
「それより、そろそろお前を守る者が一人も居なくなるぞ?」
少し部屋の中に目を向ける。こちらは最低でも三人組を作れ、と言う雄二の指示が功を奏し、Aクラスを圧倒している。残っているAクラスの生徒は…霧島と木下を含めて六人か。元々居たのが二十人だったから既に七割が戦死している。
「…別に全員を討ち取る必要はない。雄二を討てば終わる。」
「そうだな。だから俺達はお前を雄二の所には行かせん。」
仮にここで姫路や俺や高虎が倒れても、何処かで他の奴が討ち取ってくれるだろう。
たが折角だし、自らの手で倒したい。負ける気は無い。
と、横から声が聞こえてきた。
「良し、木下は倒したぞ!」
「う、嘘でしょ…?」
『 Fクラス 藤堂高虎
日本史 443点 』
VS
『 Aクラス 木下優子
日本史 0点 』
点数の減少を見る限り、高虎が圧倒していた様だな。
ともあれ、これで三対一だ。
「どうする?あんたの右腕とも言える奴は討ち取ったぞ?」
「…それでも、私は負けない!」
霧島が高虎に斬りかかる。スピードに力を全て使っているのか今までに見たことも無い速さだ。
「くっ…」
高虎はレイピアを突き出して辛うじて難を逃れる。
「吉継!」
「分かっている。」
姫路との連携攻撃と同じ様に背後を突く…筈が、霧島がこちらの動きを予測していたのか迎撃してきた。
「ふっ!」
「…!」
三合ほど斬り合い、後方に退く。そして俺が退いた瞬間に霧島の後ろから高虎が、俺の後方からは姫路が霧島に襲いかかる。
「…危ない。」
横に飛んで逃げる霧島。地面に着地した瞬間に俺が斬りかかり鍔迫り合いに持ち込み…召喚獣の腕を掴む。
「高虎、今だ!」
「応!」
霧島は身動きが取れず、じたばたしている。そこに高虎がレイピアを繰り出す。俺は食らう瞬間に避けていたので何とか無傷で終えることができた。
召喚獣が吹き飛び、点数が大幅に減る。
『 Aクラス 霧島翔子
日本史 7点 』
あと少し…
「姫路!」
「はい!」
姫路が大剣を振り下ろし、霧島の召喚獣は跡形もなく消滅した。
「そこまで!Fクラスの勝利です!」
俺達の勝利を宣言する声が聞こえ、この戦争は終わりを告げた。