午前中の勉強も終わり、現在は昼飯の時間だ。色々考えることはあるが、今は忘れていよう。
「そういえば、この合宿が終わったら期末試験二週間前になるんですね。」
「え、嘘!?もうそんな時期なの!?僕何もやってないよ!」
「お前は元々何もしてないだろ。」
左隣では明久と雄二、姫路が仲良さげに話をしている。
「だから、あの問題は□の中の数字は求めなくて良いの!土屋、何で分からないのよ!」
「…理解不能。」
「ワシも分からないのじゃ…」
右隣では島田がムッツリーニと秀吉相手についさっきまでやっていた問題の解説をしていた。
というか、もうそろそろ期末試験の時期か…高校生になって時間が流れるのが早くなった気がするな。
「吉継、午後はどうする?」
昼飯の卵焼きを頬張りながら高虎が聞いてくる。
「そうだな…やることもないし、読書でもしておこうかと思っている。」
「ああ…俺はどうするか。ひたすら携帯をいじる位しかやることが無いな。」
「使いすぎて通信制限食らっても知らんぞ。」
午前中にやること終えて暇なのはわかるが、そこまでやることが無いのか。ゲームもマンガも禁止だから確かに娯楽はほとんど無いが…
「…御馳走様。高虎、先に戻っている。」
「了解だ。」
中々に上手い飯だったな。特に地元の野菜は美味かった。野菜は地産地消が一番だな。
~時間経過~
「…暇だ。」
持ってきた小説も二時間で読み終わった。晩飯の時間である六時半まであと三時間半もある。
「吉継、お前も携帯いじってるのか。」
「持ってきた本も読み終わってしまってな。今更勉強はしたくないし、やることが無い。」
とはいえずっと携帯弄りは駄目だな。充電無くなるし、通信量もバカにならない。
「…トランプでもするか?」
「断る。」
「後はAクラスの部屋を覗き見る位しか無いな。」
「教師に見つかったら怒られる。却下だ。」
「…後は寝る位しか無いな。」
「…そうだな。」
そう言うと、高虎は机に突っ伏した。少しするとイビキも聞こえてきた。
「…俺も寝るか。もしかしたら夜に木下とか霧島とかが殴り込んでくるかも知れないしな。」
そして俺も机に突っ伏し、少しして意識が遠退いていった。
………
「大谷、藤堂、起きなさい。もう晩ごはんよ?」
ユサユサと俺と高虎の体を島田が揺らす。すっかり寝ていたようだ。
「…島田、済まないな。俺も高虎も暇すぎて。」
「まあアンタ達はすぐに色々と終わらせちゃうからね。無理に私達に合わせなくても良いのよ。…藤堂、起きなさい!」
「痛っ!」
島田が寝ている高虎の背中に紅葉をお見舞いする。
「いてて…もう少し優しく起こしてくれ。」
「揺らしても起きなかったじゃない。さっ、行くわよ。」
そう言ってすたすたと去っていく。
「ああ、良く寝た…」
「島田が揺らしても起きなかったからな。じゃあ、飯を食いに行くか。」
「そうだな…」
俺達も部屋を出て食堂に向かった。晩飯はビュッフェ形式で中々に美味かったが、特筆すべき何かは無かった。後は風呂に入って寝るだけか…その前にもう一波乱ある気もするがな…
「雄二、俺は今日は部屋のシャワーで良い。」
「ん、了解だ。吉継、明久、行くぞ。」
「俺もシャワーで良い。」
大人数で風呂に入るのは慣れない。と言うか嫌いだ。
風呂は一人でゆっくりと入りたいものだしな。
「それじゃあ明久、行くぞ。」
「うん、了解。留守は頼むね。」
「任せろ。」
二人が大浴場に向かう。二人だとこの部屋も広く感じるな。昨日は女子が多数来ていたから狭く感じたが…
「吉継、先に入って良いか?」
「良いぞ。」
高虎が着替えを持ってユニットバスに向かう。さて、することも無いし、テレビでも見るか…ん?インターホンが鳴ったな。誰か来客だろうか。ドアに向かい、誰が来ているのかを確認する。
「…やはり、か。」
来ていたのは予想した奴らだった。ここで居留守を使っても雄二と明久が迷惑を被るだけだ。出るとしようか。
「…何をしに来た。」