バカと無双と下剋上   作:走り高跳び

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二日目はもう何話か続きます。


強化合宿6

 強化合宿も二日目を迎えた。朝飯を食べ終えたら暫く休憩があった後、昼飯の時間まで勉強時間だ。

「高虎、今日一緒の部屋に居るクラスはどのクラスだ?」

「Cクラスだ。飯の後にこっそり鉄人に聞いたが、当初の予定はAクラスだったらしい。昨日の揉め事があったから急遽変更したらしい。」

「しかし、勉強時間と言っても、見回りの教師も来ないし自由時間みたいなもんだよな。」

 体操服に着替えていた雄二が横から話に入った。

「ん?体操服着用だったか?」

「いや、個人的にこれが一番動きやすいからな。」

 ちなみに俺も高虎も体操服ではなく部屋着だ。そもそも体操服を持ってきてないしな。

「俺と高虎は適当に何かやった後情報収集に入る。雄二と明久はどうする?」

「他の部屋に侵入して情報を手に入れる。でも、女子からは避けられるだろうから有益な情報は入りにくいだろうな。ちなみに姫路と島田は俺達の部屋で女子を中心に色々聞いて貰おうと思っている。やることはお前達とそこまで変わらないな。」

 姫路達が女子を中心に回るんなら、俺と高虎は男子を中心に聞くか。

その後は部屋でのんびりとするとしよう。午後も四時間くらい自習時間があるわけだし。

~移動中+時間経過~

 よし、来週の授業の予習は終わったな。早速情報収集を始めるとしよう。

横に居る高虎とアイコンタクトをとる。

(高虎、俺は予習終わったぞ。)

(先に行動してくれ。俺もあと一問終わらせたら合流する。)

それじゃあ、行くとしよう。まずは…近くの奴に声をかけるか。

「…少し良いか?」

「ん?お前は…大谷か。どうした?」

「昨日の盗撮騒ぎで俺も女子に色々と迷惑していてな。知っている事が有ったら教えてくれないか?」

「えっと…ウチの代表が今日の夜の自由時間にまた部屋に押し入るって息巻いてたはずだ。男子は関係ないから介入する気は無いが…」

また部屋に来るのか…良い知らせじゃ無いが、有益な情報だ。雄二に相談して西村教諭を呼んでおくか。

「すまん、助かった。」

 軽く礼をしてその場を立ち去る。隣では高虎が何かを聞いている。向こうの方では姫路がCクラスの女子に勉強を教えつつ色々と話している。…ん?教えている相手は小山か。少し気になるし、話を聞いてみるか。

「小山さんは、どうして明久君と坂本君、大谷君と藤堂君の四人を盗撮の犯人と思ったんですか?」 

「まず…Aクラスの霧島さんと木下さんが言っていたことね。」

 霧島と木下が言ってたから、か…あの二人の発言力はやはり強いな。あの二人が非を認めてくれたら嫌な噂も嫌がらせも殆ど無くなるだろうが、寧ろ他の女子を焚き付けている感じだったな。

「他のクラスでも女子が色々言ってたわね。男子からは余り何も聞かなかったけど。大谷と藤堂はともかく吉井と坂本は仕方ない、みたいな感じかしら。」

「…そういいたくなる気持ちも分かります。」

「でも、何かAクラスだけは様子が違ったわね。男子も女子もFクラスに対する憎悪の気持ちが溢れてる感じだったわ。」

Aクラスは男子も似たような感じなのか。厄介だな…下手したら霧島や木下と一緒に久保とかも何かやって来るかも知れない。

 「勿論私も自分で考えた上で坂本達を犯人だと思っているわ。人の話だけで決めつけたくはないもの。」

考えた上で、か…俺達、思った以上に信頼されて無いんだな。

「姫路さんはどう思って居るの?」

「…私は…坂本君達は無実だと思います。」

小山に聞かれて少し躊躇ったが、姫路は俺達を指示してくれた。

「な、何でそう思うの!?」

「まず、坂本君と吉井君は西村先生の所に行っていました。それは知っていますか?」

「…ええ。」

「ここでこの二人の可能性は完全に無くなります。そして次。大谷君と藤堂君。この二人が女風呂に監視カメラを仕掛けるような人とは思えません。」

「で、でも…」

「勿論可能性はゼロと断言はできません。でも、私はみんなを信じたいんです。」

「…」

小山に迷いが見える。少し冷静に成ったら分かることだったんだ。普段の小山なら俺達が無罪と判断してくれるはずだ。

「…少し、頭に血が昇ってたのかもしれないわね。頭を冷やしてくるわ。」

「はい。」

 そう言うと、小山は静かに立ち上がって外に出た。

 それと同時に一人の女子が入れ替わりに入ってきた。

「吉継ら高虎、瑞希、美波、朗報じゃ!」

明智先生の娘の玉だった。確か明智先生が付きっきりで勉強を教えるとか言っていたな。親バカだよな、あの人…

「朗報?何のことよ。」 

「今回の盗撮騒ぎの真犯人が自首してきたのじゃ!」

「「「「!?」」」」

自首…?誰だ?それより、一体何故自首を…?


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