次回は召喚大会の決勝戦となります。
清涼祭二日目、俺と高虎、雄二にムッツリー二は、二日目開始一時間半前に教室に集まった。
「おはよう高虎、雄二、ムッツリー二。」
「ああ。早速だがムッツリーニ、カメラの映像を見ようじゃないか。」
「...了解。」
言い終えると同時に、テキパキと準備を進める。将来はIT企業に入るのだろうか?
「...準備完了。」
「良し。高虎、吉継、来い。」
パソコンに映っている映像を見る。時間的には昨日の夕方の五時位の様だ。
『今日の作戦は失敗したわ。代表、明日はどうするの?』
『...街にいた不良を雇ってある。明日、藤堂と大谷、吉井に雄二が一斉に居なくなる時間があるから、その時を狙って姫路と島田を拐う。』
『だ、代表。それって誘拐じゃ...』
『何よ愛子。代表の考えにケチをつけるの?』
『い、いや、そうじゃないよ!』
『なら良いわ。で、その時間はいつなの?』
『...召喚大会決勝戦の時間。四人とも決勝に進んでる。』
『あ、そっか。藤堂と大谷も勝ち進んだのよね。』
『...そのせいで私達の設備は改善されない。』
『ホントよ!アイツら一体どうしてくれるのよ!』
『...』
『...それじゃあ、明日になったら朝礼前に皆を集めて知らせるから。』
『分かったわ!お願いね♪』
『...』
「...翔子...」
雄二は一言そう言って黙り込んだ。
「許せん...霧島に木下...!」
拳をこれでもかと言う位に握りしめ、絞り出す様な声で憤る高虎。
「...これは、犯罪。」
呆然としているムッツリーニ。
「俺達がいない時を狙うか。その時教室にいるのは...男共か。」
俺はできるだけ落ち着こうとしたため、余りショックは無かった。
「...そうだな。あいつらが居る時に堂々と狙う事はしないだろう。店をめちゃくちゃにしてでも守ろうとするはずだ。」
雄二の推測は恐らく正しいだろう。ならば、女子が一人になる時は...
「なら、トイレに行ったり他の模擬店を回っている時か?」
「それだ!姫路と島田が単独行動になる時はそれしかない!」
雄二が叫ぶ。分からなかったのか。
「となると、護衛が必要か。高虎、どうする?」
「先に聞こう。吉継なら、どうする?」
「そうだな...クラスメイトに交代で見張って貰うとかか?」
あの連中なら喜んで引き受けてくれるだろうし。
「あいつらに見張られるのを姫路と島田がどう思うかだがな。俺としては、教師に相談するのが最適だと思っている。」
教師か…明智先生や西村教諭とかか?あの類の人たちなら不良を相手にしても怖くないだろう。
「なら、今日の朝に明智先生に言おう。雄二、それで良いな?」
「ああ、任せろ。」
これでクラスメイトは守る事ができるな。
「…雄二。」
「ん?どうしたんだ高虎。」
「決勝戦は勝たせてもらうぞ。」
「ふっ、絶対負けんぞ。」
さてと、あと後は朝礼を待つか…
~時間経過~
「…と言うのがAクラスのもくろみだ。姫路と島田の護衛は鉄人にして貰う事になった。」
「雄二、わらわはどうなのじゃ?」
「お前は何もしなくても親父が守ってくれるだろ。」
聞いたところ、明智先生はかなりの親バカらしいしな。
「以上だ。各々、抜かるなよ!」
『応!』
「良し、厨房班は準備を始めろ!開始と同時に客が来ると思え!」
じゃあ、俺も自分のやることをするとするか。そう頭で思って、俺も他の奴らとと共に厨房に入った。