今回と次回の二話構成で行こうと思っています。
厨房に立って時間が経過し、二回戦の時間が迫ってきた。
「そろそろ二回戦だ、俺と高虎は抜ける。上手く回しておいてくれ。」
「・・・できるだけ早く戻って来い。昼時で忙しい。」
ムッツリーニの言葉を流し、対戦場に向かう。相手は共にBクラス。点数ではほぼ間違い無く俺達が勝っている。
「それでは、二回戦を始めます。教科は化学です!」
「「「「サモン!」」」」
『 Fクラス 大谷吉継
化学 308点
Fクラス 藤堂高虎
化学 322点 』
VS
『 Bクラス 岩下律子
化学 183点
Bクラス 菊入真由美
化学 165点 』
どこかで見覚えがある二人だと思ったら、Bクラスと戦った時に明久と連携して倒した女子だった。「行くぞ。」
高虎が岩下に、俺が菊入に向かって突っ込む。そのままの勢いで斬りつける!
「うわっ!?」
相手はギリギリ避ける。その時にグラッと体勢が崩れた。
「今度こそ決める。終わりだ。」
そのまま召喚獣を引き倒し、胸に采を刺す。急所を狙ったので菊入の召喚獣はたちまち点数が無くなり、戦死した。
さて、高虎の方はどうか。
「無駄だ!あんたは俺の召喚獣には近づく事はできん!」
「くっ・・・でも、いつか隙が・・・!」
レイピアで突きを繰り返し、岩下を近づけさせない。それに加えてあの言葉、完全に悪役な感じである。
隙を見出だそうとした岩下だったが、高虎の突きで少しずつとはいえ点数が減っていき、ついに0になってしまった。
「そこまで!藤堂、大谷ペアの勝利です。」
化学担当教師の布施先生の声が響き渡る。これで二回戦も突破だ。
「吉継、次が本番だ。次の相手は恐らく・・・」
「霧島、木下の二人だな。」
霧島もだが、木下が一番厄介だ。高虎に対する憎しみがある。
「その前に店だ。戻るぞ。」
「ああ。」
三回戦は午後二時から。時間が結構空くので店に戻る事になった。 戻ると、廊下に行列ができる程繁盛していた。
「二人ともさっさと戻ってくるのじゃ!厨房班が回し切れておらぬ!」
玉の悲鳴に近い叫び声が聞こえる。両手に皿を持って接客している。
そして教室の奥では島田と姫路が疲れ切った表情で休んでいた。
「とにかく働くぞ。吉継は作業の遅い奴をサポートだ。俺も余裕があったら洋食のメニューを手伝う。」
「了解だ。」 この行列が無くなるまでは、召喚大会に行くなんて言えないな、と思いつつ、野菜を切り始める俺だった。
~時間経過~ 「それじゃあ皆、行ってくる。」
「俺と吉継のいない間、頑張って回してくれ。」「・・・ああ。」
「心配すんなって!大丈夫だ!」
ムッツリー二と須川が元気よく返答する。
「そう言えば高虎、次の教科は何だ?」
「日本史。俺達が圧倒的に有利だな。」
この教科だけは、俺も高虎も誰にも負けない自信を持っている。
今回のテストも400点を越すことができた。余裕を持って挑めるぞ。
っと、そんなことを考えている間に試合場に到着した。霧島も木下も待ち構えている。
「来たわね。今回は絶対負けないわよ。」
「・・・優子の言う通り。絶対に勝つ。」
二人から出るオーラが凄いな。鳥肌が立ってしまった。
「・・・それでは始めましょう。教科は日本史です。」
「「「「サモン!」」」」
四人の召喚獣が出てきて、点数が表示される。
『 Fクラス 藤堂高虎
日本史 422点
Fクラス 大谷吉継
日本史 434点 』
VS
『 Aクラス 霧島翔子
日本史 352点
Aクラス 木下優子
日本史 344点 』
よし。点数で差をつける事はできているな。
「高虎、木下を頼む。俺は霧島を討つ!」
「任せろ!」
「代表、大谷をやっちゃつて!コイツを片付けたらそっちに向かうわ!」
「・・・分かった。」俺VS霧島、高虎VS木下と言った構図となった。
(霧島の装備は武者鎧に日本刀。バランスが良い。被害無くして勝てはしないか。)
正面から戦っても損害が大きい、ならば、
(腕輪を使ってみるか。)
400点を越えている訳だし、使って損はない。試してみるか。
こう考えている間にも勿論戦いは繰り広げられている。そこで、俺はわざと斬り合いを止め、距離を取る。
「腕輪発動ーーー」
「・・・しまった!」
もう遅い。発動と言った時点で止めることはできないんだがな。
俺の召喚獣は左腕の腕輪を光らせ采を振った。