Aクラス教室の中心で、双方のクラスが一気にぶつかった。
「俺達は点数が無い!必ず二人以上の集団を作って当たれ!それか俺や吉継、姫路についてサポートだ!」
左では高虎が皆に指示を出している。
「Fクラス大谷、行きます!サモン!」
「Fクラス明智も行くのじゃ!」
『 Fクラス 大谷吉継
古典 288点
Fクラス 明智玉
古典 159点 』
VS
『 Aクラス 紺野洋平
古典 215点
Aクラス 栗本雷太
古典 223点 』
二人とも、大した点数ではないか。他の場所でも皆が戦っている。助太刀が必要だし、すぐに倒さねばならぬな。
「それっ!」
玉が腕輪からビームを出す。
「おっと、二度目は無いぜ!」
紺野も栗本もササッと左右に避ける。しかし、そこには他のFクラス生がいる。
「こっちにわざわざやって来るとはな!食らえっ!」
「うわっ!」
『 Aクラス 紺野洋平
古典 112点 』
完全に油断していたのだろう、一気に点数が減ったな。
「この隙を逃すな!近藤、玉、一気に紺野を倒せ!栗本は俺が討つ!」
二人に指示して、俺は栗本に突っ込む。向こうも玉砕覚悟で突撃して来る、痛手を負うがら仕方ないか。
『 Fクラス 大谷吉継
古典 62点 』
VS
『 Aクラス 栗本雷太
古典 0点 』
何とかたおせたか…だが、古典のフィールドで戦うのは止めた方が良いか。
「俺は数学のフィールドに向かう。ここを支えてくれ!」
他のAクラス生が召喚する前に急いで離れる。後で事情を話して高虎に入って貰おう。
さて、少し姫路達の方に目を向けてみよう。
こちらの教科は数学、姫路も島田も得意の教科だ。
『 Fクラス 島田美波
数学 185点
Fクラス 姫路瑞希
数学 425点
Fクラス 藤堂高虎
数学 323点 』
「姫路、準備をしろ!」
「は、はいっ!」
現在、この三人がAクラス生12人を相手に戦っている。
明らかに不利だが、高虎の狙いは大体分かる。
Aクラスは島田と高虎を集中して狙っていて、二人の背後にいる姫路に注意が行き届いていないのだ。
どんどん姫路の方に誘導されて、高虎と島田が横に飛ぶ。
「姫路、行け!」
「はい!腕輪発動、『熱線』!」
キュボッ
姫路の熱線が敵の召喚獣を灰に帰す。12人一斉に戦死したのだから、被害は甚大だ。
「戦死者は補習だ!」
補習室に連行する西村教諭も大変そうだ。
「高虎、古典のフィールドに加勢してくれ。俺はもう点数が無い。」
「分かった。ここはお前に任せるぞ。島田や姫路と協力してくれ。」
高虎が移動する。向こうは誰も居なくなってかなり苦戦している様だな。そんなことを考えていると、前の方から声が上がった。
「霧島さんがきたぞ!」
代表が…?流石に見てられないと思ったのか?
「…Aクラス霧島翔子、行きます。サモン。」
『 Aクラス 霧島翔子
数学 388点 』
流石学年主席、とても点数が高い。Fクラスの奴らがゴミのように飛んでいく。
「…瑞希、島田、大谷、相手をする。」
「良いのか?ここでしくじったら即敗けだぞ?」
「…私が出た方が勝てると思ったから。」
自分が戦っている間に雄二をクラスメイトに討たせるって事か。早めに終わらせた方が良いな。
「残ってる奴は総員で雄二を守ってくれ。姫路、島田、行くぞ。サモン!」
『 Fクラス 大谷吉継
数学 317点
Fクラス 姫路瑞希
数学 325点
Fクラス 島田美波
数学 173点 』
二人ともさっきの戦いで消耗している。満タンで残ってるのは俺だけか…
霧島の召喚獣は、武者鎧に日本刀。学年主席に相応しい格好だ。
「…それじゃあ、先制攻撃はもらう。」
「っ!?」
驚くべき速度で島田の召喚獣に斬りかかる。島田は防御体制が取れていない。急いで救援しなければ!
ガギィン!という金属音がして、俺と霧島が鍔迫り合いをしている状態となる。
「大谷、ありがとね!それっ!」
体勢を立て直した島田が霧島の下半身を斬りつける。
『 Aクラス 霧島翔子
数学 301点 』
致命傷にはならなかったが、大きな一撃となったな。
「…」
霧島が退く。それと同時に姫路が大剣で襲いかかり、それを受け流す。受け流すのを確認した島田と俺が挟み撃ちにして霧島がそれを防ごうとし、失敗して点数が減る。この行動が10秒程で行われた。
『 Aクラス 霧島翔子
数学 243点 』
順調に削れているな。まあ、俺達もそれなりに点数は減っているんだが。
『 Fクラス 大谷吉継
数学 277点
Fクラス 姫路瑞希
数学 305点
Fクラス 島田美波
数学 133点 』
このままなら勝てるが、雄二の方が心配だ。どうだ…?
「そっちに一人、俺の回りには二人で良い!とにかく防げ、攻撃はしなくて良い!」
…まあ、大丈夫か。戦闘に戻るとしよう。現在は姫路と霧島が鍔迫り合いをしている。
ここで腕輪を使ったら一撃で終わるが…霧島はそれを読んでるだろうし、無理か。なら…
「そこに割り込む!」
仕込采に仕込んである刃を出し、横合いから斬りかかる。
「…!?」
霧島が下がる。良し、これで良い。
「大谷君、ごめんなさい!行きます!」
姫路が霧島に大剣を降り下ろした。…俺を巻き添えにして。
『 Aクラス 霧島翔子
数学 0点 』
VS
『 Fクラス 大谷吉継
数学 0点 』
俺も戦死したか。だが、これで良い。
「それまで!Fクラスの勝利です!」
明智先生の勝利宣言が高らかに響き渡った。