バカと無双と下剋上   作:走り高跳び

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アンチ対象の話ですが、皆さんの意見を聞いて自分で考えた結果、Aクラスアンチは変わらないですが、途中で工藤さんに救済処置を取ろうと思います


Aクラス戦3

 木下と工藤を討ち取り、作戦を変更するために一度教室へ戻る。

面倒だが、雄二に先に報告しなければならないしな。

 「少し済まない。」

「高虎と吉継?どうしたんだ?」

「木下優子と工藤愛子を討ち取ったぞ。それで、敵が退いて行った。」

 俺の言葉に、前半は喜色が出ていたが、後半、少し思案顔になった。

「退いたか・・・あの地点でAクラスを一人一人討ち取るのは無理か。」

「ああ、恐らく教室に籠城するだろう。」 

あちらから出てきて貰わないと、非常に困る。木下や工藤のような規格外の点数の奴は、あと三人程度とは言え、正面から戦って勝つ見込みは無い。

明智先生に見せてもらったデータでは、大体一教科平均の得点が200~250点。Fクラスの生徒が四、五人いないと敵わない位だ。

 「挑発でもしてみるか?」

「無駄だな。恐らくからかいに行った奴がリンチにあって終わりだ。」

雄二の提案を高虎が即却下する。

・・・案が思い付いた。あまり賢くは無いが、言ってみるか。

「いっそのこと俺達が近付こう。教室のドアの前辺りまで出てきたら流石に出てくるだろうし。」

「・・・現時点で一番良いのはそれか。分かった。雄二、ついてこい。お前を餌に釣り出すぞ。」

 雄二を見せて釣り出す、か・・・全軍で突撃してきたら厄介だな。そうなったらBクラスの時みたく、ドアを俺や高虎で塞ぐまでだが。

 「了解だ。だが、絶対に俺が戦う様な状況にするなよ。」

 雄二は頭の回転は速いが、テストで点数は出せていない。それ故に戦ったら瞬殺される危険性がある。

雄二を守りつつ、敵を包囲して討ち取る。なかなかに面白いし難しそうだな。

 「それじゃあ、姫路に知らせてくる。吉継、お前は雄二達本隊を連れて来い。」

「承知した。」

高虎が教室を出て、俺が雄二や親衛隊と共に少し時間を置いて出発する。

 その後、Aクラス教室のドアを完全に塞いだが…雄二が居るのを知った上で出てこないな。先程の衝撃がまだ残っているのか。それとも、秘策でもあるのだろうか。

「敵は出てこないな。」

「むう、わらわ達から仕掛けても教室内で戦ったら恐らく負けてしまうからな。」

俺の持ち場である渡り廊下側のドアには、玉が、もう片方には、高虎、雄二、明久、姫路、島田、ムッツリーニ、秀吉が居る。

間違いなく向こうに戦力が偏っていると思うが、仕方ないか。

「吉継、わらわに考えがある。少しだけ、相手に攻め込ませてくれぬか?」

「攻め込む?さっきお前が負けてしまうと言っていたが…」

「大丈夫じゃ!じゃが、吉継や他の皆も、何時でも召喚できるように準備をしてほしいのじゃ。」

…考えていることは大体分かった。だが、召喚も明久みたいに多数している訳でもなければ、姫路の様に点数があるわけでもない。途中でやられたりしないだろうか?

 「それでは行ってくるのじゃ!父上!」

「分かりました。承認します。」

父親の明智先生がフィールドを展開する。

「Fクラス明智玉がAクラスに召喚獣勝負を申し込むのじゃ!サモン!」

「いきなり一人で突っ込むとは、僕達をバカにしているのかい?Aクラス久保利光が受けます、サモン!」

久保利光。現在学年次席の秀才。木下や他のAクラス生と違って穏やかな性格をしている。

『 Fクラス 明智玉  

   古典   171点  』

      VS

『 Aクラス 久保利光 

   古典   362点  』

父が担当する教科だからか、中々に点数が高いな。

久保の召喚獣は戦前の将校が着ていた様な軍服に二つの鎌。

玉の召喚獣は黒と紫を基調としたドレスに…

「…素手か?いや、手首に腕輪があるな。」

腕輪を着けていた。どうやって攻撃するのか予想が出来ないな。 

「素手の召喚獣だなんて、随分と貧相だね!悪いけど、一撃で終わらせてもらうよ!」

 久保が鎌を振りかざす。そのまま玉の召喚獣は切り裂かれて終わる…と、誰もが思っていた。

「それっ!」

玉の召喚獣それを素手で受け止める。それを確認してすぐさまもう片方の鎌で腰を斬ろうとする。しかし、それも止められる。

「くっ…」

「吉継、今じゃ!」 

「!ああ、サモン!」 

思っていたのと違うが…考えている暇はない。

ちなみにだが、俺の考えていたのは、玉が敵を俺達の居るところまで引き付け、そこで大人数でボコボコにする…と言ったものだった。

『 Fクラス 大谷吉継 

   古典   288点  』

 工藤と戦う前は300点を越していたんだが、少し減ってしまったな。まあいい。このまま久保を仕留める!

「次席、助太刀するぜ!サモン!」

『サモン!』

教室の奥から10人程が召喚する。くっ、流石にこれでは無理か…このままでは俺も玉も戦死してしまう!

「一旦下がるのじゃ、吉継!」

 その時、玉の召喚獣が久保の武器を手放す。そして、召喚獣の腕輪からビームが出る。

「…!」

「吉継、この隙を逃すでない!」

玉の攻撃を受けた10人弱は宙に舞っている。ここでとにかく斬りまくり、全員討ち取る。

「行くぞ!」

召喚獣を一直線に進ませ、降ってきた召喚獣や、体勢を立て直そうとしている召喚獣をひたすらに斬りまくる。結果、数人は取り逃がしたものの、7人程討ち取る事ができた。

 「…このままじゃ埒が空かない。全員で討って出る!」

霧島が残る40人に突撃の命令を下す。

「翔子、面白いじゃねえか。俺らも行くぞ!」

Aクラス教室の中心で、AクラスVSFクラスの全面衝突が始まった。遅かれ早かれ、ここで決着がつくか。


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