バカと無双と下剋上   作:走り高跳び

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今回は優子のアンチがきつめです。
苦手な人はブラウザバックを推奨します。


Aクラス戦2

 ~高虎視点~

『 Fクラス 藤堂高虎 

   古文   351点  』 

      VS

『 Aクラス 木下優子 

   古文   347点  』

 「なっ…!?」 

点数は俺の方が上のようだ。だがたかが4点。少しの攻防でひっくり返る差だ。

木下の召喚獣は…緑色のスカートに中世のヨーロッパ騎士のような鎧、武器は…ランスか。リーチは負けてるから慎重に動かないとな。

「先手は取らせて貰うわ!」

早速召喚獣をこちらに突っ込ませて来た。とりあえず右に受け流して体勢を崩す。

「そこだっ!」

木下が立て直す前に背中を思い切り斬りつける。これでかなり削れれば良いのだが。

『 Aクラス 木下優子 

   古文   251点  』

 まあまあ、か。だが油断は禁物だな。テストの点数は攻撃力、防御力、体力、速度などのステータス全てを兼ねている。そのうちの体力が減少しただけだからな。

「この…まだ終わった訳じゃ無いわ!」

再び突っ込んで来た…が、少し工夫はしている。避けにくい様に、袈裟懸けの形で攻撃してきた。

「完全には防ぎ切れないか。なら…」

木下は俺から見て右側から斬りかかる。俺は、左から斬りかかる。不完全に防いで点数が削れるなら、相手の点数を同程度削る方が良い!

 

ザクッ!!

 

 鈍い音が二つ聞こえ、点数が更新される。

『 Fクラス 藤堂高虎 

   古文   233点  』

      VS

『 Aクラス 木下優子 

   古文   110点  』

 大分削れたな。木下の武器であるランスは突く方が威力が高い。特性を理解していなかった様だな。

これで点数は二倍近くある。殆ど勝ちは揺るがんだろうな。

敵の加勢が無ければな…

「優子、手伝うよ!サモン!」

 木下の後ろにいた緑髪の女子が召喚する。

『 Aクラス 工藤愛子 

   古典   312点  』

 「ボク達も負けたく無いんだよ!それに…優子を泣かせたのは絶対許せない!」

私怨をここに持ってきて欲しく無いな。関係を無駄にこじれさせたく無いんだよ。

「おっと、そんな事言ってる場合じゃないな。このままじゃ間違いなく負ける…」

「高虎、俺が工藤を抑える。早く木下を倒せ!サモン!」

『 Fクラス 大谷吉継 

   古典   355点  』

横から吉継が工藤の召喚獣を斬りつける。奴の召喚獣は、巨大な斧とセーラー服。防御力が低いであろう装備、かなり削れた様だ。一気に186点まで減った。

 「愛子!」

「友の心配をしている場合か?それっ!」

目をそらしている間に片をつける!と思って攻撃したが、上手くかわされてしまう。

「Aクラスの優等生が、アンタみたいなバカに負ける訳にはいかないのよ!」

木下が叫びつつ三たび召喚獣を突撃させる。冷静さを失っているのか、一回目と同じようにただ突っ込んでいるだけだ。

「…成績だけで人間を区別するようなあんたに、俺は負けん!」

左にかわして、首筋に俺の武器であるレイピアを添える。そのまま、打ち首にでもされた様に召喚獣の首が飛び、胴体も消滅する。

「そんな…嘘でしょ…!?」

「俺がさっき言った言葉を覚えてるか?成績だけで人を区別する。あんたは変な考えにとらわれてるんだ。その考えを変える事が出来たら…俺に勝てるかも知れないな。」

 「そう言うことだ。木下、補習だぞ。」

「いっ、いやあああ!」

何処からか現れた鉄人こと西村教諭が木下を連行する…前に、もう一人を抱えあげた。

「うう…負けちゃった…」

「勝負の流れが俺にあっただけだ。」

 工藤とか言う奴が吉継に負けた様だな。その横で吉継は何かカッコいい様なセリフを言っている。

「木下さんと工藤さんがやられた!?」

「一度退くぞ!想定外だ!」 

 Aクラスの連中が一斉に退いていく。何が想定外なんだ…今の俺と吉継はボロボロなんだから、力で押せばそのまま雄二の下に行けたのに。

「高虎、一旦俺達も退こう。作戦を練り直す。。」

「練り直す必要があるのか?」

「時間ができたからな。それまでは姫路を置いて相手を威圧する。」

 姫路だけでは少し不安だが…まあ良いか。

「少しの間離れる。敵がきたら頼んだぞ、姫路。」 

「はいっ!」

Aクラスとの決戦の初めの衝突は俺と木下の戦いだった。この戦いで感じたのは、アイツとは考えが正反対だ。木下は優等生に囚われている。恐らくだが…あの考えが変わることは無い。

(あれさえ無ければな…)

少し残念だと言う気持ちを抱えつつ、雄二達と作戦を練り直す為に教室へ戻った。


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