私の名前はヨシカゲ・キラ 目指すものは心の平穏   作:ドリーム

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アインハルトが好き(真顔)



ヨシカゲ・キラは争いが嫌い その②

 

「覇王…だと…」

「はい、おそらくあなたが考えている『覇王』で間違いありません」

 

覇王ーーーーーー

 

古代ベルカの時代を生きた王の一人。確かに以前見たなんらかの書物で書いてあったな…

いや、重要なのはそこじゃない。

何故このヨシカゲ・キラの名前を知っているかだ…

私が普通に名前を明かしているところなど学院しかない…しかしこの女どう見ても私より年上だ。同じ学院にいるとは考えられない…いや…ああ、そういうことか…

 

「何故、私の名前を知っているんだね?私は別に有名人って訳じゃあないんだが…」

「以前、あなたが近所のジムに通っているとき、私もたまたまそこにいました」

 

(あの頃はまだ基本もかねて一時的に、格闘技での私がこれからは習得する覇王流において『スポーツ』か、『戦い』かをしっかり区別させるために通っていましたが…)

 

ジムか…確かに数ヶ月前まで通っていたな。失敗からの学びとして体力をつけたかったんだがね…

しかしその時何かしてしまっただろうか…

 

「あなたはずっと一人で練習をしていましたよね。それだけなら特に気にしていませんでした…しかし、あなたの拳には…失礼を承知で言いますが、

 

 

 

 

 

…………………………『人を殺すための拳』に見えました」

 

 

………………なるほど。さすがは覇王関係者と言ったところか。

そう、かつて『クソッタレな奴』に言われた言葉…

 

『お前のスタンド。どうやら一対一の戦いには向いてないようだな。動きがスッとろいぜ』

 

この吉良吉影…一度失敗した身。ヨシカゲ・キラとして生きる以上、以前と同じではダメだ。

我がスタンド『キラークイーン』は確かに一対一には向いていない。それゆえ格闘センスだけでも磨いておこうと思ってジムに通い出した。

無論、私が戦う時は『必ず殺さなければいけない戦い』。

『殺すための格闘センス』を磨かなくてはいけない。

 

「私のこの覇王流も同じです。戦いで勝ち抜きそして…殺す技です。だからあなたの事を調べさせてもらいました。ヨシカゲ・キラさん。私は確認したいのです。私の拳と貴方の拳…どちらが強いのか…」

 

なるほどそういう事か。しかし

 

「残念だが、私はそういう格闘は性に合わなくてね…悪いが失礼させてもらうよ」

「ッ!!では何故あなたはあんなに辛そうに格闘技を習ってたんですか!?」

「君みたいに強くなりたいとか、勝ち負けにこだわるとか、自分の流派のために戦うとか…私にはそういうものは無い。私には私の人生での目標がある。それを成すためのジム通いだったに過ぎない」

 

私は後ろを向いて歩き出す。しかし彼女は負けじと私に話しかける。

 

「…あなたは一体…何を目標に生きているんですか…」

「そうだね…強いて言うなら、激しい『喜び』はいらない。その代わり深い『絶望』もいらない。『植物の心』のような穏やかな『平穏』というところ…かな」

 

再び歩き出すが、その前に振り返り…

 

「それと…変身魔法はデバイスを使った方がいい。肉体への負担がかなりかかるよ…それじゃあ失礼させてもらうよ」

 

△▼△▼△▼△▼△

 

~覇王っ子視点~

 

見抜かれていた…変身魔法も、デバイス不所持の事も…それに何だろう…

 

変身魔法を解く。そこにはヨシカゲ・キラさんと同じくらいの私がいる。

 

「何故だろう…あのまま戦ってたら…殺されていた」

 

彼はきっと殺すとき、全く躊躇しないだろう。彼の言った『平穏』妨げるものがいたらきっと…

もしあれ以上彼を調べていたらどうなっていただろうか。

踏み込んではいけないと本能のようなものが訴えて来る。

 

クラウス…私はまだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私はまだ…心が弱いのでしょうか…」

 

 

△▼△▼△▼△▼△

 

~キラ視点~

 

始末すべきだっただろうか…私の事を調べたと言ったが…小娘程度に調べられる分けないと思うが…

あの髪の色、どこかで見たな。おそらく同じ学院で通っている。変身魔法を解いたらだいたい私と同じくらいだろう。

 

「ん?ああ、すまない『エリリさん』。一人で考え込んでしまったね。さあ、一緒に夕食を食べよう。僕の口に運んでくれるかい?うれしいな…ククク…」

 

 

 

 

 




短くてすみません。

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