私の名前はヨシカゲ・キラ 目指すものは心の平穏 作:ドリーム
「うおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!」
う、腕の感覚が!骨を吸い尽くすスタンド…ま、まずい!どんどん骨がなくなっていくッ!
「吸い尽くしなさい!『リーファス』!!」
「このクソ蛇!引っこ抜いてやる!!」
!?
な、なんだこの感じは…取れない!?まさか吸っている時は骨と同化しているのか!?
こ、この距離ではこのクソ蛇を爆弾に変えることはできない!そうすれば私まで吹っ飛んでしまう!!
「どう!?自分の体から骨がなくなってく感覚は!?それはきっと誰にも体験できない素晴らしいことよ!感謝して死になさい!」
「このクソッタレが…この距離…私の能力の方が上だ!細切れにしてやる!」
ガクンッ
!?
あ、足に力が…いや違う…これは…
「足の骨まで…」
「あらあら!もう手遅れね。あとは胴体の肋骨と頭蓋骨のみ!安心しなさい!たとえ骨がなくなってもしばらくは生きてられるわ!地面に這いつくばってるあんたを…優しくぶっ殺してあげる!」
「このクソカスがァァァァァァ!!!!!」
く、右足がなくなった…左足だけでは奴までに遠すぎる…キラークイーンの射程距離が短すぎる…!!
「ハァ…ハァ…」
だが落ち着け…このヨシカゲ・キラ…どんなピンチだろうと乗り越えてきた…奴は油断している。この私を完全に屈服させていると…
「教師から預かったプリント…くしゃくしゃに丸め…爆弾に変える!」
投げろキラークイーン!触れただけで爆発する接触タイプだ!
油断しきってるクソッタレは必ず手で弾く。その瞬間木っ端微塵に消しとばしてやる!!
「…あなたの能力…
ドゴォォォォォン!!!!!
「———!?…靴を投げて…接触弾を…」
「なんて火力…あれね。『触れたものを爆弾に変える能力』…ってとこでしょ」
な、なぜだ!?なぜわかった!?私は一度もキラークイーンの能力を使用していない…
「私ね。ずぅぅっと考えてたの。この吹っ飛んだ指のこと。悩んでも悩んでも、答えを導き出せなかった………でも!『リーファス』を使えるようになってようやくわかったわ。これは魔法じゃない。スタンドによる能力だって。そしてあの時私に何があったか…あの時私は…
ま、まさか…
「ベルリネッタは…私のリーファスが見えてなかった…そして、さっき聞いたんだけどあのサンジェルマンのサンドイッチ…あんたのだってね?そこで閃いたわ。
————あの時私の指を吹っ飛ばしたのは…ヨシカゲ・キラ…あんただってね」
こ、こいつ…ただのクソカスではない!広瀬康一や重ちーのようなタイプ!戦闘時に突如変化するタイプだ!
「あんたのスタンド…この数メートルの距離で攻撃してこれないってことは近距離タイプ…そして飛び道具が無いように見えるから能力の発動にはおそらく触れるとか…そんな感じだと思ったけど…見事にビンゴ…大当たりってやつよ。景品欲しいわ」
なんてことだ…この吉良吉影が追い詰められてる!まだ2桁にも届かないガキに…
「おっと…そろそろ時間ね。一応感謝を言うわ。あんたが私の指を吹っ飛ばさなきゃ…私はスタンドに目覚めなかった…えーと…地球では確か…こういうのよね…グラッツェ」
————
ドドドドドドドドドドドド……
「…ところで、君はさっき完璧に我がキラークイーンの能力を当てたようだ…」
「…死を前に全部暴露するってこと?」
「私は死なないさ。一度すでに死んでるからね。話を戻すが…実はキラークイーンの能力は一箇所ずつにしか爆弾に変えられないんだ…そこで…だ。
「何言って…!?まさか…!!」
彼女には敬意を表そう。この私をここまで追い詰めたのは彼女だけだ。
しかし、私は爪の甘いなんてヘマは二度はせんよ。
「さっき投げたプリントはちぎっていてね。万が一防がれることを考えて、『接触型』と『起爆型』に分けておいた」
そしてその『点火型』の方は彼女の足元に転がっている。さっき自信満々に『接触型』を弾いた時の爆風に乗るように投げ込んでおいた。
「わ、私の足元に!?さっきの爆風で!?」
だが、学校の地面に倒れ、見下されるというなんとも赤っ恥をかかせたものだ…確実に…始末する。
「点火」
カチッ
ドゴォォォォォォォォンッッッッッッ!!!!!!!
「フゥ…スタンドは成長するのさ。相変わらず爆弾は一つしか設置できんが、それを二つに分けた場合のみ、『接触型』と『点火型』に分けることに成長した」
足腰に力を入れる。体は当然立ち上がる。なぜなら骨はすでに元に戻っていた。
あの蛇のスタンド…リーファスだったか?彼女が爆発すると同時に私から吸い込んだ骨を全て吐き出したようだ。
…少々気分が悪くなるが…フフ…無事ピンチを乗り越えたぞ!!
やはり我がキラークイーンの能力は無敵だ!この能力は必ずこの吉良吉影を平穏な人生へと導いてくれる!!
「くく…おっと…そうだった」
「ガハッ…ゴハッ…そう…私の敗北って…わけ?」
「そういうわけさ。点火型は少しズレがあるからなぁ。君の場合下半身は吹っ飛んじまったが上半身は綺麗に残ってるわけだ」
壁に這い蹲り、それでもこちらへギラギラした視線を向けてくる。
…気に入らん。あの瞳…仗助たちを彷彿させる目だ。
「さて、それじゃあ木っ端微塵に消しとばしてやる。君も言った通りこの指先に触れたものはあらゆるものが爆弾になる…」
君の場合、学生リボンを爆弾に変えるがね…
「第1の爆弾!」
シャアアアアァァァァァl!!!!!
「キラークイーン!!」
背後から迫るリーファスを鷲掴みにし、壁に叩きつける。
そう、その瞳だ。最後まで一矢報いようとする精神を持つ瞳…だから私は決して油断はしない…
「これは親切な忠告だが、知らない道に行っても振り向かないことだ。前は言いそびれてね。言っておこう」
「…さっさとしなさいよ…」
点火。
ドゴォォォォォンッッッッッッ!!!!
チッ…最後まで気に食わん奴だった…
しかし…プリントを一枚殺ってしまった…どうしたものか…
→To Be Continued
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