私の名前はヨシカゲ・キラ 目指すものは心の平穏   作:ドリーム

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知らない間にvividのスピンアウト出てた。びっくり…


私の名前はヨシカゲ・キラ

 

私の名前は吉良吉影、ここではヨシカゲ・キラと言う。戸籍は大事だからね。年齢は10歳。タバコは吸わない。というか吸っちゃいけない(年齢的に)。酒は嗜んでみたい年頃。幼少期は孤児院で育ったが、1年前にキラの家に引き取られてヨシカゲ・キラになった。学院や外に出かけても遅くとも夜8時には帰宅する。寝る前に軽くストレッチをして暖かいミルクを飲んで床につくと朝まで熟睡さ。年に数回学院で行われる健康診断でも異常無しと言われたよ。

え?何故そんな個人情報をペラペラしゃべるのかって?

まあまず最後まで聞きなよ。

私は常に心の平穏を願って生きている。妙なトラブルを起こさないとか敵に怯えて生きていくとかそんなものはまっぴらだ。まあ…戦ったとしても私は誰にも負けんがね…

で、さっきの質問の答えだがその前にもう一つ言いたいことがある。

…私は生まれ持った恐ろしい(さが)を背負っている。昔は押さえよう押さえようと努力したが、人間が爪を伸びるのを止められないように、生まれ持った性を押さえる事はできない。

だから前向きにその性と向き合っている。しかし、この()()は他人に見られて理解されるとは思っていない。

時間かけて済まないね。質問にやっと答えるが…

 

ーーーーーー私の正体を見た君にこのヨシカゲ・キラを教えているんだよ。君はすでに()()されているからね…

 

正体を知った君を生かしてはおかないよ…

始末させてもらう。我が能力『キラークイーン』の爆弾でーーーーーー

 

 

カチッ

 

 

△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

学生である以上、学歴を保つために学院には向かわなくてはならない。

このヨシカゲ・キラ…あくまで敵を作らない、トラブルを避けるため日々活動している。できるものには手を抜き、だからといってふざけず授業を受ける。親しい友人を作らず、だからといって孤立はせず、微妙なバランスが難しい…

平穏を目指すため多少の苦労をしょいこまなくてはならないなんてのは仕方が無いことだろう。

 

学院につけば取り合えず本を読む。内容は管理局についてだ。私がしている行為上、必ず関わりができてしまう。どうすれば奴らの捜査線上の立たずに済むか…すでに一度失敗しているこの吉良吉影…ヨシカゲ・キラとして生きる以上、絶対に幸福に生きて見せる。

 

ぶち

 

「!!」

 

しまった…つい力が入って本を破いてしまった。経験上、幼少期から体は鍛えていたが、この体…予想以上に効果が出てしまい力の制限が難しい…徐々になれていかなくては…いつかぼろを出してしまう。

 

「落ち着け吉良吉影…」

「ど、どうかしましたか?」

「何ッ!!」

「ひ…」

 

声の方向を向くとそこには隣の席の…確かリンネ・ベルリネッタ…だったか。彼女がおどおどと話しかけて来ていた。

 

「ほ、本のページが落ちましたよ…」

「…済まない、考え事をしていた。ありがとうベルリネッタさん」

 

動揺するな吉良吉影…神経質過ぎるぞ…この学院で私の正体を知るものは絶対にいない。リンネ・ベルリネッタもただ落ちたページを拾っただけだ。

 

「す、スゴイ力ですねキラ君。生れつきですか?」

「いや、諸事情で鍛えていてね。別に格闘技をしてるわけじゃあないんだがね…そろそろHRだ。席についたほうがいい」

「あ、うん。ありがとう」

 

リンネ・ベルリネッタは席に着く。しかしその勉強机は正直、見ていてよい気分のものではない。

彼女は続に言う虐められっ子だ。よくクラスメイトの三人の女子(名前は興味無し)に虐められている。

机に彫刻キットか何かで掘られて悪口が刻まれている。ペンでも悪口。そして中身はゴミの山だ。

まあ関わるだけ無駄だ。この吉良吉影にとって重要なのは彼女に関わると虐めの対象に私も入ってしまう事だ。同情はしないし救いもしない。これが昔からの吉良吉影のスタンスだ。

 

しかしなぜだか胸騒ぎがする。何かの前兆か?

 

△▼△▼△▼△▼△

  ~昼休み~

△▼△▼△▼△▼△

 

~リンネ視点~

 

「ベルリネッタさん、ちょっといい?」

「ニヤニヤ」

「ニヤニヤ」

 

「はい…………………あ」

 

今日もまた…って思って席を立つと隣のキラ君席からキラ君の昼食と思われる『ミッドジェルマン』というサンドイッチのお店の袋が落ちている事に気づいて私はそれを拾いました。

 

「あ、それ『ミッドジェルマン』の袋じゃん」

「おいしいよね」

「ちょっと私たちにも分けてよベルリネッタさ~ん」

 

「え、こ、これは私のじゃ…」

「言い訳はいいから、取り合えずいつもの校舎裏に行こっか」

「あ、だから…」

 

私はこの時心のそこから「キラ君ごめんなさい」と思った。それと同時に他人を巻き込んだ自分の弱さに自己嫌悪した…

 

△▼△▼△▼△▼△

 

~キラ視点~

 

馬鹿な…ほんの数秒だった筈だ。教壇にいる教師に係の仕事を終えたことを報告した1分にも満たない時間に私の『ミッドジェルマン』の袋が無い…

まだそれだけなら苛立つ程度でいい。

しかしあの袋の中には『彼女』がいるッ!!これでは前回の二の舞だッ!!

 

すぐさま廊下に飛びだし、周りを見渡す。

 

一番可能性があるのはリンネ・ベルリネッタだ。おそらく彼女自身取る気はなかっただろうが彼女の周りにはあのゲス共(いじめっ子)がいる。なんかの偶然で彼女が持っている可能性が高いッ!!

 

「ど、どこだッ!!」

 

すると後ろから、

 

『リンネさんかわいそうだね~』

『でも関わったら私たちも虐められるし、』

『校舎裏には近づかないようにしよう』

 

校舎…裏…!?

そこだ。リンネ・ベルリネッタとゲス共はそこにいるッ!!

 

クソッタレ、このまま『ミッドジェルマン』の袋を開けられたら…

 

『な、何で『手』だけ袋に入れて持ち歩いているんだどッ!?』

 

させるかッ!!

 

△▼△▼△▼△▼△

 

「さて、さっさとその『ミッドジェルマン』寄越しなさいよ」

「そーだそーだ」

「さっさとしてよ」

 

これはキラ君のもの、絶対に渡しちゃいけない。これは私の問題で他人のキラ君をまきこんじじゃいけない…

言うんだ!これは私のじゃ無いって…

 

「はーやーくー」

「こ、これは…わ、私のじゃ」

「はあ、もうのろいわね~、さっさと寄越しなさいって言ってんのよッ!!」

 

あああぁぁぁ、このままじゃキラ君にも見下される…

きっと言っても私が盗んだって言われて…このままじゃ…

 

「さーてご開帳~」

「ワクワク」

「wktk」

 

ボンッ

 

しかし袋を開けようとした指が火をあげて吹っ飛んだ。

 

「キャアアアアアアアアアァァァァァァァァッ!!」

 

「こっちだベルリネッタさん」

 

すると隅から誰か出てきた。そこにいたのは…

 

「キラkムグッ!」

「黙ってこっち来てくれ」

 

キラ君に引っ張られて、私はそのまま無我夢中で教室まで走った。

 

気のせいだと信じたい。キラ君の背後に猫型のお化けがいたことを…

 

△▼△▼△▼△▼△

 

『キラークイーン 第一の爆弾』

 

この指先に触れたものはどんなものだろうと爆弾に変えられる。例えば袋止めのシールとかもね。

しかしなんて災難だ…

『彼女』はおそらく誰にも見られなかったが止む得ずスタンドを使ってしまった…

 

「き、キラ君」

「……何かね…」

 

追求されるか…くそ、こうなったらリンネベルリネッタも…

 

 

「ありがとう…」

「は?」

「キラ君は多分何もしてないんだと思うけどあの場から盗んだかもしれない私を助けてくれて私はとても助かりました。ありがとう」

 

………虐められてる癖にあいつらと同じ『目』をしている…

しかし何だ…?あの『クソッタレな奴ら』と同じ目をしているリンネ・ベルリネッタを…とても美しく見えた…

いや…気の迷い、動転から来るものだ。きっとそうだ…

 

袋の中の『彼女』を消滅させてしまったのもそのせいだ…

 

 

 

私は決してリンネ・ベルリネッタに心を緩してもいいんじゃないかなんて…思っていない…

 




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