捻くれボッチのダンジョン生活 作:ミョンム
迷宮都市オラリオ。
『ダンジョン』と通称される地下迷宮を保有する、いや迷宮の上に築き上げられた巨大都市。
この都市には、様々な種族が生活している。
この都市が栄えている理由。それは冒険者というダンジョンに潜り、そこから得た収入で生計を立てている人々のおかげである。
この都市に住む冒険者は、この世界に降りてきた
この物語は、ある捻くれた性格の青年と青年の所属しているファミリアの団員達とが織りなすダンジョン生活を記したものである。
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???side
ある青年が再びこの地に戻ってきた。
「……………ハァ…、働きたくねぇ…」
彼は不本意の様だが…
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ダンジョン49階層
「盾ェ、構えぇッーー!!」
「前衛、密集陣形を崩すな!後衛組は攻撃を続行!」
号令とともに打ち上がる、数多の衝突音。
前衛後衛に二分される部隊の中、陣の中心でばさばさと風にあおられてるのは、滑稽な笑みを浮かべる
「あぁん、もう!体がいくつあっても足りないよぉ!」
「ティオナ!黙って早く倒しなさい!」
「ティオネぇ~、だって~」
文句を言う妹に指示を出す姉の二人
彼女らはアマゾネスの姉妹のティオネ・ヒリュテとティオナ・ヒリュテ
「そろいもそろっうるせェンだよバカゾネス共がッ!」
「ベートは黙ってて!!」
「あ”ァン!?」
ヒリュテ姉妹に対して喧嘩腰な彼
彼はベート・ローガ。
「二人とも黙って倒しせって言ってるでしょうが!」
「あぁん、もう!ねぇ~!リヴェリア~!詠唱はまだー!?」
【間もなく、
魔法の詠唱をしている彼女
彼女の名はリヴェリア・リヨス・アールブ
ハイエルフの彼女の魔法はオラリオの中で
流れるような詠唱を耳に誰もが力を振り絞る。
一方で、モンスター――――『フォモール』が吠える。
群れの中で一際巨大な個体が仲間さえ蹴散らし彼らに驀進してくる。
その迫力に気圧された団員の一人が吹き飛ばされ陣形を崩される。
「―――ベート!穴を埋めろ!」
「ちッ、何やってやがる!?」
ベートが戦場を駆けるが間に合わない。
何体かの侵入を許す。
魔導士達が顔を青ざめるのとフォモールの攻撃が行われるのは同時だった。
「レフィーヤ!?」
一人の少女が吹き飛ぶ。
フォモールの武器が目に映った瞬間吹き飛ばされた彼女は死を覚悟した。
しかしその武器は彼女の体に当たる事は無かった。
彼女の視界に、金と銀の光が走り抜ける。
「アイズさん!」
アイズと呼ばれた彼女は侵入していた残りのモンスターに肉薄し、一気にフォモール達を殲滅した。
そして彼女は更に前進する。
「ちょ、アイズ!?」
制止の声を振り切って彼女は未だに大挙して攻めてくるフォモール達の大軍へと突っ込む。
そして後方。膨大な魔力の高まり。
ついに詠唱が完成する。
「アイズ!戻りなさい!」
アイズは後ろを一瞥し、跳んだ。
【汝は業火の化身なり。ことごとくを一掃し、大いなる戦乱に幕引きを。焼きつくせ、スルトの剣――我が名はアールヴ】
詠唱が終わり、リヴェリアは口から魔法名を唱える
「【レア・ラーヴァテイン】ッ‼︎」
大炎。
全てを無に返すような灼熱の無数の炎柱
耳を弄するほどの轟音とともにモンスター達は灰になる。
この光景を見ているアイズ達の顔も緋の色に染め上げられていった。
ロキファミリア
それが彼らの所属するファミリア
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フォモール達との戦闘の後
野営地に到着したロキファミリアの団員達は天幕で休憩など様々なことをしていた。
しかしアイズは野営地の奥、一際大きい天幕に呼ばれていた。
「フィン」
「ああ、来たかい、アイズ」
天幕の中で待っていたのはロキファミリア最古参メンバーでありロキファミリア幹部の3人だった。
ハイエルフのリヴェリア・リヨス・アールヴ
たくましい体付きのドワーフのガレス・ランドロック
そしてロキファミリア団長の
「さて、なぜ呼ばれたかわかるかい、アイズ?」
「……うん」
「なら話は早い。どうして前線維持の命に背いたんだい?」
「……………」
「アイズ、君は強い。だからこそ組織の幹部でもある。内容の是非を問わず、君の行動は下の者に影響を与えるんだ。それを自覚して貰わないと困る。」
「……うん」
「窮屈かい?今の立場は」
「………ううん」
「………………...……
「ッ!?…………ううん……」
「アイズ、彼のことを考えるなと言ってるわけではないんだよ。」
「……うん」
「ただね、ダンジョン内で他のことを考えて気が散っているなんて御法度だよ。」
「……………」
「…………はぁ。…….アイズ、君や他の団員達には黙っておくはずだったんだけどね」
「?………なに?」
「
「!?」
「だから、安心してダンジョンに集中してくれ」
アイズはフィンから言われた報せに驚きを隠せなかった
フィンは
アイズの心はもう歓喜していた
「その感じならもう大丈夫そうだね。ティオナ達の所に戻って良いよ」
「………うん!」
天幕から出るときの彼女の顔は笑顔で満ち溢れていたとか
「良いのか?フィン」
「何がだい、リヴェリア?」
「
「別に良いじゃろ」
「そうだね、僕もガレスと同じで別に何の支障も出ないと思うよ」
「それにお主、フィンがアイズに教えなくともタイミングをみて自分から言うつもりだったじゃろ」
「ふっ、気づかれていたか」
「流石はロキファミリアのママじゃの」
「ママと言うな」
幹部の3人が談笑している同時刻にアイズの笑顔を見て卒倒した者が男女問わず何人も居たとか居なかったとか
そして余談だがこのあと出てきた新種のモンスターは上機嫌な彼女の前ではゴブリンと同じくらいあっさりと倒されてしまったのはここだけの話
感想又はご指摘、待ってます。
豆腐メンタルなのでお手柔らかに