さあ!始まらない!   作:まだはげ

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前話の出来事
平和な世界で暮らしていた一人の男性は女性を庇うことも無く、普通にトラックに轢かれグランブルーファンタジーの世界に転生した。転生したのはこのゲームの主人公であるグラン君。そのためなのか身体能力、魔力共に化け物の域へと成長した彼は、原作でメインヒロインであった少女『ルリア』。その少女を守る騎士『カタリナ』を助ける。原作とは違い最初の戦闘では死ななかった彼は、前世では女の子を助けて死ねなかった後悔から今度こそ女の子を助けようと空の旅へと旅立つ。


ポート・ブリーズにて

°月×日

あの俺の死亡イベント回避の日から5日後、俺らは空を旅してポート・ブリーズ島に不時着した。そう、不時着した。危なかった...キャタリナさんがあんなに運転ができないなんて知らなかった。

咄嗟の判断で俺の飛翔術を使って二人を抱いて逃げてしまったけど体に触ったから怒ってないよね?キャタリナさーん、目が怖いデスヨー。何をブツブツ俺を見て言ってるのですか、セクハラで訴えられてしまうのだろうか...そんな事を考えてると顎髭を生やしたダンディなお兄さんが此方にやってきた。

お兄さん曰く、なんでこんなに運転しやすい島で騎空艇が墜ちるんだ、お前らは騎空士やってんのなぜまともな操縦士がいないんだ、船が可哀想だ、この街はいい操縦士がいるから探していけ、だそうだ。あらやだイケメン、ご親切にアドバイスをくれた。

その後お互いに自己紹介をするとラカムというらしい、この人がラカムか。原作メンバーの一人じゃん。というかここでゲーム辞めちゃったからここまでしか知らないんだけどね。こんな風に転生するんだったらもうちょっとやっとけばよかった....

俺らはその後、街の方向を教えてもらい街に向かった。何から何まで親切だったなぁ。

 

°月〆日

とりあえず昨日、ラカムさんに言われたように俺たちは騎空士に必要不可欠な操縦士さんを、キャタリナさん達と別々に探した。また墜落したら困るしね。

俺はキャタリナさん達と別れた後に、酒場に情報収集しに行ったんだ。で、気付いた。俺ってばコミュ障じゃん!?何でキャタリナさん達と別れてんの!?そして俺は情報収集しようにもできず一人で酒をちびちび飲んでいた。

そしたらさぁ、目の前に迷子の子供がうろついてたんだよ。で、みんな酒場に子供が一人でうろついてるのに気にもしないで通りすぎたりしてるから不思議と思いながらも危ないからその子供を庇護した。

座らせてるだけだと可哀想に感じて、ほらこれ食べなー、とかこれ飲みなーとかやりまくってると、凄い嬉しそうに食べたりするからおじいちゃん達の気持ちがわかってしまった。何これすごいかわいい。

子供曰く、操縦士さんはみんな出払ってて今このポート・ブリーズ島には居ないそうだ。なんで俺の言いたい事がわかったんだって俺がそういう目をしていたのか、これでも全空一の商人ですから〜、と、言われてしまった。商人ごっこでもやってるのかな〜、可愛いな〜と微笑ましく思っていると、私、この後用があるのでそれでは〜、と言って行ってしまった。帰り際にアガント高原にラカムという腕が良い操縦士がいるから尋ねてみては〜、とも言われた。ラカムさん、あんた操縦士だったのか。

その後、キャタリナさん達と待ち合わせ場所で合流するとさっきの子供と一緒に話していた。胡乱げな目で見ていると、キャタリナさん曰くハーヴィン族の商人、シェロカルテさんだそうだ。ハーヴィン族は背は小さい為子供に見えるがこの人はちゃんとした大人らしい。まじかよ。頭とか撫でちまったよ。セクハラまたしちまったよ。そろそろ捕まるんじゃね。

そして、シェロカルテさんはさっき俺にしたのと同じ説明をして、ラカムさんに会ってみないか?という事を話していた。

是非ともラカムさんには入って貰いたいなあ。親切心溢れる兄さんとか前世で欲しかった。

 

°月=日

昨日シェロカルテさんにオススメされた通り、今日はラカムさんを探しにアガント高原に来ました、パチパチ〜。アガント高原で俺たちが最初に見たのは騎空艇だった。いやすっごいね!騎空艇ってあんなにデカイと思わなかった。帝国の軍艦に負けてないんじゃないかな。

そんな事を思いながらラカムさんを探していると、帝国の軍人さん達を見つけてしまった。とりあえず、此方は追われてる身だから隠れていると、物騒な話が聞こえてきてしまった。

この島は帝国に服従しない。帝国に服従しないから島を壊す、子供かな?って思ってると言ってるの子供だった。子供が指揮とってんのかよ、帝国は。

そうして内心呆れてるとキャタリナさんが、ふざけるな!と言って特攻してしまった。おおい!?キャタリナさん!?キャタリナさんが特攻してしまったので俺も特攻せざるを得なくなってしまった。

俺も一緒に帝国の軍人さん達を倒してると、なんかおっぱいデカイ人と剣で戦う事になってしまった。剣で戦ってるとおっぱいについつい目がいって集中できない。手加減してるのか、と怒られてしまったけどしてません。あなたのおっぱいを見てるだけです。さーせん。

その後、途中から合流してきたケモミミの人がおっぱいの人に魔法をかけたのか、すっごい速度が速くなった。えっちょ、キャタリナさん見てないで助けてくださいよ、ブツブツ何言ってんすか。そうして俺は思わず魔法も使っちゃったよ。なんか冷めた目で見られたけど。ごめんね、剣の勝負なのに魔法使って。ここは撤退するぞって言って帰っちゃったよ。

その後騒ぎを聞きつけたラカムさんが、俺の隠れ家に来いって言ってくれたので遠慮なくお邪魔する事にした。

 

°月:日

ラカムさんの隠れ家に退避した後に、俺たちはラカムさんを騎空士の操縦士として勧誘した。

結果をいうとNO。なんでも、ラカムさん曰く空がラカムさんを捨てたそうだ。

ラカムさんは外にある、あの騎空艇に小さい頃から惚れていて昔からあの船に乗るんだと操舵技術を磨いたり、修理したりしてたんだそうだ。また空に飛ばせてやろうって。何このイケメン。ポート・ブリーズ島は島の守り神、ティアマトのおかげで年中良い風が吹き、ラカムさんは凄腕の操縦士。墜ちる事は万に一つも無いって時に

 

墜ちた

 

ラカムさんが抱いていた想いも何もかもと一緒に。

だからラカムさんはもう操縦士をやる事は無いし、一緒に旅もしないんだそうだ。ヤベェ、これは誘えねえ。想像以上に重たいんですが。これからの旅どうしよう。

 

°月$日

山みたいな蛇と戦った。何言ってるか自分でもわからん。

ラカムさんの話を聞いた後、俺たちは街に戻ろうと外に出ようとした。軍人さん達の話では島が危ないらしいからね、街のみんなに知らせないと。

そして外に出たらびゅうびゅうの嵐ですよ。えっやばくね、ラカムさんが言う事にはこんな風ポート・ブリーズでは吹いたことが無いらしい。えっ、もっとやばくね。とりあえず街のみんなを避難させようと騎空艇で逃げようと思ったら帝国の軍艦に撃ち落とされてるし、というかラカムさんカッケェ、撃ち落とされた騎空艇からケモミミ少女助けちゃったよ。やっぱりあの人と旅したいなぁ...と思いながらも俺も飛翔術でナチュラルに女の子達にセクハラしながらみんなを救出。みんな口開けてないで手伝ってよ、いやマジで。

そんな事をしてると帝国の軍艦からあの子供の声が聞こえた。子供曰くこの島の守り神ティアマトを暴走させるようにしたから、こんなに嵐が吹いているらしいです。なんでもほっといたら島ごと空の下に落っこちるとか。いやほんと馬鹿じゃねえの!?何やってくれてんの!?

この暴走を止めるにはティアマトを殴って止めるしかないってウソン、えー本当でござるかぁ...まじかぁ....

いや、けど神様の場所なんて分からないからやばくね、って思ってたらルリアちゃんが上に居るって突然言い始めた。なんでもルリアちゃんにはそういう神様を従える力があるらしい、それで帝国から追われてたとか。そうだったんだぁ。へぇ、なんも知らんかった。

とりあえずこの嵐を止める方法が出来たからさあ行こうってなったけど、忘れてた。操縦士いねえよ、この島。いやまあ後ろにラカムさんが居るけどさぁ...あんな話聞いた後に操縦してくれとか普通言えないって。あっコミュ障だから元から言えないや、ちくせう。だけどもそのとき、グラン君ボディは無言でラカム君に手を差し出した。ラカムさん戸惑ってます。当たり前だよなぁ!?無言で手を差し出されても何?って感じだわ。でもなんやかんやでティアマトに居るところに連れて行ってくれるそう。まじか。

で、着きました。ティアマトの居るところに。でっか!!!?何あれでっか!!!??嘘やん、今この乗ってる騎空艇よりもデカイんですけど。ルリアちゃんが少し弱らせて下さい、そうしたら力を吸収できる、言うけど無理ー!あんなん無理ー!!なんか撃ってきたああぁ!!?ファランクスIII!!

とりあえず防げたけどどうやって倒せば良いか分からん、そう思ってたんだけど剣に魔法載せてエクスカリバーもどき一発撃ったら終わった。あるぇ〜?ルリアちゃん弱ってなくても力を吸収できたやん、俺必要ないやん。ルリアちゃんは俺のおかげ言ってるけど全部ルリアちゃんの力じゃね?

その後はなんやかんやあってラカムさんがティアマトにいつも島を守ってくれている礼と感謝をして嵐は止んだ。

嵐が止んだ空めっちゃ綺麗でした。こういう空の事を騎空士達は「遥かな空」、グランブルーというらしい。なるほど確かに原作の名前になるほどの綺麗な空だと思った。

 

♪月$日

そうして俺らはポート・ブリーズに帰ってきた。街のみんなが感謝の言葉を言ってくれるけど素直に受け取れないぞ。俺何にもしてないし、ルリアちゃんが居ればよかったんじゃねって思ってるし。

けどまあそんな事は街の人達は知らないわけで、シェロカルテさんを経由して大宴会を開いてくれた。この酒場はシェロカルテさんの物だったらしい。すげえ。

ところで大ニュース。ラカムさんが俺たちの操縦士になってくれる事になった。てっきりこの島に残るかと思っていたからビックリした。ラカムさん曰く、ティアマトもこの島もなんとかやるだろうし、此処は帰ってくる場所である。そして操縦士はやっぱり空を飛ばないと!らしい。なんだこのイケメン。トラウマ乗り越えちゃったよ。

そして宴会の時間は流れていき、ラカムさんから質問が来た。団長は誰なんだと。えっ?キャタリナさんじゃないの?と思ったのだけどもキャタリナさんは俺が団長だと思っていたらしい。そうこうしているうちに俺が団長をやる事に。このコミュ障ボディは何にも口を開いてくれなかったよ....

何はともあれ、無事に操縦士も仲間に入りました。

 

^月:日

さあポート・ブリーズから飛び立つぞ、というけども次の島を決めてなかった。なんじゃそりゃ。けれどもそこでシェロカルテさん登場。なんでも騎空士にちょうど頼みたい事があってバルツ公国に向かって欲しいのだとか。

ラカムさんも騎空艇(グランサイファーというらしい)の整備のために丁度いいと言っていた。バルツ公国は工業が盛んで有名なのだと。

次の目的地が決まり旅立とうした時、騎空艇の下から声が聞こえた。みんながラカムさんが空に還る時を見たかったんだそうだ。ラカムさん人望ありすぎぃ!みんなラカムさんの事応援してたんだろうなぁ...泣かせる...

そうこうしている内に出発。ラカムさんが操る騎空艇は特に墜ちることもなく平和に進んでいった。




飛翔術→グラブルの世界では天才しか扱えないそう、もしくは生涯をそれに費やすか。
帝国の子供→フュリアス、言動が子供すぎてハーヴィンだと見抜けなかったグラン君
おっぱいさん、ケモミミの人→スツルム殿とドランクさん。いいよねこの二人。
エクスカリバーもどき→そのままの意味、6属性全部混ぜてぶっぱするだけ、ティアマトも吹っ飛ぶ、すごい(小並感)
ケモミミ少女→サイコミ見ればわかる、あの子プレイアブルにして欲しい
6属性→風水土火光闇の6属性。グラブルの世界だと一人につき1属性が基本だとか、二つとか持ってるとレア。その割には水着とかになると属性が変わる。グラン君は全部持ってます。原作通りです。
ファランクスIII→相手からの攻撃を70%カットして弱体耐性も上げる技。75%にしてくれ。ティアマトの攻撃の30%はラカムの操縦技術でカット

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