一人称視点と、所長を救うためのご都合主義が有ります。苦手な方はご注意下さい
ジャンヌの拳を顔面に受けたレフは顔から血を流し、悪態と怨嗟の声をあげながら逃げていった。
今度こそ特異点の修復を完了させたカルデア組はもう少しでカルデアに戻るであろう。
しかし、何もせずに居れば、それは所長の死を意味する。
「いや……嫌!嫌!助けて、誰か助けて!!わた、私、こんなところで死にたくない!だってまだ誉められてない………!誰も私を認めてくれないじゃない……!!生まれてからずっと、ただの一度も、誰にも認めて貰えなかったのに!!」
「うるせぇよ。そんなに死にたくないないなら、ワンチャンの可能性に賭けて俺に憑依すれば?」
「………………え?」
それは、想定外の提案であった。
「どうゆう事?それは……貴方に憑依って。」
「説明をはぐらかしてた俺も悪いが時間がないからざっくりと説明するぞ。質問は後で受け付ける。まず俺は受肉している。そして俺の肉体はお前を含めたカルデアでの爆発で爆死した
「待って!そんなの無理よ!」
「無理かどうかじゃなくてやるかやらないか決めろ。元よりそのままなら死ぬだけだぞ?」
当然だが会話をしてる間にも段々と地鳴りは激しくなり、冬木は崩れていく。それは何よりも雄弁に、そして何よりも冷酷に彼女の選択肢のタイムリミットを告げるものだった。
「そんな………私は……私は!!」
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藤丸立香Side
「うぅん……あれ?ここは?……確かレフ教授が悪党で、ジャンヌがレフ教授の顔面を殴って………!!??マシュと所長は!?」
「うん?目が覚めたかい?」
僕が目を覚まして最初に目に飛び込んでいたのは知らない天井だった。眠りから覚めた直後特有のボーっとした頭で冬木での最後あたりの事を少しづつ思い出していった。レフ教授が爆弾の犯人であった事、そしてジャンヌがいつの間にかレフ教授の背後に立っていて、レフ教授の顔面を殴り抜いた事。
そしてここまで思い出したからやっと頭が回るようになり、すぐに全て思い出した。
そして、所長がジャンヌへの憑依を選び、ジャンヌの体に溶ける様に消えていった光景と、最後に手を握ったマシュの事を思い出した僕は思わず起き上がり、叫んでしまっていた。
そんな中不意に横から声をかけられた
「貴方は?」
「私かい?私はこのカルデアに召喚されたサーヴァントの一人、ダヴィンチちゃんさ。」
彼女は自らをダヴィンチと名乗った。
ダヴィンチと聞けば僕の中ではモナ・リザを描いた画家で有ることを思い浮かべた。
確かに良く見ると彼女はモナ・リザに似ていた。冬木で会ったアーサー王が女性であったことを考えれば特段驚くような事では無かった。きっとモナ・リザは実は自画像だったのかー位の認識である。
それより僕は聞かなきゃいけない事があるのだ。
「あの、ここは?それとマシュと所長は無事なんですか!?」
「そこで名前の出ないジャンヌちゃんは信頼されているのかはたまた人徳が無いのか。おっとそんな顔するなよ。ここはカルデアの医療室さ。二人の安否の方は君が直接見て確認するべきさ。管制室に行きなさい。」
その言葉を聞いた僕は居ても立ってもいられず、医療室を飛び出した。
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私の稚拙な小説を気に入ってくれて大変有り難うございます!