怨霊の話   作:林屋まつり

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三十七話

 

「…………不気味ですわ」

 陰陽という魔法の一つ。漏刻管理による時間干渉。それにより傍目には減速する雷撃。

 雷撃の固有魔法を持つペリーヌだが、減速した雷撃というのは初めて見た。物凄い違和感がある。

「まあ、何とか防御も可能ね。……あとは威力と回避できるか。

 それはまあ、今更ね」

 減速といっても視認して対応できるという程度で、ネウロイのビーム程度には速度がある。なにより雷撃、……放電は大気の状態によって複雑にその軌道を変える。いくら対処が可能になったとはいえ、油断すれば直撃することには変わりない。

 けど、これ以上を望むわけにはいかない。

「これ以上豊浦に負担をかけるわけにもいかないだろう。

 あとは、誰が豊浦を守るか、軽く作戦の詰めだな」

 眼下には、じ、と。豪奢な棒に括りつけられた懐中時計を見つめて動かない豊浦がいる。あれが時間干渉の鍵らしい。

 ぱちんっ、と音。

「おーい、大丈夫そうかーい?」

 空に舞うウィッチたちに声をかける。トゥルーデは頷いて降下。

「ああ、大丈夫だ」

「そ、……じゃあ、僕は動けなくなるから、あとはよろしくね。…………ん、確か、リーネ君が守ってくれるんだったね。

 頼りにしているよ」

「は、はいっ、頑張りますっ」

 ぽん、と。頭を撫でられてリーネが拳を握る。けど、

「私の方がシールド得意だよっ」

 芳佳が、ずい、と割り込む。リーネが、む、と眉根を寄せる。

「と、豊浦さんを危ない目に遭わせるの、提案したのは私ですっ、だから、私が、つ、付きっ切りで守りますっ」

「私の方が防御は得意だもんっ」

「…………えーと、芳佳君、リーネ君?」

 腹を抱えて笑い転げるシャーリーを横目に、なぜか眼前で睨み合う芳佳とリーネ。豊浦は困ったように手を振る。

「豊浦さん。ええと、漏刻発動中は移動できないとか、問題はあるかしら?」

「いや、大丈夫だよ。

 ただ、時計から手を離せないのと他のおん、……まあ、魔法が使えない程度かな」

「そう、……じゃあ、エイラさん、サーニャさん。二人に任せるわ」

「「えっ?」」

「ん、私たちか?」

 エイラの問いにミーナは頷く。

「エイラさんの固有魔法も、サーニャさんの固有魔法も雷撃の感知には有益よ。

 それがあれば二人で豊浦さんを防御できるわ」

 二人がいれば雷撃を察知する精度は上がる。そうなれば防御も確実になる。

 エイラもいつかの一件以来シールドの訓練はしている。もちろん、一人で任務をこなすことが多いサーニャはシールドも問題なく扱える。二人が組めば大体の危難は乗り切れるだろう。

 それに、フリーガーハマーの攻撃力は距離に依存しない。ロケット弾が届けば爆発でダメージを与えられる。多少距離があっても攻撃は出来る。

 ゆえに、

「ん、わかった。

 よし、豊浦。大船に乗ったつもりで任せておけっ」

 胸を張るエイラ。サーニャも拳を握って「頑張りますっ。豊浦さんは絶対に守りますっ」

「うん、二人とも、頼りにしてるよ」

 力強く応じる二人の少女に豊浦は優しく目を細めて、……頷く。

「よし、それじゃあ、ちゃんと守ってくれたらあとで遊びに行くとき我侭を聞いてあげよう。

 僕に出来る事ならやってあげる」

「ほんとか? …………じゃあ、豊浦、扶桑皇国のいい景色のところ案内してくれないか?」

 扶桑皇国の景色をサーニャはとても気に入っていた。長く在る豊浦ならもっといいところを知っているかもしれない。

 そんなところにサーニャと一緒に観光に行く。写真を撮って一緒に感想を語り合って、そして、あわよくば、…………ちゃんとプランを立てないとなっ、と内心で盛り上がっていく。

「それなら大丈夫。遊びに行くところ、僕の友達の所はとてもいい場所だよ。

 エイラ君もきっと満足してくれる」

「よしっ、あっ、もちろん写真はいいよなっ」

「もちろんだよ。……そうだね。サーニャ君と二人の写真も撮ってあげよう」

「任せたっ!」

 素晴らしい景色でサーニャとツーショットの写真。これはお宝確定だな、と。エイラは有頂天。

「実はね、エイラ君。僕は養蚕、……つまり、絹の生産者にも知り合いがいてね。

 シルクのドレスとかどうかな?」

「…………お前と知り合えてよかった」

 ドレス姿のサーニャを想像し、エイラは豊浦の手を取る。二人で固い握手を交わす。

「ドレス、……あの、豊浦さん」

 おずおずとペリーヌが挙手。

「ん? なんだい?」

「ええと、それは、扶桑皇国のドレス、ですの?」

「生産地はね。……ああ、ペリーヌ君。ひょっとして十二単とか扶桑皇国の民族衣装の事かな?」

「ええ、それですわっ!」

 ぱっ、とペリーヌは笑顔。

「坂本少佐から伺って、一度、是非見てみたかったのですわっ」

「扶桑皇国のドレスか、……それもありかもなっ」

 もちろん、西欧のドレスを着たサーニャも素晴らしいだろう。エイラはそれを確信している。

 が、扶桑皇国のドレス。それがどんなものかよく知らないが、サーニャが着るなら大丈夫。いける、と確信。

「それじゃあ、いろいろと用意しようかな。……それで、サーニャ君は何かあるかい?」

「ひゃいっ?」

 なぜか声を跳ね上げるサーニャ。

「サーニャ君?」

「あ、あの、……豊浦さんっ! で、でしたらっ、い、一緒に、お、……お出かけ、したい、です」

「え? あ、うん、それは予定してあるんだけど?」

「えう、……あ、あの、」

 何か言いたそうにし、けど、言いにくそうに口を噤む。そんな事を何度か繰り返し、サーニャは俯いて、小さく口を開く。

「ふ、……二人、だけ、で」

「そう? ……解ったよサーニャ君。

 じゃあ、遊びにいった時に時間を取ろうか。サーニャ君。どんなところがいいかな?」

「あ、……え、……ええと、」

 二人だけの時間が欲しい。そんなお願いをずっと考えていたから、具体的にどこに行くのか考えていなかった。

 だから、言葉に詰まる。豊浦は困ったように視線をさまよわらせるサーニャを撫でて、

「どんなところがあるかなんてよくわからないよね。

 それじゃあ、僕が見繕っておくね。サーニャ君が気に入ってくれそうなところ」

「は、はいっ、お願いしますっ」

 ぱっ、とサーニャは顔を上げて笑顔。対して、

「うー、豊浦ー

 サーニャに変な事したら許さないからな。そんなことしたら撃つからな」

 警戒の視線を向けるエイラ。で、そのエイラの肩をエーリカは叩いて、

「大丈夫だよエイラ。ちゃんと変な事をしないように監視してれば」

「そうだなっ、それがいいなっ。冴えてるなハルトマンっ」

 ぱんっ、と二人で手を叩く。

「そうだな、扶桑皇国の治安はいいと聞くが、二人で出歩くというのなら何かあっては困る。

 ちゃんと見ていないといけないな」

 トゥルーデはハルトマンの的を射た提案を受けて満足そうに頷き、

「……貴女たち、…………ええと、凄いわね」

 大人しく温厚なサーニャの滅多に見せないこわい視線を見て慄くミーナ。リーネと芳佳は仲良く合掌。

「ちょっとは気を遣うっていう事は出来ませんの」

 エイラとエーリカの気持ちをなんとなく察したペリーヌは溜息。トゥルーデがどこまで本気で言っているかは不明だが。

 ともかく、これ以上野放しにしてサーニャの機嫌が悪くなるのはいただけない、ミーナは、ぱんっ、と手を叩き、

「ともかく、二人が豊浦さんの近くに張り付けばさらなる苦戦が予想されるわ。

 といっても、いないわけじゃないし、援護をしてもらう事は可能よ。勝ち目がない戦いではないわ。だから、十分に注意して相対していきましょう」

 

 笛の音を聞き終え、ペリーヌは草履をはいて外へ。

 念のため、辺りをうかがう。誰もいないことを確認し、気持ち忍び足でこっそりと外に出る。

 その先、

「ペリーヌ君?」

 心底意外そうに、きょとんとした豊浦がいる。

「どう「しっ」」

 自分の唇に指をあてて声を上げる豊浦を制止。豊浦は首を傾げるが。

「ちょっと、内密にお話したいことがありますわ。よろしくて?」

「あ、……うん、いいよ」

 気持ち声を潜めるペリーヌに合わせて豊浦も小声で応じる。ペリーヌは満足そうに頷く。

 豊浦は首を傾げながら小屋から茣蓙を持ち出し、広げる。

「内密、って。他のウィッチたちにも?」

 不思議そうに問う豊浦。あまり、隠し事をするような間柄には見えないが。

 ともかく、ペリーヌも少し後ろめたさがあるのか、困ったように頷く。

「それで、なにかな?」

「ええ、…………その、豊浦さん。欧州に来ないかと誘われていましたわよね? わたくしたちの基地だと思いますけど」

「ああ、うん。そうだね。……いや、正直悩んでるんだけど」

「いやですの?」

 ペリーヌは首を傾げる。みんなと仲良くしていたけど。

「ああ、……いや、ほら、そこって女の子しかないわけだよね?

 僕も一応は男だし、…………いろいろと、まあ、うん」

「…………なんていうか、…………え、女性とお付き合いとか、なかったんですの?」

 心底意外そうにペリーヌは問いかける。妻子がいない事は聞いていたが。

「…………ないよ。悪かったね。生前はそんな暇なかったし、怨霊になってからは、…………まあ、なんていうか、死ぬどころか成長することもないからね」

「あ、……え、えと、そう、でしたわね」

 ペリーヌは困ったように瞳を伏せる。死ぬことがない。……なら、

「け、けど、意外ですわ。生前も女性との付き合いがなかったというのは。

 忙しかったんですの?」

「そうだよ」豊浦は胸を張って「僕はとても偉い人だったからね。その分忙しかったんだっ」

「……………………あ、はい」

「なにかな? その、憐れむような視線は?」

「それで、要件ですけど」

「ペリーヌ君?」

 じと、とした視線。なんとなく笑い出しそうになるのをこらえるためそっぽを向いて、

「ま、まあ、悩んでいるのなら都合がいいですわ。

 そちらのお誘い、断っていただけませんの?」

「うん、……理由を聞こうかな?」

 問いに、ペリーヌは一息。

「ガリア、わたくしの故郷の事はご存じでして?」

「いや、知らない。僕はこの国から出た事ないんだ」

「え。……そうだったんですの? ……まあ、では、最初からお話をさせていただきますわ。

 わたくしの故郷。ガリアは数年前までネウロイに占領させて、ぼろぼろになっていましたわ。今も、復興の真っ最中ですのよ」

「ペリーヌ君は、貴族だったね?」

「ええ、御多分に漏れず、わたくしの領地も復興中ですわ。ですから、」

 一息。ペリーヌは真っ直ぐに豊浦を見て、

「豊浦さんに、ガリアの復興を手伝って欲しいですわ」

「…………へ?」

 何を言われたのかわからない、と。きょとんとする豊浦。ペリーヌは溜息。

「だから、豊浦さんの持つ知識や経験を、わたくしの故郷の復興に役立てて欲しい、のですわ」

「……………………えー」

「な、なんですのっ! その嫌そうな表情はっ!」

 ぶんぶんと手を振るペリーヌ。豊浦は溜息。

「ペリーヌ君は僕たち怨霊を何だと思ってるのか。…………いや、まあ、……仕方ないか」

「豊浦さ、ひゃっ?」

 撫でられる。ペリーヌは口を開き、……閉じる。仕方ありませんわ、と。内心で言いつのって撫でられるに任せる。

「まあ、ミーナ君の欧州行きの提案と同じで、やっぱり時間をくれないかな?

 僕にも僕なりに付き合いがあってね」

「え、……ええ、いいですわよ。

 わたくしも、すぐに来て欲しいとは言いませんわ」

「というか、ペリーヌ君。故郷の復興に熱心なんだね」

 意外そうに呟く豊浦。ペリーヌはむっとして、

「当たり前ですわ。故郷ですのよ? 豊浦さんだって故郷の危難は放置できないでしょう?」

「いや、扶桑皇国が滅びるならそれはそれで構わないよ。僕は放置するか、……まあ、気が向いたら滅ぼす側に加担するかな。

 いや、そうじゃなくてペリーヌ君。領主なのにウィッチとして戦ってるからさ、復興は二の次かって思ってたよ」

「そ、……それは、」

 言葉に、詰まる。生粋の軍人である他のウィッチは気付かなかったようだがその道もある。軍人として戦うのではなく、領主として、貴族として故郷の復興に尽力するという道も。……おそらく、ガリアの人はみなそれを望むだろう。

 けど、それを選択しなかった。《STRIKE WITCHES》が再結成されたら参加し、今でも、ずっと戦う事を選んでいる。なぜ、戦う事を選択したのか?

「ネウロイと戦う事は、大切な事?」

「…………え、ええ、そう、…………いえ、」

 ペリーヌは俯く。顔を隠すように、

「言葉で取り繕うなんて、だめですわ。……そうですわね」

 民を守るために戦う。もちろん、それは大切な事だ。戦う力を持つ貴族として、率先して戦い民の安全を確保する。民の、平穏を守る。

 それも貴族の義務だ。…………けど、

 けど、それ以上に、荒廃した領地を復興させることの方が、大切なのではないか?

 それは、当然のこと。住む場所を壊され生活にさえ困っている者はまだたくさんいる。自分の財産は復興に寄付してしまってほとんどないが、それでも、他の貴族と連携して仮の住まいを手配することはできる。逆に、領地の外にいる住む場所に困る子供たちを引き取り暮らす場所を与えることもできる。

 ガリア解放を実現した《STRIKE WITCHES》の一人、ペリーヌ・クロステルマン中尉。その名を出して会合を希望すれば、それを無視するガリアの貴族はいない。

 けど、それをしなかった。……ネウロイと戦う事を選んだ。理由。それは、

「きっと、わたくしは、……ネウロイを怨んでいるのですわ」

 貴族にあるまじき感情。私怨を優先し、領地の復興より戦う事を選んでいる。そんな自分の醜い感情が辛くて、俯く。

「ペリーヌ君?」

「そうですわね。豊浦さんより、わたくしのほうがよほど怨霊っぽいですわね。

 故郷を蹂躙され、家族を殺された。……そんな怨みをもって戦っているの、かも、しれませんわね」

 自嘲。

「なんて、…………浅ましい」

 豊浦はそれだけとは思えない。欧州が混乱している事は聞いているし、他にもウィッチたちの部隊が存在することは見当がついている。本当に戦う事だけを考えているのなら、最初に《STRIKE WITCHES》が解散した直後から故郷の復興には目も向けず戦い続けているはずだ。

 けど、怨みがまったくないわけでもないのだろう。ゆえに、否定の言葉を閉ざして、代わりに、

「ていっ」

「いたっ?」

 額を指で弾いた。抗議の視線を向けるペリーヌ、豊浦は真面目に頷く。

「そうだね。それは貴族にあるまじき感情かもね」

「…………そう、ですわ、……ね」

 否定を希望していたわけではない。何よりも、ペリーヌ自身がそう思っているのだから。

 けど、改めて言葉にされると、辛い。

 けど、…………

「ペリーヌ君。怨みの発端はどんな感情か知ってるかい?」

「え? ……え、ええと、」

 唐突に向けられた問いで返答に詰まるペリーヌ。豊浦は微笑。

「哀しみ、あるいは怒りだね。

 喪った誰かに対する哀しみと、喪わせた誰かに対する怒り、それが怨みの発端だね」

「え、ええ、そうですわね」

 頷く。

「なら、ペリーヌ君。

 故郷を蹂躙され、家族を殺されて、も、哀しむこともなく、怒ることもない。…………君は、そんな人になりたいのかな?」

「あ、……え?」

 怨みを抱かない。……確かに、そう、だ。けど、

 けど、それはとても、…………

「沈まなくていいよペリーヌ君。君は統治のための機械じゃない。人なんだ。

 だから、君のやりたいようにやればいい。……というか、安心した」

「え?」

「ペリーヌ君はまだ子供なんだから、他人に縛られないでやりたいようにやりなさい。

 感情のままに暴走するのもね。本当にだめなら止めてくれる仲間がいるのだから、遠慮せずに生きていいんだよ」

「こ、子供扱いしないでくださいませっ!

 まったくっ」

 頭の上の手を払いのけて憤然と応じるペリーヌ。けど、

「ちょっ、豊浦さんっ」

 払いのけてもしつこく撫で始める豊浦。次はもっと強く、と思ったけど。

「哀しかったことも、悔しかったことも、忘れてはいけないよ。そして、それを自分にため込むのもね。

 だから、思うままに、好きなように生きなさい。ペリーヌ君」

「……………………え、ええ、そうさせてもらいますわ。

 まったく、……なんですのそれ、大人の人生経験ですの?」

 払いのけず、撫でられたまま、そっぽを向いて口をとがらせる。

「違うよ。怨霊としての怨み言だよ」

「怨霊、…………それは「豊浦ーっ」え?」

「あ、ツンツン眼鏡だ。何やってんだお前?」

「エイラさん、……と、サーニャさん」

「どうしたんだい? 二人とも」

「明日の事で相談したいことがあってな。

 お前に何かあったら悪い事ばっかり起きるから、ちゃんと作戦会議しておかないとな」

 むんっ、とエイラが胸を張り、サーニャがこくこくと頷く。

「別に、夜にやる必要もないのではないですの?」

「ああ、それな。

 いい作戦を思いついたから忘れないうちにだなっ」

「…………なんか、エイラ君って頼りになるんだかならないんだか、…………まあ、それじゃあ話を聞こうか。

 エイラ君、サーニャ君、終わったらすぐに寝るんだよ?」

「はい」

 二人はペリーヌに視線を向ける。一応、ここに来た要件は伝えた。だからペリーヌは立ち上がる。

「ああ、そうだ。ペリーヌ君。

 一つ、いいかな」

「何ですの?」

 振り返り、問い。豊浦は軽く笑う。

「歴史は勝者が作るんだ。その事を覚えておいて」

「え、ええ、わかりましたわ?」

 どういうことか分からず首を傾げる。サーニャは不思議そうに「豊浦さん?」と問いかけ、

「うん、鉄蛇の打倒が終わったらみんなで遊びに行く話はしたよね。それに関連してね。

 いろいろいいところだけど、扶桑皇国出の芳佳君や、貴族のペリーヌ君は勉強になるかもしれないんだ。だから、楽しみにしていてね」

「ん、何かの資料館か? うぇー、せっかくなんだから観光がいいー」

「エイラ、駄々をこねてはだめよ。せっかくなのだから楽しみましょう」

「はーい」

「十分観光になるよ。エイラ君も楽しみにしていてね。

 それじゃあ、ペリーヌ君はおやすみ、君の道行き、応援しているよ」

 


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