トライアングル・フリート   作:アンギュラ

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お疲れ様です。


先日12月9日にトライアングル・フリートの初投稿から一年が経ちました。

読んで下さった方々に、厚く御礼申し上げます。


特別編と言うことで、今後の伏線とゲスト超兵器を複数登場させました。


それではどうぞ。


トライアングル・フリート 1周年記念 特別編  決して踏み入ってはならぬ場所   VS  ???

   + + +

 

 

 

それは脳が映し出す自らの体験、そして願望を複雑に組み込んだ産物である。

 

 

しかしながらこの現象は、自らの脳が発するが故に、自分の理解を余りにも逸脱した世界にはならない筈なのだ。

 

 

そう……筈なのである。

 

 

 

   + + +

 

 

(ここは……どこ?)

 

 

明乃は気が付くとはれかぜの艦橋に立っていた。

 

 

 

 

(確か杉本さんと別れて仮眠をとろうとベットに横になった筈……)

 

 

 

状況について行けない明乃は、周りを見渡す。

 

 

 

普段は賑やかな筈の艦内は静まりかえっていた。

 

 

「ねぇ!誰かいる!?返事して!」

 

 

彼女は叫ぶが、返事は帰ってこない。彼女は更に艦内通信で呼び掛けたが結果は同じであった。

 

そこで彼女は、思い立つ。

 

 

(これってもしかして、私の見ている夢?でもそれにしては妙な既視感があるような……)

 

 

夢は脳が造り出す現象だ。

それゆえ時には、夢であるにも関わらず、色彩や匂い、そして味覚や触感等を伴う事は珍しくない。

 

 

しかし、この情景は余りにも鮮明であり、にわかに夢の世界であるとは信じられなかった。

 

 

しかし――

 

 

 

カタカタン …カタカタカタン………

 

 

驚くべき事に、はれかぜの行き先を決める陀輪は独りでに回っている。正直不気味だった。

 

 

 

(と、とにかく落ち着こう…時間がたてば自然と目が覚める筈……多分)

 

 

彼女は深呼吸をして気持ちを落ち着ける。

しかしながら、仮に自分が眠っていると仮定したとしても、どの様なタイミングで目覚めるのかはコントロール出来ない。

 

 

何度も目覚めようと意識を集中させても駄目だった。

 

 

理由は簡単だ。

 

 

この世界は、艦が独りでに動いていることを除けば、余りにも現実味を帯びているからに他ならない。

 

つまり、これが夢であると頭で自覚していたとしても、自分が現在眠っていると言う実感がまるで伴ってこないのである。

 

 

(困ったな……)

 

 

彼女は途方に暮れてしまう。

 

だが、こうしていても何も始まらないのだけは確かだった。

 

 

(ベタな方法かもしれないけど……)

 

 

ベチン!

 

 

「あ痛っ!」

 

 

ギュー!

 

 

「うぁ!痛い!」

 

 

彼女は、自身の頬を張ったりつねったりしてみる。

 

 

しかし、無意味に痛みが走るのみでまるで効果がなかった。

 

 

(そ、それなら!)

 

 

涙目になりながら、明乃は艦橋を飛び出し、医務室へとやって来る。

 

 

そこには、美波使用している医療器具が置かれていた。

 

 

(ちょっと嫌だけど、流石にこれなら……)

 

 

彼女は引き出しから、医療用メスを取り出し、掌に軽く当てて意を決してそれを横に引いた。

 

 

プスッ……

 

 

「!!?」

 

 

彼女の身体に今までに無い激しい痛みに迸る。

 

 

「あぁぁっ!」

 

 

悲鳴を上げた明乃の掌からは、血か滴り落ちる。

 

 

そのズキズキとする痛みはとても夢とは思えないものだった。

 

彼女は思わずメスを床に落として、カチャン…と言う金属の音が虚しく医務室に響いた。

 

 

「どうして……」

 

 

明乃は途方に暮れてしばらくその場にヘタリ込んでしまった。

 

 

 

   + + +

 

明乃は今甲板に出ている。

 

 

自分の手を傷付けてしまった彼女は、馬鹿げているとは思いつつも、医務室にあった消毒液で傷口を手当てした。

 

 

夢である筈のこの世界だが、消毒液は傷口に滲みたし、未だに掌は鈍く疼いている。

 

 

彼女の表情は憔悴しており、呆然と海を眺めている事しか、今の彼女にすることは無かったのである。

 

 

(ここ何処なんだろう。何もない……魚の群れも、鳥達もいない……)

 

 

 

彼女は気持ちが落ち着かない時、良く海を眺めていた。

波の音や生き物達の声、そして潮の香りが心を癒してくれたからだ。

 

しかし、今の明乃はより一層憂鬱な気持ちに支配される。

 

 

原因は解っていた。

 

 

何も¨居ない¨からである。

 

 

普段人間が一人になりたいと願うのは、あらゆる喧騒に無意識に疲れているからなのだろう。

 

 

しかしながら、一人になりたいと思っていたとしても、あらゆる関係を断ち切って¨永遠の孤独¨を手に入れたいとまでは考えないと思う。

 

 

それは、現在に於いて考え得る¨当たり前の衣食住¨を単一の存在が実現することは不可能に近しいものであり、それは即ち、他者への依存に他ならないからだ。

 

 

 

明乃は、この世界には自分以外の何者も存在していないのではないかと考え始めていた。

 

 

もし仮にそうなのであれば、彼女は今¨孤独¨なのである。

 

 

それは両親を失った彼女にとって何よりの絶望と恐怖に他ならない。

 

 

 

「くっ!」

 

 

明乃は震えていた、最早海などまともに見ている余裕など無い程に。

 

 

「あっ…あぁぁ!」

 

 

目からは涙が止めどなく溢れてくる。

 

 

「うわぁあ!どうして!?どうして目が覚めないの!?夢なら覚めてよ!おかしいよ!狂ってるよこんなの!」

 

 

彼女は今までに他人の前では見せる事の無かった、自らの心に潜む脆さや怒りを叫ぶ事で撒き散らして行く。

 

 

だが、それすらも長続きはしなかった。

 

 

彼女は壁に寄り掛かり、そのまま座り込んでしまう。

 

 

「あはっ……あははっ!そうか…そうだよね。狂ってるよね。だってコレ、私の頭の中で起きてるんだから」

 

 

彼女は笑った。

 

目から涙をを止めどなく溢れさせながら。

 

 

その姿は、普段明乃が艦長として振る舞える事がいかに多くの仲間によって支えられているのかが浮き彫りになったと言えよう。

 

 

 

「うっ…うっ……」

 

 

彼女は、暫くそのまま俯いて泣き続けていた。

 

 

   + + +

 

 

どれくらい時間がたったのかは解らない。

 

ただ、明乃には流す涙が枯れ果ててしまうほど長い時間に感じられた。

 

 

その時――

 

 

 

《クワァ~!》

 

 

「!」

 

 

聞き慣れない不思議な音に、明乃は立ち上がって音のする方角を見つめる。

 

すると、遥か彼方に小さな黄色い何かが浮いているのが見えた。

 

 

「何?あれ……」

 

 

彼女は急いで艦橋に駆け上がる。

 

そして、謎の黄色い物体がいた方角に発光信号を送った。

 

 

(何か解らないけど、お願い気付いて!)

 

 

明乃は必死に信号を送り続ける。

 

すると――

 

 

「気付いた!?」

 

 

黄色い物体は此方に方向を変えて向かってくる。

 

 

 

明乃は近くにあった双眼鏡を手に取って除き込んだ。

 

だが、その正体を確認した明乃は驚愕してしまう。

 

 

(え?何…ちょっ…えぇ!?)

 

 

彼女は相当狼狽えていた。

無理もない。

 

はれかぜに向かって来ていた物体とは――

 

 

「黄色い…アヒルさん!?」

 

 

アヒルだった。

 

それもただのアヒルではない。

 

形容するならばそれは、小さな子供がお風呂に浮かべて遊ぶゴム製のアレだ。

 

 

アヒルは、はれかぜに向けて更に近づいてくる。

 

 

「え?えぇ!?ちょっと…そんな!」

 

 

明乃は先程よりも更に大きな声で叫んだ。

 

 

此方に向かってくるアヒルの姿はみるみる大きくなって行く。

 

 

そして――

 

 

「………」

 

 

明乃は思わず言葉を失う。

 

艦に横付けしたアヒルの大きさは、はれかぜの大きさの倍はあろうと言うものだった。

 

 

《クワァ~?》

 

 

アヒルは首を下げて艦橋にいた明乃を興味津々に除き込んできた。

 

 

「…っ!」

 

 

彼女は思わず息を飲んでしまう。

 

 

お互い暫く見つめ合うと、明乃は意を決して艦橋の見張り台に出て行き、そして思いきって口を開いた。

 

 

「あ、あの!こ、こんにちは!」

 

 

《!!!》

 

 

「!!?」

 

 

アヒルは明乃の発した声に驚いたのか、急に凄まじい勢いで後退し、はれかぜは、アヒルの立てた波で激しく揺れ動いた。

 

 

 

 

 

「うわぁっ!だ、大丈夫!襲ったりしないから!落ち着いて!」

 

 

 

《……!》

 

 

アヒルは遠巻きに、はれかぜの周りをグルグルと回り始める。

 

 

 

どうやら警戒しているようただった。

 

 

(どうしよう……)

 

 

彼女は悩んだが、無暗に刺激する事は避けたかった。

 

 

 

そこで彼女も、暫くの間アヒルを観察することにしたのだ。

 

すると――

 

 

《クゥ……》

 

 

「!」

 

 

アヒルは、もの悲しげな鳴き声を上げる。

 

彼女は、何となくアヒルの気持ちが解るような気がした。

 

 

「ねぇ、アヒルさん。君一人だけなの?兄弟は?お母さんは居ないの?」

 

 

《………》

 

 

「解るよ…一人ぼっちは寂しいよね。私もそうだから……ねぇ、こっちにおいで。大丈夫、怖くないよ」

 

 

《クワァ~》

 

 

優しく話しかける彼女に、初めは警戒していたアヒルも徐々にはれかぜとの距離を詰め、そして遂に明乃の元へとやって来たのである。

 

 

 

「ほら、怖くないよ」

 

 

 

 

明乃は手を広げて攻撃の意思がないことを伝えると、アヒルは恐る恐る彼女へと嘴を近付けた。

 

 

 

 

《クワァ……》

 

 

 

 

互いの手と嘴が触れ合う。

 

それはとても暖かく、明乃はここへ来て初めて安堵を感じたのだった。

 

 

   + + +

 

 

暫く触れ合うと、アヒルはすっかり彼女に馴れて、艦の周りを楽しそうに泳いでいる。

 

 

明乃はそれを微笑みながら眺めていると、アヒルは再びはれかぜに寄ってきた。

 

 

「ん?どうしたの?」

 

 

《ンクワァ!》

 

 

アヒルは、短い翼をパタパタさせている。

 

 

 

 

「背中に乗せてくれるって言ってるのかな?」

 

 

《クワァクワァ~!》

 

 

アヒルはまるで言葉を理解しているように、翼をバタつかせると、艦の側面に翼を桟橋の様に乗せた。

 

 

「解った。今行くね」

 

 

明乃は艦橋を降りて甲板に向かと、アヒルは大人しく待っていた。

 

 

 

彼女は翼に乗ると、アヒルはそれをゆっくりと持ち上げ、彼女を背中に乗せる。

 

 

「す、凄い……何か不思議な感触がする」

 

 

 

明乃は、アヒルの背中を優しく撫でた。

 

 

 

金属か、若しくはゴムのイメージしていたアヒルの表面は、まるで低反発枕のような弾力を秘めており、体温が有るためかとても暖かく心地よかった。

 

 

「ははっ!君温かいね。何かとても安心する」

 

 

明乃は背中の上で横になり、感触を味わう。

 

 

すると――

 

 

《クワァ!》

 

 

「え?動くの?解った。掴まってるからいいよ」

 

 

 

彼女がそう答えた途端。

 

 

 

ドホォン!

 

 

「!?」

 

 

後方に水柱が上がり、凄まじい勢いでアヒルが進み始め、彼女は振り落とされない様に必死で背中にしがみついた。

 

 

「ま、待ってアヒルさん!速い、速すぎるよ!い、息が出来な……い」

 

 

《!!?》

 

 

「お願い…もう少しだけゆっくり、お願いだから!」

 

 

明乃は必死に叫ぶと、アヒルは速度を落として行く。

怒られたと思ったのか、少し落ち込んでいるようだった。

 

 

《クワ……》

 

 

「ううん、大丈夫。怒ってないよ。でももう少しゆっくり進んでくれると嬉しいな」

 

 

「クワックワ~!」

 

 

彼女が背中を優しく撫でると、アヒルはすぐに元気を取り戻し、進みだした。

 

 

先程とは違い、ゆっくりと泳ぐアヒルの背中では、心地好い風が吹き抜けて行く。

 

 

 

明乃は、あまりはれかぜから離れすぎないよう伝えると、腰を背中につけて足を伸ばす。

 

 

「ねぇ…君と私、家族になれるのかな?」

 

 

《クワァ?》

 

 

「ははっ。解らないか……ううん、いいよ。暫く一緒に遊ぼ」

 

 

《♪》

 

 

一人と一羽は、束の間の暖かい時間を過ごしていった。

 

 

 

   + + +

 

 

時間はあっという間に過ぎ去り、日は傾き始める。

 

 

帰路に着いていた明乃は、近付いてくる自艦を見て目を丸くした。

 

 

(あ、あれは……はれかぜじゃない?)

 

 

彼女は、既視感の正体が何だったのか、今漸く理解した。

 

 

彼女が乗艦していたのはウィルキアから借与されたフリーゲート艦はれかぜではなく、六年前に彼女が学生時代乗艦していた航洋艦【晴風】そのものだった。

 

船体には晴風の艦番号であるY467が記されている。

 

 

(どうして……晴風は六年前に――)

 

 

沈んだ筈だった。

 

RATt事件を解決し、横須賀へと戻った晴風は、彼女達が無事に陸へと上がった事を見届けるかのように沈み始め、埠頭にその船体を没して永い眠りについた。

 

 

現在、横須賀女子海洋学校に在籍している晴風は、実際には楓の両親が経営する万里小路重工によってサルベージされた旧晴風の使用可能な部品を、航洋艦【沖風】に取り付けた新生晴風なのだ。

 

故に、Y467の艦番号を持った晴風はこの世には存在しない。

 

 

竜骨を破損してしまった艦艇が再び甦る事など有り得ないのだ。

 

 

失われた命が決して甦ったりしないように……

 

 

明乃は暫くの間言葉を失ってしまった。

 

 

   + + +

 

 

日はすっかり傾き、辺りは闇に支配されている。

 

明乃は、艦橋の脇にある見張り台に寄り掛かり、晴風の横を並走するアヒルを眺めながら考えていた。

 

 

(晴風……どうして現れたの?何か私に伝えたい事があるの?)

 

 

 

晴風はかつて明乃と意思体として接触している。

 

 

超兵器播磨との戦闘時に明乃が正気を失った時だ。

 

 

彼女は、両親の意識を明乃と対面させ、超兵器の意思による誘惑から彼女を救っていた。

 

 

そして今、明乃は失われた筈の艦艇に乗って海を進んでいる。

 

 

「晴風……どうして?」

 

 

その問いに答える声はない。

 

 

《クワァ~》

 

 

アヒルはあくびをし、目蓋を重そうにしている。

 

どうやら眠いらしい。

 

明乃は沸き上がる疑問を振り払い、アヒルに微笑みかけた。

 

 

「眠いの?そうだね、もう遅いもんね。私も休むから、君もゆっくり休んでね」

 

 

彼女は中へと入り、艦長室へと進んで行く。

 

 

(今は考えても埒があかない。もしかすると、此方で眠れば現実に戻れるかもしれないし……)

 

 

希望的かもしれないが、彼女は服を脱ぎ、ベッドへと入って行く。

 

 

照明を落とし目を閉じると、船体が波でほのかに揺れ動くのを感じた。

 

 

自身を包む暗闇と静寂が、明乃に自分は孤独なのだと突き付けているようで不安になる。

 

 

(モカちゃん…シロちゃん。皆……逢いたい、逢いたいよ。一人は……嫌だよ)

 

 

 

演技のつもりは無かった。

 

しかし、周りの人間がイメージする岬明乃という人物像は、もしかすると彼女自身が皆に嫌われたくない、一人にしないで欲しいと言う願望や依存が具現化したものだったのかもしれない。

 

 

故に、こうしてこの広大な未知の海で孤独になってしまった彼女は、こんなにも脆く非力な存在になってしまうのだ。

 

 

「う…うぅ……」

 

 

毛布の中で彼女は泣く。

 

 

誰も聞いている筈もないのに、まるでその声を聞かれたくないと言わんばかりに声を殺して――

 

 

 

「うっ…あっ、うぁ……」

 

 

《オ前ノ心ヲ見タゾ……》

 

 

 

 

「嫌ぁ…一人は…い…や………」

 

 

 

彼女は限界だった。

アヒルとの戯れも、或いは彼女の強がりで、精神は既に疲労困憊だったのかもしれない。

 

明乃は頬に涙の筋を残しながら眠ってしまった。

 

 

   + + +

 

 

ガゴンッ! ガゴンッ!

 

 

 

「!!?」

 

 

明乃は布団から飛び起きる。

 

 

「な、何?何が起きて――」

 

 

 

ガゴンッ!

 

「うわぁ!」

 

 

船体が激しく揺れている。超兵器による襲撃と思ったのか、明乃は急いで着替えて部屋を飛び出す。

 

急いで外へと出た明乃を待っていたものとは――

 

 

《クワァ~♪ 》

 

 

黄色いアヒルだった。

 

 

アヒルは、明乃を起こそうとしたのか、晴風の船体を嘴で突いて揺らしていたのだ。

 

 

彼女は安堵の溜め息を付く。

 

それと同時に、激しい落胆の意が襲ってきた。

 

 

夢から覚めて現実戻る事も叶わなかったばかりか、今ではこの世界が実は夢では無いのではないかと言う疑念すら湧いてくる。

 

 

憔悴したような彼女を心配しているのか、アヒルは明乃を除き込んできた。

 

 

彼女はそれに気づき、慌てて笑みを作る。

 

 

「だ、大丈夫だよアヒルさん。心配かけてゴメンね。あっ…そうだ!」

 

 

明乃は何かに気付いたようにアヒルを見上げる。

 

 

「ねぇ、いつまでもアヒルさんじゃ呼びづらいから、君に名前を付けてもいいかな?」

 

 

《クワァ?》

 

 

「う~ん。何が良いかなぁ……」

 

 

明乃は暫くの悩んでいた。

 

 

 

アヒルはそんな彼女を不思議そうに見つめていると、不意に彼女が顔を上げる。

 

 

「そうだ!【レラ】!レラでどうかな?アイヌ語で¨風¨って意味なんだよ、レラ!駄目…かな?」

 

 

《………》

 

 

アヒルは何も答えない。

気に入ってくれなかったのかと思ったが、明乃はまだ自分が名乗っていないことに気付いた。

 

 

「あっ!ゴメンね。自己紹介がまだだったね。私、岬明乃。ア・ケ・ノだよ。君の名前はレラ。もし良かったら…私達、¨家族¨になってみない?そうすれば寂しくないよ」

 

 

 

アヒルは暫くじっと彼女を見つめていた。

 

そして――

 

 

《クワックワックワァ~♪ 》

 

 

短い羽をパタパタと羽ばたかせて、アヒルは嬉しそうに鳴き声を上げた。

 

 

「気に入ってくれたの?ありがとう!宜しくねレラ!」

 

 

《クワァ~!》

 

 

明乃とレラは、互いに微笑みあう。

 

 

一人と一匹の間に、絆の様なものが生まれた瞬間だった。

 

 

その時――

 

 

 

ボォォン!

 

 

 

「!!?」

 

 

急に晴風に激震走る。

 

 

《グ……グワゥ》

 

 

レラは、明らかに怯えていた。

 

 

明乃は、周りの状況を把握するため、急いで艦橋に駆ける。

 

 

   + + +

 

 

艦橋に上がった明乃は辺りを見渡す。

 

 

「あれは……」

 

 

 

彼女の見つめる先には、複数の¨眼球¨が宙を舞っていた。

 

 

「超兵器の……意思!?まさか!」

 

 

彼女はいよいよ困惑してしまう。

 

 

 

これは夢の様な現実なのか?

 

 

それとも

 

 

現実の様な夢なのか?

 

 

 

彼女自身はそれを判断することが出来なかった。

 

 

しかし――

 

 

ブウィィィン!

 

 

「!」

 

 

眼球達の瞳孔の目の前に紫色の光が灯る。

攻撃を仕掛けようとしていることは明らかだった。

 

 

 

 

(さっき一瞬だけ見えた紫の閃光……恐らくは光学兵器だ。でも……)

 

 

 

彼女の懸念はもっともだった。

 

はれかぜならいざ知らず、ただの航洋艦である晴風に光学兵器を防ぐ手立てはなく、一発でも攻撃が当たれば、轟沈は必至だった。

 

 

焦りだけが募る。

 

 

《クワァ!》

 

 

明乃の耳にレラの鳴き声が入ってきた。

 

 

(そうだレラ!せめて逃がしてあげないと!)

 

彼女はハッとして、艦橋の見張り台に飛び出して叫ぶ。

 

 

 

「レラ、君だけでも逃げて!危ないよ!」

 

 

 

しかし、レラは晴風の側を決して離れようとはしない。

 

明乃は激しく後悔した。

 

自分と触れ合い、なついてしまったが為に、死んでしまうのではないかと思わずにはいられなかった。

 

 

「お願いレラ!お願いだから逃げて!もう私の目の前で¨家族¨が居なくなっちゃうのは嫌だよ!」

 

 

彼女は泣き叫ぶ。

 

その表情をレラは心配そうに見つめていた。

 

それを見た明乃一度目を見開き、そして決心したように優しい微笑みを向ける。

 

 

「心配しないで。大丈夫だから……だから先に行って待ってて。必ず私も行くから…ね?お願い……」

 

 

彼女は諭すように語りかける。

 

レラの曇りの無い純粋な瞳が明乃を見つめていた。

 

そして――

 

 

《クワァ!》

 

 

「うん…いい子だね。じゃあ――」

 

 

バシュン!

 

 

「えっ…ちょっと、レラ!?」

 

 

レラは決心したかの様に晴風の正面へと移動し、眼球達に立ちはだかる。

 

 

 

敵は照準を此方へと絞り込んでいた。

 

 

 

 

明乃は再び、涙を浮かべてレラに訴える。

 

 

「だ、駄目!駄目だったら!どうして!?どうして逃げてくれないの?お願いだから言うこと聞いて!」

 

 

 

《¨家族¨だから》

 

 

 

「え?今、君――」

 

 

彼女が思わず、目を丸くした時――

 

 

ビシュイン!ビシュイン!ビシュイン!

 

 

幾多のビームがレラへと殺到する。

完全に直撃コースだった。

 

 

「ダメェェェェ!」

 

 

明乃が悲鳴にも似た叫び声を上げた次の瞬間――

 

 

 

ビィィン!ビィィン!

 

 

「!!?」

 

 

眼球達の放ったビームは、レラに命中することなく直前であらぬ方向に屈折した。

明乃はこの現象に見覚えがある。

 

 

「で、¨電磁防壁¨!?でもどうしてレラが…まさか、君は超兵――」

 

 

《………》

 

 

 

レラはなにも答えず、眼前の敵を睨み付け、嘴を大きく開けて羽を広げ始めた。

 

 

威嚇のつもりかと思われたが、明乃は次の瞬間に目を丸くして驚愕する。

 

 

 

《グゥワァァァァァ!》

 

 

ビュォォォ!

 

 

窓ガラスがビリビリと振動する程の凄まじい叫び声と共に、レラの嘴の先に光が集束し、翼の先に集束した光はリング状の形状に変化し始める。

 

 

そしてそれらを、敵の眼球に向かって発射したのだ。

 

 

ビィィン!ヒュォン!

 

 

嘴の先から放たれた光は三方向に分裂し、まるで三角錐の辺を形成するかの様な起動で眼球の1つに向かい直撃する。

 

 

続いて、翼の先に集束したリング状の光が飛行しながら途中で3つずつに分裂し、眼球達に襲い掛かった。

 

 

ブシャッ…ボォォン!

 

 

眼球達は、レラの放った光に焼かれたり切断され、次々と爆散して行く。

 

 

だが、それだけではない。

 

 

ビィィン…ボォォン!

 

 

眼球達は突如として先程晴風に撃ち込もうとした紫色のビームで¨同士討ち¨を始めたのだ。

 

 

かなりの数が存在した眼球達は、みるみるうちに減って行き、残りは僅かになってしまう。

 

 

 

勝利は目前かとも思われた…しかし

 

 

 

ヴォン……

 

 

《!》

 

 

「あれは……」

 

 

明乃達の前に、突如としてどす黒いもやが漂い始め、その中から一際巨大な眼球が姿を表したのだ。

 

 

 

 

《孤独ヲ内包スル者ヨ……オ前ノ気持チハ良ク解ル》

 

 

 

 

 

「解る?あなた達が自分で奪っておいて…一体何が解るの!?あなたと私は違う!あなたに私の気持ちなんか解りっこない!」

 

 

 

 

《私程、オ前ノ気持チヲ理解出来ル者ハイナイ。私ハオ前ノ心ヲ見テイタゾ……表面デハ平静ヲ装ッテイテモ、ソノ真ナルハ、タダノ依存二過ギナイ。寂シイ…寂シイ……》

 

 

 

「やめて!」

 

 

 

《アァ……オ前ノ怒リヤ憎シミヲ感ジルゥゥ。私ノ力ヲ受ケイレヨ……大切ナ者達ヲ守ルニハ、世界ノ国々ニ負ケヌ戦力ガ必要ダ…サァ!》

 

 

 

 

「黙れ!うるさい!うるさいうるさい!」

 

 

 

明乃は、まるで心身をくまなく嘗め回される様な強烈な不快感に、苛立ちが沸き上がり、目の前で自分を見つめる凶暴でグロテスクな眼球を睨み付ける。

 

 

破壊したい――

 

殺したい――

 

グチャグチャに潰してやりたい――

 

 

そんな破壊衝動と理性との葛藤で、精神が摩耗して行く。

 

 

その時だった――

 

 

 

《クワァァァァァ!》

 

 

レラの叫びが、彼女の心に光を灯す。

 

はれかぜのクルー達や両親の顔が駆け巡った。

 

 

「あなたには屈しない!一人でも…ううん、誰もいなくても、心に皆がいる限り、絶対にあなたには屈しない!」

 

 

ボォォン!

 

 

彼女の決心に呼応するように、晴風の長十糎高角砲が火を噴き、眼球に直撃し、爆煙で姿が見えなくなる。

 

 

しかし、明乃は冷静にそれを見つめていた。

 

 

 

「こんなものでは終わらないんでしょ?」

 

 

 

爆煙の中から、傷一つ付いていない眼球が現れる。

だが、それだけではない。

 

ヴォン――

 

 

どす黒いオーラを纏った巨大な眼球の回りに、先程とは比べ物にならない数の小さな目玉が出現した。

 

 

 

《グゥワァァァァァ!》

 

 

レラが、先程と同様に攻撃を仕掛ける。

 

 

 

しかし、幾つ破壊しても敵は次々と湧いてくる。

 

黒いオーラを纏った眼球にも傷を与えられてはおらず、同士討ちも発生しない。

 

それどころか眼球達は、統率されたように、攻撃を回避し始め、レラにビームの集中砲火を浴びせ始めた。

 

 

ヴィンッ!ヴィンッ!

 

 

《グワァッ!グワァッ!》

 

 

電磁防壁で敵の攻撃を受け続けているレラの表情は苦悶に満ちており、限界が近いことを物語っている。

 

 

しかし、敵の攻撃は更に苛烈さを増して行き、遂に――

 

 

 

ビシュイン!

 

 

《グワァッ…!》

 

 

「レラ!」

 

 

電磁防壁が飽和し、紫の閃光がレラの翼をかすめた。

 

苦痛に満ちた悲鳴が、明乃に一層の焦りをもたらす。

 

 

しかし、レラは決してはれかぜの眼前に立ちはだかり、次々と向かってくるビームを受け続けた。

 

 

 

「やめて!やめてやめてやめてぇぇ!」

 

 

 

《自身ノ無力サヲ自覚セヨ…戦力無クシテハ護レナイ。何一ツトシテ……》

 

 

「いやぁあ!殺さないで!レラ、お願い逃げて!」

 

 

 

彼女がいくら叫んでも、レラは決して動こうとはしない。黄色い身体の至る所が黒く焦げており、目は徐々に虚ろになりつつあった。

 

 

「お願い…助けて……」

 

 

 

誰に言っていたのかは解らない。

彼女は涙を流しながら懇願する。

 

 

その時だった。

 

 

ゴォオオン!

 

 

大きな轟音と共に、彼女達の遥か向こうに暗雲が立ち込め始めた。

 

眼球の動きが急に停止する。

 

 

 

《¨外側ノ存在¨カ……》

 

 

 

明乃は、目頭を涙で濡らしながら、彼方を見つめる。

 

視線の先には、白い物体が一つ浮いていた。

 

 

《ク…クワァ……》

 

 

レラがか細い声を上げたと同時に、白い物体から眩い光が輝き始め、眼球達は白い物体に矛先を向けて殺到する。

 

 

しかし――

 

 

ピカッ……ブゥオオン!

 

 

一瞬の閃光の後、凄まじい爆発が発生し、無数の眼球達が瞬く間に消滅する。

 

 

《クワァ…クワァ!》

 

 

 

それまで決して動かなかったレラが、急に白い物体に向けて動き出す。

 

 

「あっ…待って!晴風、レラを追って!」

 

 

彼女の言葉に呼応するかの様に、晴風はレラを追いかけ始めた。

 

 

   + + +

 

 

レラと晴風は、爆煙を回避しつつ、白い物体へと進んでいった。

 

 

「あ、あれは…えっ?」

 

 

明乃は目を丸くする。

 

 

レラが向かった先に居たものは、純白の【スワン】だった……という言うよりも、見た目は公園の池に浮かんでいる足こぎボートのアレに酷似しているが……

 

 

《フルォォォ!》

 

 

《クワァ♪》

 

 

レラは、スワンにすり寄る。

 

二匹はどうやら家族らしい。

 

 

(なんだ…ちゃんと家族がいるんだね?…良かった)

 

 

 

彼女は、少し複雑な表情を浮かべるが、直ぐに微笑んで二匹を見つめる。

 

 

 

《コレデオ前ハ…マタ一人ダ……》

 

 

 

 

爆煙の中から、黒いオーラを纏った巨大な眼球が姿を現し、再び無数の小さな目玉を出現させる。

 

 

 

「ダメ!レラはお母さんと逃げて!」

 

 

彼女は叫ぶ。

 

レラは母親に向かって何かを訴えていた。

 

スワンは、無惨にも焦げてしまったレラの身体を見つめる。

 

 

《フルォォ……》

 

 

我が子を傷つけられたスワンの目付きがみるみる鋭くなり、巨大な眼球を睨み付ける。

 

 

そして嘴を大きく開き――

 

 

キュウィィィン!

 

 

 

「あっ…ああ!」

 

 

 

目蓋を閉じていても目に激しい痛みを伴う程の閃光に明乃は悲鳴を上げる。

 

スワンが放つ光は凄まじい大きさに膨らんで行き、そして――

 

 

 

《フルォォォァァァァ!》

 

 

 

ブゥウオオオォォォ!

 

 

 

 

轟音が鳴り響き、その衝撃に眼球達は瞬時に消滅する。

 

 

そしてその凄まじい衝撃は、明乃の意識も一瞬で奪ってしまったのだった。

 

 

 

 

 

   + + +

 

 

 

 

(ここは……)

 

 

気が付いた彼女が辺りを見渡すと、そこには闇が広がっている。

 

レラやスワンも、敵の姿すら見えない。

 

 

彼女が不安に駆られていると、目の前がうっすらと明るくなり、朧気なイメージが断片的写し出され、声が微かに聞こえ始める。

 

それはまるで、誰かの視点から見ているような映像だった。

 

 

 

『やったぞ!遂に私は――』

 

 

『私は君の父親さ。そうだな、君の名前は――』

 

 

『君達は一体――?』

 

 

パンッ!

 

突然の銃声。

 

 

その後に、明乃の心へ流れ込んでくる凄まじい負の感情。

 

 

彼女は、押し寄せる嘔吐感と戦いながら、声を聞き続ける。

 

 

 

『今日から我々がお前を指揮する。従え!』

 

 

 

その後に写し出されたのは、ひたすらの破壊と殺戮。

 

 

 

『本当にコイツを制御出来るのですか?』

 

 

 

『クソッ!奴らめ……我々を根絶やしにしようと遂に¨奴¨を起動した!だとしても無駄だ!我々にはコイツがあるのだからな。おい!すべの人間を根絶やししてしまえ!いいか。全てだ!』

 

 

 

多くの艦船が眼前の海に立ちはだかる。

 

 

その中心には、大型戦艦がまるでボートに見える程巨大な軍艦がおり、艦首付近に光が集束しして此方へと放たれた。

 

 

そして閃光が収まった後に写し出されたのは、死の海。

 

あの巨大艦も炎を上げて燃えていた。

 

 

そして再び場面が切り替わる。

 

 

『貴様…我々に歯向かう気か!』

 

 

それが、この映像で流れた最後の言葉だった。

 

 

 

その後に写し出されたのは、単なる無慈悲な殺戮による絶望の悲鳴、そして――

 

 

¨何者¨も存在しない世界。

 

 

【終わりの風景】が写し出され、明乃の心へ押し潰されそうな孤独の感情が流れ込んできた。

 

 

 

 

《見ルナ……》

 

 

 

 

「!」

 

 

負の感情がこもった言葉の後に、視界は再び暗転して行く。

 

 

 

   + + +

 

 

…ン。コンッコンッ!

 

 

ドアの扉がノックされる音がして明乃は起き上がった。

周りを見渡すと、スキズブラズニルの仮眠室の風景が目に入る。

 

 

(私は……)

 

 

彼女は、状況を上手く整理することが出来ず、呆然とする。

 

 

コンッコンッ!

 

 

「艦長!私です。副長の宗谷です。お休みの所失礼致します!」

 

 

 

「し、シロ…ちゃん?あっ、はい!どうぞ」

 

 

 

 

 

扉がゆっくり開くと、そこから真白が姿を現した。

 

 

「……っ!」

 

 

彼女は、まるで久しぶりに真白と再会したような錯覚を覚える。

 

 

「失礼します。艦長、先程シュルツ艦長が帰投されましたのでご報告に。つきましては艦長に――」

 

 

「シロちゃん!」

 

 

「えっ、ええっ!?」

 

 

明乃は真白に駆け寄って思い切り抱き締める。

 

彼女の思わぬ行動に、一瞬狼狽するが、その表情を見て、心配そうに眉を潜める。

 

 

「か、艦長泣いて……どうされたんですか!?」

 

 

「ううん、ゴメンね……少し怖い夢を見たの。私が、一人になっちゃう夢。私…怖くて不安で……」

 

 

「大丈夫ですよ」

 

 

「え……」

 

 

真白は彼女の背中に腕を回して優しく抱き締め、自らの額を明乃の額へとくっ付ける。

 

 

 

「どこにいても、この海で繋がっている限り、私達¨家族¨の絆は決して切れたりしません。だから安心してください」

 

 

 

「シロちゃん……」

 

 

「ほぅら!シュルツ艦長にお会いになるのでしょう?早く、準備をなさってください」

 

 

 

「う、うん!そうだね。ありがとうシロちゃん」

 

 

「いいえ。では私は先に向かっておりますので」

 

 

「解った。私も直ぐ行くね!」

 

 

 

真白と別れた明乃は、自室で着替えを始める。

 

 

(汗で下着が濡れちゃったな……それにしてもあれって本当に夢だったのかな)

 

 

 

半信半疑になりつつも、彼女は汗で濡れた下着を交換し、上着を着る頃には、すっかり気持ちも落ち着き、あの出来事は夢であると確信している。

 

彼女は、急いで部屋を出ようと、ドアノブに触れた。

 

 

「あイタっ……!」

 

 

彼女は掌に鈍い痛みを感じて、目を向ける。

 

 

「え……」

 

 

彼女は思わず目を丸くする。

 

掌には、夢の世界で明乃が自らメスで傷付けた傷と酷似した傷が付いていた。

 

それは明らかに、爪を立てたものではなく、仮眠室にその様な傷を付ける道具など有りはしない。

 

 

 

「………」

 

 

 

彼女は暫くの間、その場に立ち尽くしてその傷を見詰め続けるのであった。

 

 

 

 




お付き合い頂きありがとうございます。


夢の中と言うことで、結構何でも有りな感じで、しかも場面が何度も切り替わったりする感じが、中々難しかったです。


と言う訳で、ゲストをご紹介致します。


晴風

学生時代に乗艦していた艦。

艦の魂は、超兵器の意思から明乃を護ってくれるためか、今回も精神攻撃を仕掛けてきた超兵器を、アヒルと共に迎撃するべく登場。





レラ(アヒル戦艦)

黄色いゴムのあひるを戦艦化したものです。
原作では航空機型も存在し、その耐久力と凄まじい戦闘力から《黄色い悪魔》と称された兵器です。
今回の話では、
βレーザー 拡散リングレーザー 寝返り電波照射砲を使用しました。


スワン(白鳥ではなくスワン)


公園の池に浮かんでいる足漕ぎボートに酷似した白鳥。

原作に於いては、最強クラスの敵として登場し、波動砲や超重力砲を駆使して多くの艦長達を恐怖のドン底に陥れた。

超兵器カテゴリーで言うなら、二隻で世界を破壊出来るSSSランク(原作では大群で登場)。
しかしながら、耐久力はそれほど高くない。



以上でありますが、初投稿から一年。


人生初の物語を書かせていただきまして、拙い文章で何かとご迷惑をお掛けしつつも、ここまで読んで下さった皆様や、感想または評価を頂きました皆様には、感謝の言葉しかございません。


本当にありがとうございます。



これからも完結に向けて一話ずつ邁進して参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。



それではまたいつか。

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