後、追いかけ   作:RENAULT

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 やっと投稿できる。
 大学決まってるやつを追試にさせんなよなマジで!
 というわけで、やっとのことでまたまたチマチマと投稿していきます。
 というわけで、
 どうぞよしなにご容赦を


第漆局

 

 ヒカルが家に帰ると既に晩ご飯ができていた。

 それに今日は両親二人ともちゃんといたので話しやすかった。

 

「オレ、囲碁の棋士に成る」

 

 両親が食卓に揃ったタイミングで話始める。

 

「話したいことがあるって聞いたら………」

 

 お母さんはあきれてる。

 

「正座もできないのに出来るわk

「ヒカル。本当になりたいのか?この前母さんから聞いたけど院生って言うのはプロの手前らしいじゃないか。それに昨日も白スーツの人が来て急にパソコンをお前の部屋にいれていたし」

 

 さすがに父さんも戸惑う。

 

「院生になるのはプロ試験の時にお金が無料になって楽になるから。それと、パソコンくれた人は緒方さんって言う人なんだけど、緒方さんに勝ったら買って貰うって約束をしたから」

「パソコンのことはどうでもいいんだ。ヒカル、本当にプロになりたいんだな?」

 

 最後の確認だろう、重い言葉が父から放たれる。

 

「オレはプロに成るよ。絶対に、教えてくれてる人のためにも」

「ならば、それなら良い。だけどなヒカル、途中で逃げ出すな。それだけ守ればその受付用紙書いてやる」

「わかった」

「お父さん!」

「ヒカルが選んだことを信じないのは、子が選んだものを信じないのは親としてどうなんだ?」

「そうだけど………」

 

 静かなまま晩飯が終わった。

 

 ●○

 

「ここでヒキにしたらよかったのに、そしたらここは止めるだけでよかったのに」

「違いますよ先生。ここをヒキにしたらこっちに打つでしょ、そしたらこっちがハネでここのヒキが死路になると思ったんだよね」

「なるほど………」

 

 そう言って棋譜を取った。

 

「君は囲碁を打ち初めて一年なんだよね」

「そうです」

「師匠もいないんだよね」

「はい」

 

ーー碁を初めて一年。倉田五段みたいだが倉田君以上に強い。すぐにプロとして戦えるレベルだ。しかし、倉田君はすぐにしっかりしたプロが師匠についている。我流というわけではなさそうな秀策のコスミだったり、古めかしい手?

 

「この三局は誰と打ったんだね?」

「えっと、一枚目が桑原本因坊で、二枚目が白川先生で三枚目が緒方さんに」

「えっ、もう一回言ってもらっていいかな?」

 

 さすがに確認を取られる。

 

「だから、一枚目が桑原本因坊で二枚目が白川先生、三枚目が緒方さんに打ってもらったって」

「さ、三方との面識は?」

「緒方さんはなかったけど、桑原のじーちゃんはだいぶ昔からだし、白川先生は囲碁教室の先生だったんで」

「はぁ、、、まぁ良いでしょう。来月から来なさい。」

「ハイ!!!!」

「じゃあ、お母さん呼んできてもらえるかな?」

 

 わかったと答え喫茶店で待っているお母さんを呼んだ。

 

「では明日には組み合わせ表やお知らせを送らせていただきますので」

「はい」

「対戦室を見てくるかい?」

「良いんですか?」

 

 ヒカルが対局室を見ているのに気がついた先生が気を効かせてくれた。

 

「いいよ見ておいで、私はまだお母さんに説明しないといけないことがあるからね」

 

 ●○

 

(わぁ~、広いですねヒカル)

(そうだな)

(坊主は興味なさそうだな)

(興味がないってわけじゃないけどさ)

(けどなんです?)

(いや……………やっぱいい)

 ヒカルは辺りをキョロキョロ見渡し、どんなやつがいるか観察する。

 

ーーやっぱり伊角さんと奈瀬と和谷もいる。

 

「君見ない顔だね?新しい子?」

 

 碁盤を持った奈瀬が近づいてくる。

 

「うん、来月から」

「私の名前は奈瀬明日美、君の名前は?」

「オレ? オレは進藤ヒカル」

「よろしくね、ヒカル」

「いきなり呼び捨てなの?」

「どうしたんだ?」

 

 伊角と和谷がこっちに来た。

 

「この子、来月かららしいよ」

「進藤ヒカルです」

「よろしくー、オレの名前は和谷、でこっちの木偶の坊が、」 

「待て和谷。誰が木偶の坊だ!」

「痛い痛い痛い!!」

 

 伊角が和谷へアイアンクローを咬ます。

 

「この人は伊角慎一郎」

 

 あげくのはてに奈瀬が紹介する。

 

「よろしくな。進藤」

「よろしく」

「基本はずっと対局を続けて行くリーグ戦で、初めは二組のビリから始まる」

「だいたい聞いたよ?まぁ一ヶ月あれば一組になってるから気にしないで」

「そういうやつはずっと上がってこれねーんだよ!」

 

 和谷がからかったがなぜか佐為が噛みつく。

(いいえ、ヒカルは一週間で充分です)

(いや、半月だな)

 

「来月ってことは三日後からだな。今から打ってみるか?」

 

 和谷が興味津々に聞いてくる。

 

「別にいいけど」

「待てよ和谷。オレが打ちたい」

「本田さんじゃダメだね」

「それじゃあ私が打つよ」

 

 奈瀬の言葉で全員が黙る。

 

「いいよ、ここだったらいつもは握るの?」

「握るけど私どっちでもいいよ」

「それじゃあオレが黒でいいよね」

「OKわかった、始めましょ」

 

 ヒカル対奈瀬の対局が始まった。

 

「進藤、秀策のコスミ?」

 

 和谷が打ってる最中に聞く。

 

「オレが碁を打ってるとみんな言ってくるんだよね」

 

 ヒカルが右上スミ小目へ打つ。それに対して奈瀬はノビるがヒカルはそれを阻止していく。奈瀬はどんどん防戦になっていた。

 

「私負けたと思ったよ」

 

 ヒカルは誰にも気づかないように息を吐いた。

 

(虎さん、急に場面持碁にとかビックリした!)

(ヒカルはよくやりました。所々危なかったですけど)

 

 うるせぇ! なんて思いながら意識を戻すと。

 

「ここはなんで小目だったの?」

「そこに打った時は勝つつもりでいてさ、そこに打ったら絶対にノビてくるって思ったからさ、ハネて来たら次にアテてハネさせたら白が死ぬでしょ」

「進藤、そしたら急に場面自碁に持っていったのか」

「うん、だけど所々ばれそうだったけど」

「奈瀬が13の八に打ったのを乗っかってたのは持碁にするためか?」

「途中で九目半あったからさ。乗っかって潰しとく方がいいって」

「なるほどね」

 

 伊角と和谷が驚く。

 

「ヒカルー帰るわよ」

「んじゃみんな、来月からよろしくね」

 

 ヒカルはすたすたと帰っていった。

 

「変なやつだな。わざわざ持碁にするとかさ」

「ていうか、進藤強いな」

「本当に一ヶ月もあればこっちに来るだろうな」

 

 こうして、ヒカルの院生生活が始まった。




 投稿できると言ったが、
     投稿するとは言ってない(笑)

10/1 修正

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