後、追いかけ   作:RENAULT

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 Cod楽しすぎて書くの忘れてるやつ~ww
 もうすぐ大学入学、さらに書かなくなるやつ~ww
 ナメクジより遅いですが
 どうぞよしなにご容赦を


第拾一局

「お母さん」

「どうしたの? あかり」

「私、囲碁の教室行ってるよね」

「どうしたの? やめたくなったの?」

「違うの……白川先生とヒカルがね、院生にならないかって言ってて……」

「院生ってヒカルくんの行ってる囲碁教室のやつでしょ?」

「うん」

 

 晩飯時のいつもなら明るいはずの食卓が静かになる。

 

「あかり」

「何?」

「あかりは囲碁やってて楽しい? 楽しくない?」

「楽しいよ。みんな明るくて何でも話を聞いてくれて優しい人ばっかだよ」

「あかりは何で囲碁を始めたの?」

「ヒカルが初めて私にものを教えてくれたからです……」

「ヒカルくんと一緒に打ちたいの?」

「……うん」

「なら、院生に成ったら良いじゃない。うじうじしてるとヒカルくんが違う子に取られちゃうよ~♪♪」

 

 ……あかりからものすごく嫌なオーラが出ている。

 

「なっても良いの?」

「ええ、子どもを応援することが、親の勤めだもの。ヒカルくんになんか言いなさいよ! 明日」

「うん!!」

 

 ●○

 

「あかり! 今日これから暇?」

「そうだよ?」

「今から白川先生の先生に会いに行くんだけどどうする?来るか?」

「行く」

「白川先生の先生ってどんな感じの人?」

「ザ・親父!みたいな人。声が五月蝿いかな?」

「その人に何しに行くの?」

「今日は研究会ってやつがあって、それにいつも参加させてもらってんの。ほんとは森下先生の門下生じゃないとダメなんだけど院生の友達が誘ってくれてからずっと行ってるんだよね」

「佐為さんや虎次郎さんのことは?」

「みんな見えてないからずっと入院してるってことになってる」

「そうなんです」

「気にしないがな」

 

 後で笑ってる二人に電車の揺れが襲い、虎次郎はギリギリでバランスを取ってたが、佐為はものの見事に倒れた。

 そんなこんなで棋院に着いた。

 

「よう! ヒカル」

「久しぶり! 桑原のじーちゃん」

「今日は嬢ちゃんも一緒か?」

「森下先生の研究会に」

「森下くんは元気か?」

「じーちゃんの方が知ってるでしょ?」

「まぁそうじゃろうな。嬢ちゃんも頑張るんじゃぞ」

 

 桑原は手を振りながらエレベーターへ向かっていった。

 

「相変わらず変なじいさんだこと」

 

 ヒカルは笑いながらあかりの前を歩く。 

 

「どこでやってるの?」

「大広間。ここ」

 

ーーガラガラーー

 

「失礼します」

「お、お邪魔します」

「おお、来たか進藤!」

「うるさいですよ先生」

 

 森下先生の大きい声にすかさず突っ込む冴木さん。

 

「それで横の可愛い子がこの前言ってた子か?」

「そうです先生」

 

 あかりに適当に荷物を置くようにと促して適当に座る。

 

「あとは、あの馬鹿だけだな」

 

 和谷だけが来ておらず他の全員は集合している。

 

「とりあえず自己紹介でもしますか?」

「そうだな! オレは森下。ここの責任者だ。ここにいる進藤以外の師匠だな」

「俺は冴木」

「僕は知ってると思うけど白川です」

「オレは進藤ヒカル」

「ヒカルは大丈夫」

 

 あかりのつっこみで笑いが起きた。

 

「私は藤崎あかりです。院生の試験を受けるつもりです」

 

 ………………

 場が静まる。

 

「あかりまじで?」

「あかりくん本当ですか?」

「はい。親と相談して決めました」

「良いじゃねぇか、良いじゃねぇか!! どのくらい打てるんだ? 嬢ちゃん、オレと打とうか」

「遅れました~!」

「遅いわバカ!」

 

 場を壊しながら入ってくるバカが一人。

 

「掃除当番で遅れただけだろ。連絡も冴木さんに送ったし」

「ごめん、伝えんの忘れてた」

「冴木ぃ?!」

「何で忘れんだよ!可愛い弟弟子からの伝言を!」

「お前が可愛い弟弟子だったら世界がつぶれるな」

「もういいよ!」

「落ち着いてください二人とも。漫才はその辺で」

 

 白川がなだめ始める始末。

 

「「漫才じゃねぇ!(ないですよ!)」」

「和谷うるさい!」

「進藤まで!」

 

 一旦場を整えて。

 

「オレは和谷。よろしく」

「藤崎あかりです。よろしくね?」

 

 満面の笑みで和谷に返す。

 

「よ、よろしく」

 

 頬を赤らめて和谷は答え返す。

 

「いっちょ前に顔を赤らめてんじゃねぇぞ!バカ弟子」

 

 ●○

 

「あの子とどんな関係なんだよ」

 

 和谷がヒカルに問い詰める。

 

「どんな関係って、ただの幼馴染みだけど?」

 

 和谷は驚いてた。誘ってみるって言ってたけど女子かよ!しかもめっちゃ可愛いし。

 

(これって、一目惚れか?)

 

 あかりと森下先生の対局は終局していた。

 

「進藤は攻めって感じだけど嬢ちゃんは守りだな」

「ここはオオケイマの方がよくなかったかですか?」

「いや、ここは小さくてよかったけどこっちのハネが不味かったんじゃないですか?」

 

 白川と冴木がああだこうだ言ってるなか途端に森下が口を開いた。

 

「白川の教室に行ってるんだよな」

 

 森下は急にあかりに質問した。

 

「はい」

「教えてもらってるのは進藤の先生か?」

「そうです」

「会ってみてぇな。どんな感じの人だ、二人居るらしいな」

「一人は流し目のイケメンでもう一人は女性みたいな男。こんな感じのやつ」

 

 ヒカルは学校のノートに簡単に描いた。

 

「基本的に和服ですよ。二人とも」

 

 あかりが付け足す。

 

「流し目のイケメンが虎次郎さん。名字知らないけど」

 

 虎次郎の絵と

 

「こっちの髪の長い方が藤原さん。この人は基本的にずっと家から出れないから午後だったらネット碁で対局できますよ」

 

 佐為の絵を描く。

 

「進藤お前画伯だなww」

「うるせぇ! 和谷!」

「すまんじゃあ明日の午後3時に手合わせさせてくれないか?」

「森下先生!」

 

 なぜか白川が反応する。

 

「あとで連絡します」

「あぁ、頼む」

「あかりくん。院生にはなれるね。レベルは和谷より少し劣るぐらいだけだからな」

 

 台を片付けながら話す。

 

「帰りに院生の用紙を貰ってこい。推薦はオレの名前で書く。後、お前たちの師匠、えー、藤原だっけか?伝えといてくれ。頼む」

「わかりました」

「じゃあ今日は片付けて解散だ。収穫もあったしな」

 

 そうして次の日に佐為と森下の対局が決まり、お開きになった。




10/2 修正

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