天パー侍と絶刀の少女   作:悪維持

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今回はグレモリー組とオートスコアラーの戦闘勃発!!そして銀さんの異変!?


それでは本編スタートです!!




第陸話 白き夜叉と天翔る剣士②

それは銀時が少女と再会する数時間前のチフォージュ・シャトーにて……

 

 

 

ーー回想ーー

 

 

 

 

『聖遺物?何だそりゃ?』

 

 

 

キャロルが何処かへ出掛けた後、エルフナインの研究室に足を運び、件の少女が持っている不思議な能力を研究室室長のエルフナインと話し合っていた。

 

 

 

『聖遺物と言うのは、世界各地に伝わる神話や伝承に登場する超常の性能を秘めた武具の別称です。その聖遺物には魔を祓う効力が備わっていて……悪魔、堕天使、天使等の人外には天敵の部類に当たります』

 

 

『要するにだ……その聖遺物を使ってんのが例のガキの所属してる組織の【人外狩り】……って訳か?』

 

 

 

銀時の問いに、エルフナインは真剣な顔で頷いた後に机に置いてあるリモコンを取ると、幾つものモニターが現れる。モニターには件の少女の他に……六人の女性が映し出される。

 

 

 

『こ、こいつは!?』

 

 

『この映像はガリィが出現場所に行って、集めてくれたデータです。見ての通り、モニターに映っている六人と銀時さんが戦った人と合わせて……七人居ます。ボクと姉さんはこの女性達を聖遺物の力を纏う者……"シンフォギア" と呼んでいます』

 

 

『シンフォギア…………』

 

 

『はい、銀時さんが戦った女性が纏っている聖遺物の名は【天羽ヶ斬(あめのはばきり)】……日本の伝承に言い伝えられる須佐乃男(すさのおの)(みこと)八岐大蛇(やまたのおろち)退治に使用した刀剣です……映像でご覧の通り、刀剣や斬撃等の近接戦に特化した聖遺物です』

 

 

『近接戦ねぇ……んで、その対抗策は?』

 

 

『はい、胸についてあるペンダントを注目してください。これが力の源………動力源の役割をしています。これを直接攻撃で破壊すれば彼女の力を無力化する事ができます』

 

 

『ペンダント……相手の急所さえわかりゃあどうって事はねぇな』

 

 

『でも油断しないでください、相手は聖遺物を武器に戦う相手ですから……いくら互角に戦える銀時さんでも今度は勝てるかどうか……』

 

 

『心配すんな、侍はこの程度じゃやられねぇよ……ただ、目の前に塞がる奴をぶっ飛ばすだけだ。まぁ、任せとけって……ちゃんと姉ちゃんの依頼はこなしてやっからよ』

 

 

 

銀時はニカッと笑いながらエルフナインの頭をポンポンと軽く叩きながら研究室を後にした。

 

 

 

 

ーー回想終了ーー

 

 

 

 

「設置した試作結界の成功を確認した。後は銀時が派手にターゲットを捕らえるだけだ」

 

 

『わかりました!みんな気をつけて……』

 

 

「地味な心配は無用だ……それじゃシャトーでまた」

 

 

 

レイアが通信でエルフナインに新作結界の成功報告を終えた後にガリィ、ミカ、ファラの三人と共にキメポーズをとりながら少女と銀時を囲む様に四箇所へと着いた。

 

 

 

「銀時、この前の決着をちゃっちゃっと終わらせなよ?私はこう言うクッソ面白くない事には本気出す気にもなれないんだから……」

 

 

「そう言ってる割にはガリィは楽しそうだゾ」

 

 

「うっさい!私はマスターの命令で仕方なくこいつの手伝いをしてるだけよ!!」

 

 

「まったく、頑張り屋さんなんだから……」

 

 

「やらない事だけやって、いざやろうとする事にはやらないあたりが性根の腐ったガリィらしいが……今回は派手にやる気らしいな」

 

 

 

ガリィの気まぐれな態度にファラは呆れて苦笑し、レイアは珍しいと呟きながら笑みをこぼす。すると、少女は新しい刀剣を取り出し構えると臨戦態勢に入った。かたや銀時も木刀を構えて少女と対峙する。

 

 

 

「ま、待ちなさい……!」

 

 

 

すると後方からミカに吹き飛ばされたリアスが眷属達と共に銀時達の前に現れる。

 

 

 

「またてめぇかよ……こっちは今、仕事中なんだけど?」

 

 

「そうはいかないわ!そいつは私達の獲物よ……関係の無い貴方達は早く立ち去りなさい!!」

 

 

「良く言うぜ、自分の治める土地一つ管理できねぇガキが今頃になってお仕事始めますだ?その前にてめぇ自身の管理をしやがれ……そんなんだから他の人外共がのさばったり、こいつみたいな奴が出てくんだよ。ガキはガキらしく家に帰って歯ぁ磨いておしっこして寝てろコノヤロー」

 

 

「か、下等な人間の分際で…「悪魔がそんなに偉いのかよ?」……なっ!?」

 

 

 

リアスの言葉を遮って銀時は口を開き続ける。

 

 

 

「俺にとっちゃ……人間も悪魔も堕天使も天使もおんなじもんだと思うぜ?時には対立して、時には仲良くやって……時には意見が食い違って争う事もあんだろうよ、だから俺はこう思うんだよ。俺もてめぇも同じ生きてるもん……変わらねぇ存在だってな?」

 

 

「私が……人間と……貴方と対等…………?」

 

 

 

銀時の言葉にリアスは手を強く握り、憎悪を込め睨み銀時に怒鳴りつけた。

 

 

 

「ふざけないで!下等な人間と栄光ある私を……悪魔である私を一緒にしないで!!私達こそが!人間よりも!!堕天使よりも!!天使よりも素晴らしき存在なのよ!?」

 

 

「ここまで言ってもわかんねぇのか?」

 

 

「黙りなさい!私を散々侮辱した事……悪魔に歯向かった事を後悔しなさい!!」

 

 

 

リアスは怒りに任せてグレモリーの能力である紅い波動【滅びの力】を銀時に向かって放つ。だが、放った瞬間にファラが銀時達の前に踊り出ると持っている大剣を袈裟がたに振るう。そうする事で緑色の巨大な竜巻が発生し、波動と衝突するとその場で消滅した。

 

 

 

「そ、そんなっ!?」

 

 

「まったく……貴族である身分以前に自己中心的な立ち振舞い……礼儀作法がなってませんね?それに、四魔王の一角……サーゼクス・ルシファーの妹でも滅びの波動の性質の低さ……思ってたよりショボいわね?」

 

 

「い、一度ならず二度までも……もう許さないわよ!!カイト!朱乃!祐斗!小猫!(キング)であるこのリアス・グレモリーが命じる!あの愚か者達を殲滅しなさい!!」

 

 

 

 

滅びの魔力がかき消され、ファラに罵られたリアスは怒りのままに自身の眷属達に命令を下すと、眷属達は戦闘態勢に入る。すると先程まで傍観していたレイア、ガリィ、ミカの三人がファラの横へ立ち並ぶ。

 

 

 

「なぁに、一人だけ抜け駆けしてんのよ?」

 

 

「あら?手伝ってくれるのガリィ?」

 

 

「別に……私はあんな天パーの勝負を見学するよりこっちの方が面白いと思っただけよ。それゆか、あの脳内お花畑のお嬢様に世の中の現実って奴を見せたいだけだしね?」

 

 

「珍しく同意見だなガリィ。ワタシもあの地味な女には一度、派手な仕置きが必要だと思っていた所だ」

 

 

「アタシはみんなで暴れればそれでいいゾ!」

 

 

 

ガリィが、レイアが、ミカが思い思いの考え述べ、それを聞いたファラは呆れながら苦笑する。

 

 

 

「まったく……みんな本当に自分勝手なんだから……銀時様、グレモリー達は私達にお任せください」

 

 

「銀時、そちらはド派手に頼むぞ?」

 

 

「ヤられんじゃねぇぞ?天パー侍!」

 

 

「けっ……んなこたぁ、わーってるよ!」

 

 

「ニヒヒッ!全員ぶっ飛ばしてやるゾ!!」

 

 

 

銀時やファラ達が、それぞれの相手へと目を向ける。リアスは自分達が勝てると思い込み、笑みを浮かべながら相手であるファラ達に言い放つ。

 

 

 

「悪魔である私達に勝てると思っているの?あの男や貴女達も何処まで愚かなのかしらね?」

 

 

「あぁら?負け犬の遠吠えなセリフ……まさに脳内お花畑……ちゃんちゃらバカですねぇ♪なら、ガリィの相手はアンタで決まりね?」

 

 

「さっきから黙って言わせておけば……!朱乃!一緒にあの無礼なゴスロリをやるわよ!!悪魔に逆らった罪……万死に値するわ!!!」

 

 

「わかりましたわ……(あらあら、相変わらずガリィ様は他人を煽るのが上手な事♪)」

 

 

「やれるモンなら…………やってみな!」

 

 

 

 

 

【ガリィ・トゥーマーン VS リアス・グレモリー & 姫島 朱乃】

 

 

 

 

 

「貴様が現赤龍帝……思ってたより地味だな?」

 

 

「んだと!?俺こそが現赤龍帝で、リアス部長眷属のNo.1の実力を持った超新星だ!てめぇの様なモブが俺に勝てるわけねぇんだよ!!俺の力の前にひれ伏しやがれ!!!」

 

 

「ワタシに地味は似合わない……そして、貴様には赤龍帝の称号も地味に似合わない……見せてやろう、ワタシが見せるド派手な戦いを!!」

 

 

 

 

 

【レイア・ダラーヒム VS 久沢 戒斗】

 

 

 

 

 

「あら?その剣は神器ですわね……名は確か……魔剣創造(ソード・バース)。で合ってるかしら?」

 

 

「よくご存知で……」

 

 

「えぇ、神器に関する書物で少々お見かけしましてね?あらゆる属性の魔剣を創造できる剣……一度お手合わせしたいと思っていましたが………まさか、この様な形であいまみえるとは…」

 

 

「それはどうも……貴女の持つ剣も普通の剣じゃありませんね?その剣から発する強い何かを直に感じますが………それも神器で?」

 

 

「そう、私の剣は普通の剣にあらず……そして神器でもあらず………あらゆる剣を殺す哲学兵装、剣殺し(ソードブレイカー)……これこそが私の剣です」

 

 

「剣を殺す……剣殺し…………確かにただモノじゃありませんね……」

 

 

「では参りましょうか?グレモリーの騎士(ナイト)さん?」

 

 

「グレモリー眷属の騎士!木場 祐斗!!貴女の申し出、慎んでお受けしよう!!!」

 

 

「フフッ……キャロル・マールス・ディーンハイム及び、坂田銀時に仕える【終末の四騎士】ファラ・スユーフ…Dance Macabre!」

 

 

 

 

 

【ファラ・スユーフ VS 木場 祐斗】

 

 

 

 

 

「アタシの相手はお前カ?」

 

 

「……そうですね、貴女に怨みはありませんが…倒させてもらいます」

 

 

「ニヒヒ、アタシは今とっても嬉しいゾ!!」

 

 

「……嬉しい?」

 

 

「アタシ、生まれた時から一度も外に出てきた事無くて……でも、初めて外でガリィやギン達と一緒に出てきて……こうして暴れる事ができてとっても、とっても、とっ~~ても!!嬉しいんだゾ!!」

 

 

「……そうですか、なら私も全力で貴女の相手をするまでです!」

 

 

「ジャリンコ、アタシは強いゾ?」

 

 

「……ジャリンコじゃありません…塔城 小猫、それが私の名前です」

 

 

「コネコか……わかったゾ!アタシの名前はミカ・ジャウカーン、そんじゃ!勝負だゾ!!」

 

 

 

 

 

【ミカ・ジャウカーン VS 塔城 小猫】

 

 

 

 

 

ファラ達がリアス達の相手をする事となり、銀時は再び少女と目を合わせる。すると少女は新しい刀剣を取り出して、二刀流で銀時に斬りかかる。銀時は木刀で少女の二刀を捌き、隙ができた所を見逃さずに縦凪ぎで一気に振り落とすも、二刀の刀剣で防がれる。

 

 

 

「やっぱ、一筋縄じゃ……行かねぇな!!」

 

 

 

銀時は木刀を持ったまま、少女が持つ2つの剣目掛けて強烈な蹴りを入れて弾き飛ばした後、後退して木刀を構え直す。

 

少女も高く跳躍し、弾き飛ばされた二刀を掴み着地と共に構え直した。

 

 

 

「女相手だとやりにくいが……しゃあねぇな、こっからは瞬き厳禁だぜ?」

 

 

 

そう言った後、銀時が放ついつもの雰囲気がガラッと変わる……死んだ魚の様な目は赤く煌めいた眼光に豹変し、ただならぬ殺気を迸る。

 

 

 

これがかつて敵味方が恐れた銀時………攘夷志士最強と謳われた白夜叉の姿である。

 

 

そしてゆっくりと木刀を肩に担いだ後、一気に少女に向かって構えた。

 

 

 

 

 

 

「白夜叉……坂田 銀時、参る!!」

 

 

 

 

 

 

その言葉を皮切りに、銀時は少女に向かって駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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キャスト

 

 

坂田 銀時:杉田智和

 

 

 

謎の少女:水樹奈々

 

 

 

リアス・グレモリー:日笠陽子

久沢 戒斗:小野大輔

姫島 朱乃:伊藤静

木場 祐斗:野島健児

塔城 小猫:竹達彩奈

 

 

 

エルフナイン・マールス・ディーンハイム:久野美咲

ファラ・スユーフ:田澤茉純

レイア・ダラーヒム:石上静香

ガリィ・トゥーマーン:村瀬迪与

ミカ・ジャウカーン:井澤詩織

 

 

 


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