朱乃side
私は自宅である姫島神社でとある人物と鳥居の前で待ち合わせをしていた。
そうして待ち続けて10分が過ぎた頃……その人物は魔法陣から姿を現して、こちらに視線を向けた。その人は金髪の三つ編みに、魔法使いが使用する様な大きな帽子と青と白を基調としたローブを纏った二十代の女性でした。
この女性こそが、私が待ち合わせをしていた方で命の恩人に当たる御人……私は手に持った紙封筒を待ち合わせていた女性…キャロル様へ両手でお渡しした。
「キャロル様、お待ちしてましたわ。この封筒の中には、過去に駒王町で起こった事をまとめた資料が入っています」
「そうか……すまないな、こんな頼みをバラキエルの娘であるお前に任せて……」
「うふふ……いえ、キャロル様は私とお母様の命の恩人でお父様の古くからの御友人であるアザゼル提督をお救いになられた御方です。これが私、姫島 朱乃に出来る貴女への恩返しですから……ご心配無く。それで例の【人外狩り】の件ですが…」
「あぁ、ガリィの働きで十分なデータは取れた。後はエルと
「アイツ?それは何方様で…」
「昨日の晩、お前達が出会った銀髪の男だ」
「銀髪…あぁ、あの時の殿方ですか……」
私がこの町の統治者であるリアスの眷属として潜りこんだ理由は、この町でのリアスの怠惰な駒王町管理の証拠を得るため……
そして度々、はぐれや堕天使……さらには契約悪魔等を狩る集団……上層部の方達から【人外狩り】と呼ばれた少女達への情報を探るために、あえて私達グレモリー眷属が向かう場所をキャロル様達にこっそりご報告していた。
そして、先日の晩ではぐれ討伐の際に遭遇したのがあの銀髪の男性……生身で【人外狩り】の一人と戦っていたため、ただ者では無い事だけはわかりました。それに傲慢なリアスにも平気で侮辱を味あわせた勇敢なお人だと思いましたわ…
「男の名は坂田 銀時……死んだ魚の目をしてひねくれてはいるが、協力を申し出てくれた奴だ……接触の際はよろしく頼むぞ」
「畏まりました…キャロル様はこれからどちらへ?」
「オレは今からサーゼクスと三魔王の所へ行って、この証拠を見せる……そうすればあの小娘をこの町の支配者の座から引きずり下ろせるからな?お前もわかっているだろうが…」
「えぇ、三大勢力の戦争の再戦阻止……従順、承知しております」
「わかってるならそれで良い…それじゃ、バラキエルと朱璃によろしくと伝えてくれ」
「はい、お気をつけて…………」
私はその場で一礼し、キャロル様は転移術を発動させて姿を消した。
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キャスト
姫島 朱乃:伊藤静
キャロル・マールス・ディーンハイム:水瀬いのり