天パー侍と絶刀の少女   作:悪維持

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今回は、オートスコアラーの残りのメンバーが登場します!

それでは、どうぞ!


第惨話 チフォージュ・シャトー

ガリィと共に転移した銀時が最初に目に写ったのは、自分の世界の城よりも……悪友のペット兼侵略者が乗っていた星と同じくだだっ広い空間に機械の部品やら、巨大な歯車等が所々に組み込まれていた。銀時はまるで巨大な要塞の内部に社会科見学をしに来た気分になり、少しばかり冷や汗をかいた。

 

 

 

「な、何だ?ここは……」

 

 

「マスターが鎮座する、巨大装置兼居城……【チフォージュ・シャトー】の内部……まっ、言うなれば私達の本拠地って所よ」

 

 

「しっかしでけぇなぁ~?……てゆうか、お前口調変わってなくね?」

 

 

「あ"ぁ"!?堅苦しい言葉とか似合わない主義なのよ……ほら、遅れて迷子になっても知らねぇぞ?天パー侍?」

 

 

「(あっ、こいつ性根が腐ってんな……) へいへい、わかりましたよ……って、誰が天パー侍だ!!」

 

 

 

ガリィの突然の変わり様に銀時は性根が腐っていると確信し、呆れながら彼女の後についていく。すると、銀時達の前に何かが勢いよくこっちに向かって来た。

 

 

 

「ガァ~リ~ィッ!!お帰りだゾォォォォォォォォォォォォォ!!!!」

 

 

「ほいっ」

 

 

「えっ?……ボゲラッ!!??」

 

 

 

勢いよく向かって来た何かをガリィはスピンをしながらかわすも、後ろにいた銀時は直に直撃し何かと共に後方へとぶっ飛ばされた。

 

すると向かって来た何か……否、一人の少女は、何事も無かった様に起き上がる。

 

 

赤髪をツインドリルにし、服装は焦げ茶色のケープを纏い、ピンクの長袖シャツに黒のショートパンツ。そして、熊手の様に鋭い爪がある大きな両手を持っていた。少女は満面の笑顔でガリィに抱きつく。

 

 

 

「ガリィ~ 寂しかったゾ~!」

 

 

「だあぁ!?もう、てめぇはいっつもいっつも私に抱きつかねぇと気が済まねぇのか!?つか、うっとおしいから離れろ!!!」

 

 

「イヤだゾ!五分ぐらいギューさせてくれゾ!」

 

 

「てめぇに五分間抱かれたら、身が持たねぇんだよ!?離れろ、この!ハ~ナ~レ~ロォ~!!」

 

 

 

力強く抱き締める赤髪の少女を必死に引き離そうとするガリィだが、少女の抱き締める力が強いのかなかなか振りほどけずにいた。すると少女と激突した銀時はフラフラと起き上がる。

 

 

 

「あ、あの……銀さん、重症なんだけど…………助けてくんない?」

 

 

 

必死の助けを求めるも、ガリィ達の耳には届かず銀時は再び地面とキスをしながら倒れる。

 

そこへ黄土色の髪を緑の紐で四本に束ね、執事服を思わせる黒いドレスを着用した女性と、短い黒髪にカジノのディーラーを思わせる服装の女性が現れる。

 

 

 

「あら、帰ってたのねガリィ」

 

 

「また派手にやってるな……」

 

 

「"レイア"!"ファラ"!ボケッと見てないで"ミカ"のバカを何とかしなさいよ!!これじゃマジでヤバイって!?」

 

 

 

ガリィはやって来た二人の女性……レイアとファラに、抱きついている少女ーミカを何とかするように叫ぶが、二人は喚いてるガリィの後ろで倒れている男……銀時に目を向ける。

 

 

 

「おいガリィ、何だその地味な男は」

 

 

「あぁ……任務の時に出会ってね、マスターから連れてくるよう言われたのよ……ってか!そんな事より、早くミカを何とかしろ!!マジで絞め殺されるって!?」

 

 

「ガ~リィ~♪」

 

 

「ワタシ達自動人形は、そんな程度では派手に死なん」

 

 

「そうだろうけどマジで非常事態的にヤバイんだよ!!」

 

 

 

まるで犬の様にじゃれつきながら抱きつくミカに、必死に引き剥がしながら助けを求めるガリィと助けようとせずいつも通りの光景で眺めるレイア……何ともカオスな光景が出来ている。そんな中、ファラだけは倒れている銀時の元へと駆け寄る。

 

 

 

「もしもし、そこの御人…………」

 

 

「…………」

 

 

 

ファラが声をかけるも、銀時は気を失ったままで……まるで屍の様だった。返事が無いのを確認すると、ファラは銀時を起き上がらせ、首元に手刀を入れる。

 

 

 

「……ッ!?……あり?俺…………何してたんだっけ?」

 

 

「お気づきになりました?」

 

 

「え?あ……あぁ、大丈夫だ……ありがとな……えっと…………」

 

 

「私はファラ・スユーフ。【終末の四騎士】のリーダーを務めております……よろしければファラとお呼びください」

 

 

「そうか、俺は坂田 銀時だ。気軽に銀時か銀さんと呼んでくれ」

 

 

「では、銀時様と呼ばせてもらいます」

 

 

「様付けには慣れねぇが……いいぜ別に…………と言うか、アレ止めなくて良いの?」

 

 

 

銀時は、礼儀正しい対応をするファラにいつまでも騒いでるガリィ達の方に指をさす。

 

 

 

「あぁ、そうでしたわね……ほら、三人とも!お客人の前よ、その辺にしときなさい」

 

 

「その前にこいつをどうにかしろよ!」

 

 

 

ファラは銀時の側を離れると、残った三人を嗜める。しかしガリィはミカを何とかするように要求すると、ファラはため息をしながらミカの両腕を優しく掴みながら目の前に立たせる。

 

 

 

「ミカ、ガリィに抱きつくのはその位にして……まずはお客人にご挨拶しなさい」

 

 

「わかったゾ」

 

 

「レイアもまだだったわよね?」

 

 

「そういえば地味に忘れていたな」

 

 

 

そうミカに言い聞かせると、ミカは素直に返事をする。レイアもファラに指摘され、ミカと共に銀時の所まで歩み寄る。

 

 

 

「先程は失礼した……ワタシは【終末の四騎士】の一人、レイア・ダラーヒムだ。派手によろしく頼む」

 

 

「ミカ・ジャウカーンだゾ!よろしく!!」

 

 

「よろしくな、俺は坂田 銀時。名字以外なら好きに呼んでもいいぜ」

 

 

「なら、銀時と派手に呼ばせてくれ」

 

 

「アタシはギンって、呼ぶゾ!」

 

 

「派手に呼ばせてって……何処ぞの宇宙海賊戦隊的な事言うな……」

 

 

「ワタシに地味は似合わない……」

 

 

「いや、カッコいいセリフ言っても理由になってないからね!?」

 

 

 

レイアの決め台詞にツッコミを入れる銀時、するとミカは笑顔で銀時をジッと見つめる。

 

 

 

「何?俺の顔に何かついんての?」

 

 

「ナァ、その変わった棒みたいなのは何だゾ?何でソレを腰に挿してるんだゾ?」

 

 

「こいつか?こいつは刀と言ってな、侍の魂みたいなもんだ」

 

 

「サムライ?何だゾ、それ?」

 

 

 

聞き慣れないワードに、ミカはわからないという顔をする。銀時は自分なりにミカに侍とは何かを告げる。

 

 

 

「いいか、侍ってのはな……自分の武士道(ルール)を掲げ、それを貫き通し……自分が思う生き方、仲間を護る意思を魂に刻んだ奴等……それが侍だ」

 

 

「ふぅ~ん、アタシには難しい事はわからないゾ……でも、サムライはスゴいってわかったゾ!それに、そんな事知ってるギンもスゴいゾ!!」

 

 

「別にスゴかねぇよ……俺なんて…………」

 

 

『?』

 

 

 

ミカが銀時の事を称賛するが、銀時はスゴくないと返す。すると……ファラ、レイア、ガリィの三人は銀時が少し暗い表情をしていたのが気になったが、それは後回しにしようと考えたガリィは、口を動かす。

 

 

 

「はいはい……馴れ合いはそこまでにして、早くマスターの所に報告しないと行けないんだけど?」

 

 

「そうだったわね……では、銀時様。我々がマスターの所までご案内いたします」

 

 

「おっ、サンキューな」

 

 

 

そう言って銀時は四人に案内されながら、この城の主が待つ場所へと向かった。

 

 

 

 

 

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一方、銀時達が去った廃ビル内ではリアス達グレモリー眷属を閉じ込めてある氷の塔の真ん中にデカイ穴が空き、その側ではポニーテールの女性ー姫島 朱乃と、金髪の少年ー木場 祐斗がバラバラにされている肉片を発見した。

 

 

 

「やはり……指名手配されているはぐれ悪魔のバイサーですわ。しかも無残に惨殺死体で…」

 

 

「このヤリ口……噂の【人外狩り】ですか?」

 

 

「えぇ、おそらく先程の女性がその一人でしょう……」

 

 

 

数分前、自分達がはぐれ討伐でこの廃ビルに訪れ、その最上階で戦闘をしていた二人の男女………決着をつけようとした瞬間にリアスが叫ぶと女性は魔法陣で逃亡し、男性の方は謎の少女の介入により自分達は氷の中に閉じ込められ、脱出した後には二人共姿を消したのだ……

 

 

 

「小猫ちゃんのおかげでかろうじて脱出できましたが………」

 

 

「はい……問題は…………」

 

 

 

二人はその近くに視線を向けると……塔に穴を開けた少女ー塔城 小猫と黒髪の少年ー久沢 戒斗(かいと)が辺り構わず口論を繰り広げていた。

 

 

 

「てめぇ……一年の分際で生意気なんだよ!」

 

 

「……だからなんですか?まさかあの壁を壊せると思ったんですか?」

 

 

「はっ!あんな氷の壁程度、オカルト研究部の超新星である俺ならモノの数分で破壊できたんだよ!!それをてめぇがぶっ壊しやがって……」

 

 

「……何がモノの数分なんですか?私の記憶が正しければ、十分の間……久沢先輩は必死に殴り続けても壊れなかったと思うんですけど?」

 

 

「チッ!あれは、まだちょっと調子が出なかっただけだ!」

 

 

「……言い訳ですよね、それ?バカですか貴方?」

 

 

「このガキ!!もう一片、言ってみ…グベッ!?」

 

 

 

小猫の罵倒に、久沢は殴ろうとするも……小猫はそれよりも速く、久沢の顎めがけてアッパーを繰り出した。久沢はモロに食らい天井に突き刺さった。

 

朱乃と木場は久沢の態度に呆れ、ため息をはく。

 

その一方、リアスは爪を噛みながら先程の銀時の発言に、怒りを表していた。

 

 

 

「あの男……たかが人間の分際で……!この私を、悪魔であるこの私をコケにして!絶対に許さない……この屈辱は必ず数百倍にして返してやる!!」

 

 

 

湧き上がってくる憎悪をただただ思い、リアスは銀時に屈辱を味わせてやると心の奥底で決意を固めていた。

 

 

 

 

 

 

 

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キャスト

 

 

坂田 銀時:杉田智和

 

 

 

リアス・グレモリー:日笠陽子

久沢 戒斗:小野大輔

姫島 朱乃:伊藤静

木場 祐斗:野島健児

塔城 小猫:竹達彩奈

 

 

 

ファラ・スユーフ:田澤茉純

レイア・ダラーヒム:石上静香

ガリィ・トゥーマーン:村瀬迪与

ミカ・ジャウカーン:井澤詩織

 

 

 


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