天パー侍と絶刀の少女   作:悪維持

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今回は銀さんVS防人奏者のバトルです!


それでは本編をどうぞ!!


第弐話 最初の出会い

恐怖ゲージを振り切り、全速力で疾駆した銀時はいつの間にかビルの最上階にまで登り詰めていた。

 

 

 

「ハァ……ハァ……ここまでくれば大丈夫だろぉ…………てゆーか、アレびっくりしただけだし?お化……違う!スタンドなんて存在しないもん!そうだ、あの時はたまたま雨の雫石が首にかかっただけだ!!そうに違いない!!!」

 

 

 

スタンド(通称:お化け)はいない!と自分に言い聞かせる銀時だが…………未だに汗が流れ、身体も震えている。

 

 

本当はまだ怖い癖に………

 

 

 

「よ~し!落ち着け?落ち着けよ俺………………ッ!?」

 

 

 

自らを落ち着かせようとしていた銀時は何か異様な気配を感じ、抜刀の構えで木刀を握りながら辺りを警戒する。

 

攘夷戦争時代、『白夜叉』の異名で敵味方に恐れられた事もあるが奇襲や隠密行動、敵の情報収集など裏方の隊長をしていた経歴があり……気配や殺気等に対する敏感さにおいては一級品である。

 

だが、銀時でもこの異様な気配は初めてで……若干だが冷や汗をかいていた。

 

 

 

(何だ?この異様な気配………何か潜んでやがるのは間違いねぇ……だが、敵意でも殺気でもねぇ……この気色悪い気配は何だ?)

 

 

 

謎の気配に息をのみ、集中力を研ぎ澄ませる……こういう嫌な勘だけが、一番当たる事が多いのが銀時の良いところなのか悪いところなのか分からない気がするが…………

 

 

すると、突然後ろから青い斬撃が襲ってきた。

 

 

 

「ちっ……やっぱりかよ!!」

 

 

 

銀時は自らの予感が的中した事を恨み、軽く舌打ちをした後、木刀を引き抜いて斬撃を叩き切り霧散させる。すると斬撃が飛んで来た方向には…………

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

 

 

 

 

妙なコスプレをし、巨大な剣を持った少女がその場に居た。

 

 

 

少女は青髪のサイドテールに青い瞳、服装は黒と青を基調としたボディスーツを着用し、足には刃の様なモノを、耳にはヘッドホンの様なモノが装着されていた。そして、特徴的なのは胸に紅黒い結晶の様なペンダントがある事だ。

 

 

流石の銀時も、まさか女が相手だとは思ってもいなかった……しかも露出度高めの奴を着ていれば誰でも動揺する。だが、少女の様子が異様なのを感じる……それは生気がまったく感じられず、まるで人形の様に自我を支配されれている感じだった。

 

 

 

「…………」

 

 

 

少女は無言で持っていた剣を鋭利な刀に変形させ、銀時に向かって突きを繰り出す。だが、銀時は紙一重でかわし木刀を振るうが容易く受け止められ、少女との距離を離すも間合いを詰められ、つばぜり合いに発展する。

 

 

 

(服装を動きやすいのにしてる性か、動きが速ぇし、俺と同等に張り合えてる……それに剣の腕も実戦慣れしてやがる……!この女……何者なんだよ!?)

 

 

 

つばぜり合いの際に、銀時は少女の戦い方が意外にも実戦に慣れた剣術を使う事に驚いてもいるが、それ以前に少女の瞳の色が輝いていない事が気にかかっていた。

 

 

 

(それにしても……こいつの目………何か妙だ……出会った時も、こうやって戦ってる最中でも表情1つ変えてねぇ、もしかしたら誰かに操られてんのか?でも一体誰が………)

 

 

 

銀時は少女の無表情であるのが、洗脳されていると推測するも……誰が何の目的でやっているのかが分からず苦い顔をする。だが、少女はお構い無しに木刀を弾いて刀を降り下ろすと銀時は木刀で受け止めて迫撃するという繰り返しのぶつけ合いが始まった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「ふぅ~ん、面白い事になってんじゃん……」

 

 

 

銀時と少女の死角がある場所で傍観し、様子を伺っていたガリィはギザギザの歯を見せながら嘲笑していた。

 

 

 

「それにしても、あの天然パーマ……一体何者なのかしら?」

 

 

 

少女と同等……いやそれ以上の剣技を使う天然パーマ=銀時にガリィは少しばかり興味が沸いた。そして悪巧みを思いついた顔をし、何処かへと通信を繋げる。

 

 

 

「こちらガリィ…………マスター応答願いますぅ~?」

 

 

『どうした?何かトラブルでもあったのか』

 

 

「いえいえ、ターゲットは見つけましたよ?でもぉ~ 変な奴がターゲットと戦闘を始めちゃってぇ……ガリィ困ってますぅ~」

 

 

『変な奴?……エル、映像を出してくれ』

 

 

『はい、スクリーンに映します』

 

 

 

一旦、静寂が始まり……数分後に通信が再開された。

 

 

 

『ガリィ……この男は何者だ?グレモリーの小娘の手先か?』

 

 

「いえいえ、どう見ても"脳内お花畑お嬢様悪魔"と無関係の人間ですよ?しかも生身でヤリ合ってるし……どうしますぅ?」

 

 

『そうだな……できるならターゲットも含めてそいつも此処(シャトー)に連れて来い……もしターゲットが逃亡したり、グレモリーの小娘供が来たらそいつだけでも良い……判断はお前自身に任せる』

 

 

「は~い☆ガリィにお任せです♪」

 

 

 

そう了承すると、ガリィは再び銀時達の戦いを傍観し始めた。

 

 

 

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一方、銀時と少女の戦いも熾烈を極めるモノとなっていた。

 

少女は銀時との距離をとって再び刀を大剣に変形させると青いエネルギーを纏わせた後、青い斬撃を銀時に目掛けて二刃飛ばした。

 

 

 

《蒼ノ一閃》

 

 

「そんな『月牙○衝』モドキにヤられるかよ!!」

 

 

 

対する銀時は勢いよく走りながら斬撃をかわし、もう1つは木刀を横凪ぎにする事で霧散させ少女との距離を詰めようとすると、少女は向かってくる銀時の懐に飛び込んだ。

 

銀時が木刀を横凪ぎに振るって迎撃すると、少女はしゃがんで回避する。そして、懐に入った状態で逆立ちとなり、開脚したその後、足についた刃が鋭くなる。そして、その状態のまま回転しながら銀時を斬りつける。

 

 

 

《逆羅刹》

 

 

「なっ!それも武器になるのか…………ぐはっ!?」

 

 

 

その様な攻撃方法がある事に驚き、気を緩めた銀時に迫る刃……だが、銀時はとっさに木刀で捌くも勢いが強すぎて後ろに吹き飛ばされる。銀時は木刀を地面に突き刺してブレーキ代わりにする事で勢いを殺し、体勢を立て直す。

 

そして少女の方も後ろに跳び、体勢を立て直した後、再び刀を取りだして構える。

 

 

 

「へっ!やるじゃねぇか……ならこっちも十八番(オハコ)って奴を使わせてもらうぜ?」

 

 

 

銀時はを苦笑しながらも額の汗を拭った後、俊足で自分の得意とする間合いを詰め木刀を横凪ぎに振るうが、少女は刀で受け止めて距離を取ろうとするとまた間合いを詰め、迫撃していく。徐々に銀時が有利になっていくが、少女はつばぜり合いの際に、片手にもう一本の刀を取りだし銀時に突きを繰り出す。銀時は身体を反らせて突きを回避すると、一旦距離を離す。

 

そして少女は先程出した刀と持っていた刀の二本の柄同士を連結させ、薙刀状態にし回転させながら臨戦態勢をとる。

 

 

 

「おいおい、一騎討ちがご所望って奴ですか?…良いぜ?その勝負受けて立つ!」

 

 

 

相手が一気に勝負を決める事を知った銀時は木刀を腰に差し、居合いの構えで少女と同じく臨戦態勢をとる。ジリジリと構えながら集中力を研ぎ澄ませ、勝負のタイミングを見計らう。

 

すると少女が持っていた刀に炎が纏われていく事を驚く銀時だが、相手も本気で来ると悟り……自分も奥底に封じ込めていた白夜叉の力で迎え撃とうとする…………

 

 

 

 

 

「そこまでよ!」

 

 

 

 

 

が、ここで思わぬ邪魔が入ったのは言うまでもない。

 

 

 

「あ?」

 

 

「…………」

 

 

 

勝負の最中に声がした方に目を向けると、そこには何処かの学校の制服を着た集団が居た。

 

紅髪の少女を筆頭に、黒髪と金髪の少年二人とポニーテールの美女、そして白髪の小柄な少女が現れたのだ。また面倒な奴が現れたと先程までの雰囲気が無くなり、死んだ魚のような目で集団を見る銀時。一方の少女は刀を納め、手に持った黒い結晶を地面に投げると、足元から淡い黒の魔法陣が出現し、その場から姿を消した。

 

 

 

「なっ!?おい!」

 

 

「動かないで!まずはこちらの質問に答えてもらうわよ?貴方は何者?ここが私、リアス・グレモリーの領土と知っての事かしら?」

 

 

 

紅髪の少女ーリアスが妙に見下した質問をするのに対して銀時は気怠い態度で応答する。

 

 

 

「さぁな?まぁ……強いていうなら神様のミスに巻き込まれた侍ってところだ……それと領土って何よ?ガキが王様気取りですか?コノヤロー」

 

 

「おい!リアス部長に対してその態度は何……痛っ!?何しやがる小猫!!」

 

 

「……久沢(くさわ)先輩、うるさいから静かにしてください」

 

 

「てめぇ、後輩の癖……ゴハッ!?」

 

 

 

銀時の発言に噛みついてきた黒髪の少年ー久沢は足を踏みつけた白髪の少女ー小猫を怒鳴る。だが、小猫はギャーギャー喚く久沢の鳩尾にボディーブローを決める。リアスはお構い無しに銀時に再度、質問をぶつける。

 

 

 

「なら、貴方と戦っていた女は何者なの?」

 

 

「そりゃこっちが聞きてぇよ……変なコスプレしてるわ、妙に強いしよぉ……だが、何処ぞの王様気取り女のせいで勝負が決まらなかったけどな?」

 

 

「ッ!……それは私に対する侮辱なの?私は悪魔72柱の誇り高き貴族グレモリー家の次期当主なのよ!」

 

 

「悪魔って何?中二病ならまだ良いのを言うぜ?それと何が当主だよ……次期ってまだ当主にもなってねぇじゃねぇか、お家がちょっと良いご身分だからって油断してると足元すくわれるぜ?中二病で次期当主のお嬢様?」

 

 

「に、人間の分際で……「はいはい、そこまでにしてくんない?」……ガッ!?」

 

 

 

銀時の言葉にリアスは激怒するが誰かに蹴飛ばされ、顔が地面に埋まる。蹴飛ばした張本人ーガリィはフィギュアスケート選手の様にスピンジャンプをしながら銀時の前に降り立つ。

 

 

 

「先程はどうも、天然パーマ侍さん?」

 

 

「先程……って、おい!誰が天然パーマだ!?俺だってな好きで天然パーマになったんじゃねぇんだよ!!」

 

 

「まぁ、まぁ♪そうゆうのいいじゃないですかぁ?過ぎた事は水に流して……でも、まずは邪魔なアイツ等から…」

 

 

 

そう言いながら銀時の憤慨を無視して、ガリィはリアス達に視線を向けて両手に水の塊を纏わせ、上に掲げると同時にそこから水の竜巻が発生しリアス達の周りを包囲する。続けて右手から魔法陣を展開し、そこから強烈な吹雪を放つ。すると水の竜巻は吹雪を浴びると瞬時に凍り、リアス達を閉じ込めた氷の塔と変化した。

 

 

 

「さてと…ん?あぁ、問題ありませんよ?殺してませんから。だって~ 殺ったら殺ったでマスターにドヤされますものぉ~」

 

 

「その前に、てめぇは何者だ?人間技にしちゃあ変な術使うじゃねぇか……」

 

 

「まぁ……自己紹介ぐらいはいいかしら?私の名前は、ガリィ・トゥーマーン。我がマスターにして創造主……キャロル・マールス・ディーンハイムに仕える自動人形(オートスコアラー)部隊……【終末の四騎士(ナイトクォーターズ)】の一人です☆」

 

 

「オートスコアラー?」

 

 

「細かい事とかは置いといて……すみませんが、マスターは貴方をご招待しております……一緒に来てくれません?」

 

 

 

ガリィはニヤリと黒い笑みをこぼすが、銀時は少しだけ思考を変え、渋い顔をしながら考えてみる。リアスは自分を悪魔と名乗っていた。もしかしたらこの世界には自分の世界とは違う何かがある。そしてまだ自分はこの世界には馴染んでいない……しばらくはガリィ達の所で過ごしながら情報交換をする必要があると践んでみた。そして、数分考えて銀時はある答えをガリィに告げる。

 

 

 

「まぁ、良いぜ?この世界の事とか色々知らなきゃなんねぇしな………それに」

 

 

 

銀時は、先程戦った青髪の少女が頭を過った。もしかしたらガリィのマスターなら少女の事を知っているかもしれないと思ったからだ。すると、ガリィが興味深そうに顔を覗かせる。

 

 

 

「あらん?どうかしました?」

 

 

「何でもねぇよ……さ、そのマスターって奴の所に行こうじゃねぇか」

 

 

「では、ご案内いたします♪」

 

 

 

ガリィはそう言うと、ポケットから手のひらサイズの紅い結晶を取りだし、地面に投げつけると六角形の魔法陣が銀時とガリィがいる足元に形成され、次の瞬間に二人は氷の塔に閉じ込められたリアス達を残し、その場から消えた。

 

 

 

 

 

 

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キャスト

 

 

 

坂田 銀時:杉田智和

 

 

 

謎の少女:水樹奈々

 

 

 

リアス・グレモリー:日笠陽子

久沢 戒斗:小野大輔

塔城 小猫:竹達彩奈

 

 

 

キャロル・マールス・ディーンハイム:水瀬いのり

エルフナイン・マールス・ディーンハイム:久野美咲

ガリィ・トゥーマーン:村瀬迪与

 

 

 


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