天パー侍と絶刀の少女   作:悪維持

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今回は一誠とグレモリー眷属の接触回……


そして謎の声の正体と一誠の神器が判明します!!


それではスタートデス!!


第拾漆話 黒き龍の魔帝

一誠side

 

 

授業が終わって放課後。俺は教室にやって来た木場と一緒に、使われていない旧校舎にあると言う《オカルト研究部》の部室へと向かっていた。

 

 

 

「あ……そういや木場。《オカルト研究部》って、お前を含めて部員は何人くらい居るんだ?」

 

 

「え?あぁ、そうだね……僕と訳ありの子を含めて、6人だよ」

 

 

「訳あり……その訳ありって何年生だ?」

 

 

「1年生だよ。でもその子は人見知りが激しくてね……絶賛引きこもり中なんだ。でも、副部長の朱乃さんやその子と同じ1年生の小猫ちゃん……そして僕とかが定期的に様子を見に行ってるんだ」

 

 

「そうか。それにしても人見知りねぇ……この学園には個性的と言うか、一癖ある奴等がわんさか居るからあんまり驚かねぇんだよな」

 

 

「そうだね……あ、此処が僕等の部室だよ」

 

 

 

そんな会話の最中、ようやく部室に到着したは良いが…………

 

 

 

「なぁ、木場……少しばかり言わせてもらうけど良いか?」

 

 

「え?」

 

 

「お前ん所の部長って、どんな神経してんだよ………」

 

 

 

そう、部室の入り口に堂々と『オカルト研究部』と看板に書かれていた。俺は呆れながら木場にジト目の視線を向ける。

 

 

 

「気分を悪くさせてゴメンね……でも、これは部長の趣味なんだ」

 

 

「へぇへぇ、いい趣味をお持ちでヨゴザンしたね?」

 

 

 

趣味で良いのかと思いながら俺と木場は《オカルト研究部》に入室する。

 

中に入ると窓は全てカーテンで閉めきられ、火が灯った蝋燭が幾つも置かれ、部屋中には巨大な魔法陣が幾つも書かれていた。

 

 

 

「扉もあれだが、中も想像以上に凝ってるな………」

 

 

「うふふ……お世辞として受け取らせてもらうわよ、兵藤 一誠君?」

 

 

「お……噂をすれば何とやらか」

 

 

 

部屋の感想を呟く俺の前に、紅髪の女生徒……リアス・グレモリーが現れた。その後ろには黒髪のポニーテール美女と白髪の女子、そして…………

 

 

 

「よぉ、まさかテメェがオカルト研究部(此処)の部員とは驚いたねぇ……いやぁ~、運命ってのは怖いなぁ……そうだろ?久沢 戒斗君?」

 

 

「兵藤 一誠……!テメェ木場ぁ!!何でそいつを此処に連れて来やがった!!??」

 

 

 

そう、毎回俺に喧嘩を吹っ掛けてる久沢(バカ)だ。まさか、コイツが居たとはな……グレモリーも物好きだねぇ?

 

 

 

「カイト、落ち着いて。私が彼を連れてくるよう祐斗にお願いしたの」

 

 

「なっ!?そんなの納得できませんよ!コイツは神器すら無い何処にでも居る凡人ですよ!?部長だって、そういうのに興味なかったじゃ……「……話が始まらないので黙ってください」……ブガバッ!?」

 

 

 

怒鳴り散らす久沢に対して、白髪の女子は久沢の首元に強烈な回し蹴りを食らわせて黙らせる。

 

それにしてもあの体格でキレイな回し蹴りを繰り出すとは……一体、何処で身につけたんだ?

 

 

 

「うふふ……いつ見ても小猫ちゃんの格闘技はスゴイですわね?」

 

 

「……いえ、師匠に比べればまだまだです」

 

 

(自分の力に過信せずに謙遜か………ますます見所があるな)

 

 

 

できれば俺が立ち上げる新しいファミリーへ木場と一緒に招待したいが…………それは別の機会にするか。

 

 

 

「それで、わざわざ俺の様な凡人を呼んだのはどういう了見ですか………リアス・グレモリー先輩?」

 

 

「ふふ、そうね。それじゃあ改めて……私達、オカルト研究部が貴方を歓迎するわ!!」

 

 

 

グレモリー先輩……面倒だから序列56番は不適な笑みを浮かべ、高々に両手を掲げながら両腰から蝙蝠の様な翼を広げた。グレモリーに続いて木場や他の面々も同じ翼を展開させた。

 

 

 

 

 

 

 

「悪魔としてね…………」

 

 

 

(さぁ、会談(ビジネス)の始まりだ………)

 

 

 

 

 

 

 

精々、俺を丸め込める様な条件を提供しろよ?序列56番………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木場side

 

 

 

 

本当にこれで良かったのだろうか………

 

 

正直、後悔はしている……かつてのクラスメイトであり、僕の悩みを受け止めてくれた彼……イッセー君を此方側の事情に巻き込ませてしまう事に………

 

 

 

「……祐斗先輩」

 

 

「ん?あぁ……何、小猫ちゃん?」

 

 

「………顔色が優れないのですが……具合が悪いんですか?」

 

 

「いや、そうじゃないんだ………そうじゃ……」

 

 

「……もしかして、あの人……兵藤先輩の事ですか?」

 

 

「………うん、正直イッセー君だけは此方の事情に巻き込ませたくなかったんだけど……」

 

 

「……どうですかね?まぁ、あの人はそうでもないって顔してますよ?」

 

 

「え?」

 

 

 

小猫ちゃんが呟きながら彼を指差すと、イッセー君は真剣な表情で部長の言葉に耳を傾けた。

 

それはまるで、会社の社長が新人社員を採用するか否かの様な雰囲気を感じた。

 

社長側がイッセー君で、新人社員が部長という感じになっていた。

 

 

 

(イッセー君……君は何をしようとしてるんだい?)

 

 

 

僕は胸に疼く一時の不安を感じながら、部長と話しているイッセー君を見つめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

 

 

 

「と言う訳で、この学園の……いえ、この町で最も有名な貴方を私の眷属としてスカウトしたいの」

 

 

「なるほどね……要するに先輩の元で働けと」

 

 

「まぁ、そうなるわね」

 

 

 

はぁ……聞いてて飽き飽きする自慢話だな?魔王の妹やら、次期当主やら、この町の管理者だとか…………これほど不快になるのは初めてだ………!

 

この町は俺が生まれ育った町だ……お前の様な蝙蝠種族が支配者面をする事こそが腹立たしい……!

 

俺は淹れられたお茶をすすりながら不快感を落ち着かせ、口を開いた。

 

 

 

「……それで?」

 

 

「え?」

 

 

「先輩の元で働くとなれば……何かしらのメリットがあるはずです。それがなければ、この話は無かった事にしてもらいます。あぁ、ご心配無く……今日見たことや聞いたことは誰にも話しませんので…………」

 

 

「ふふ、急かさなくともちゃんと見返りはあるわよ?」

 

 

 

序列56番は笑みを浮かべながらそう言うと、ポケットから紅いチェスの駒を取り出した。

 

 

 

「これは、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)という物で私達悪魔には欠かせないモノなの。これを使って他種族を悪魔に転生させ、自分の眷属にすることが出来る代物よ。それに悪魔になれば永遠に近い命を手に入れる事が出来、貴方は人を越えた力を手に出来るわ」

 

 

「永遠の命ねぇ………確かに不老不死は人類の夢みたいなモンだから簡単に惹きつけられますが……」

 

 

「そうでしょう?下等な人間よりも私達悪魔が素晴らしいと思えるでしょ?堕天使や天使なんて目じゃないわ……それに」

 

 

 

序列56番はそう言うと、俺の手を掴んで自身の胸を触らせた……ハニトラのつもりか?

 

 

 

「……貴方の働き次第では、私の身体を好きに使っても良いのよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………話は終わりか?序列56番」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え……ガッ!?」

 

 

「部長!?……テメェ、兵藤「お前には用は無い」……ブギッ!?」

 

 

 

 

俺はハニトラを仕掛けてきた序列56番の首を掴み、そのまま持ち上げる。殴りかかろうとする久沢(バカ)が突っ込んくるが……それは蹴りで応対する。

 

 

 

「……こ、これは……一体、何の…………マネよ……!」

 

 

「何のマネだ?この町の支配者面の蝙蝠風情がハニトラを仕掛けてきた報復だ」

 

 

 

そう答えると、俺は序列56番を壁目掛けて投げ飛ばした。

 

 

 

「ゴハァッ!?」

 

 

 

壁にめり込んだ序列56番は口から少量の血を吐きながら地面に倒れた。

 

 

 

「忌々しい蝙蝠ごときが……俺が育った町を支配した気になるなよ?」

 

 

「兵藤 一誠ぇぇぇぇぇっ!!!!!」

 

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!』

 

 

 

 

俺が倒れている序列56番に視線を向けていると、先ほど蹴飛ばした久沢(バカ)が左腕に龍の様な赤い籠手を装備し、パンチを繰り出そうとするが、俺は軽く避けて奴の背中に飛び蹴りを浴びせた。

 

 

 

「グアダッ!!??」

 

 

「鬱陶しい奴だな………ん?」

 

 

 

そう呆れていると、不意に右腕が疼いてくる。

 

 

 

『ククク……見つけた、ようやく見つけぜ!!俺様の()()!!!』

 

 

「半身?何を言ってるんだお前は……」

 

 

「何を、ゴチャゴチャと抜かしてやがる!!あぁ……ムカつくムカつく!!モブの分際で調子にノンじゃネェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!」

 

 

『Welsh Dragon Over Booster!』

 

 

 

久沢(バカ)が怒りの咆哮を上げると同時に、奴の身体が龍を模した赤い鎧で包まれた。

 

 

 

「おいおい今度は何だ?」

 

 

『ありゃあ、禁手(バランス・ブレイカー)だ』

 

 

「禁手だと?」

 

 

『ハハHAハハ!!!スゲE!!こレが噂ニ名高I赤龍帝の鎧(ブーストデッド・ギア・スケイルメイル)KA!!力GA、力がみナぎッテ来ヤガるゼぇeェぇェぇeぇe!!!!』

 

 

 

ハイテンションな気分でものすごい魔力を放出する久沢(バカ)は所構わず部室を壊し始めた。

 

 

 

『ちっ、下僕蝙蝠の分際で俺様の半身を好き勝手に使いやがってぇ……!!』

 

 

「仕方ない、アイツの相手をすんのは気が引けるが………放って置いたら学園を崩壊させかないしな…………よし、殺るか」

 

 

『HAハははハ!!今の俺ハ最強DA!!!まずは手始めにテメェかRA血祭りに上げTEやる……兵藤 一誠!!!』

 

 

「力に呑み込まれたか。はぁ、憐れな奴だ……」

 

 

『死ね!死NE!死ネ!死ネェeェぇぇぇeeぇぇぇぇぇェェeeeeぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇeェ!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

 

バカはむちゃくちゃなパンチを繰り出しながら突進を仕掛けてきた。

 

 

それと同時に俺は右腕を山吹の宝玉を甲に埋め込んだ巨大な黒い籠手に変化させて、勢いよくバカの顔をぶん殴った。

 

 

 

「オラッシャアアアア!!!!」

 

 

『プGIャGOパぁっ!?』

 

 

 

その威力にものすごい速さでバカは、部室の壁を突き抜けてグラウンドまで吹き飛んだ。

 

俺もその後を追う様にグラウンドに向かう。

 

 

 

『KUソがぁぁァァァァァaaaaaaァァァァぁぁaaぁ!!!何DEテめェがソIツを……『オイコラ!クソ蝙蝠!!』ッ!!??』

 

 

『テメェ、よくも俺の半身を好き勝手使ってくれたな…落とし前つける覚悟はデキてんだろぉなぁ、アァ!?』

 

 

『U、うルSEぇ!!そウIうテメEこソ何モNダアa!!!』

 

 

『俺様が誰かだぁ?クソ耳かっぽじいてよぉく聞きやがれ!!俺様こそ、最凶最悪と恐れられた黒龍魔帝(シュヴァルツ・ドラゴン)……ドレイク様だ!!!』

 

 

『KO、黒龍魔帝だTO!?そNナ奴ナンて原作にハ居なカッたZO!!!』

 

 

「原作?何を訳のわからん事を……まぁ、お前を倒すしかこの騒動を終わらせる事はできないだろうからな……速攻で潰す!!」

 

 

 

俺はそう言うと右腕の籠手……黒龍魔帝の籠手(アブソードデッド・ギア)を暴走バカに向けて構える。

 

 

 

 

 

「行くぜ……ドレイク!!」

 

 

 

 

『俺様に命令すんな小僧!!』

 

 

 

 

『無様に死NEぇぇ!!兵藤 一誠ぇぇェェェェェェぇぇェェェェェェェぇeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

さぁ、SHOW TIMEだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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キャスト

 

 

兵藤 一誠:梶裕貴

 

 

リアス・グレモリー:日笠陽子

久沢 戒斗:小野大輔

姫島 朱乃:伊藤静

木場 祐斗:野島健児

塔城 小猫:竹達彩奈

 

 

黒龍魔帝:中尾隆聖




一誠のオリジナル神器《黒龍魔帝の籠手》の隠された能力とは!?


次回もお楽しみに!!

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