天パー侍と絶刀の少女   作:悪維持

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お待たせしましたの投稿です!

今回は最終面で、ミカと小猫のバトルをお送りします!

それでは本編スタート!!


第拾壱話 終末の四騎士・紅き杖

ミカside

 

 

 

 

アタシは造られた頃からシャトーに居た。外の世界へ遊びにいきたいと思ってたんだゾ………

 

 

 

 

でも……いつも外へ行くのはマスターとエル、ガリィとファラ、そしてレイアだけだった。

 

 

 

 

マスターは……アタシは戦闘特化の自動人形で力の制御がコントロールできないから、外へは出せないと言ってた。

 

 

 

 

一度でも良い……アタシも外でマスターやエル達と一緒に遊びたいし、暴れたいと思ってた……でも、そんな機会は無かったんだゾ。

 

 

 

 

アタシはみんなの事が大好きだゾ。でも、もしかしたらみんなの事を傷つけちゃうかも知れないから、アタシはミュンツェとおとなしく遊んでいたんだゾ。

 

 

 

 

アタシが外に出なければ……みんなの迷惑にならないし、もし帰って来たら思いっきり甘えれば良い……そう思っていた。

 

 

 

 

でも、そんな時にギンがやって来た。ギンはサムライで、色んな事を知ってた……難しい点はわからないけど、アタシにわかりやすく教えてくれた。

 

 

 

 

そして、ガリィ達と一緒に外へ出かけないかと聞かれた……とても嬉しかったし、行きたかった。

 

 

 

 

でも……アタシが行って、もしギン達の邪魔をしたらどうしようと思ってしまう。でも、ギンはそんな事を気にせず…不意に手を差しのべてくれた。

 

 

 

 

『なに暗い顔してんだよ?お前だって、俺等と一緒に行きたいんじゃないねぇのか?』

 

 

『え?……それは………その…………』

 

 

『だったら自分がヤりたい事をヤりゃあいいんだよ、どうやろうとお前が思う選択をしてやってみろ……ミカ』

 

 

『……アタシが思う…選択?』

 

 

 

 

ギンにそう言われて……アタシはギンの手をゆっくりと重ねて、今まで思い心の奥底にしまっていた事を吐き出してみた。

 

 

 

 

『……アタシも、アタシもギン達と一緒に行きたい!だから、アタシも外の世界へ連れてって欲しいんだゾ!!』

 

 

 

 

そう言ったら、ギンはニカッと笑いながらアタシの頭を優しく撫でてくれた。

 

 

 

 

『よく言えたな……そんじゃ行くか?』

 

 

『うん!』

 

 

 

 

アタシは造られた頃から外の世界へ行った事が無かった……でも、今は違う。

 

 

 

 

ギンがアタシを、ガリィ達と一緒に外へと連れていってくれた。だから、アタシはギンやみんなの為にこの力を使って暴れまくってやるんだゾ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんてったって、アタシは最強の自動人形なんだゾ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

ーー ミカ VS 小猫 ーー

 

 

 

現在、小猫とミカの両者はパンチの連続をお互いへ勢いよく打ち合った突き比べをしてきた。

 

 

 

「おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!!!」

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

「そんなんじゃ、アタシには響かないゾ!もっと強く!激しく!全力でくるんだゾ!!」

 

 

 

ミカは一時後退すると、両掌から赤い結晶である高圧縮カーボンロッドを小猫に目掛けメチャクチャに連射する。小猫はその場を駆け回りながら、カーボンロッドをかわし続けて接近し、右ストレートをミカの腹部に食らわせ吹き飛ばす。

 

 

 

「ぐわっ!?」

 

 

 

勢いよく吹き飛ばされたミカは、木々にぶつかり倒れるもすぐにシュタッと起き上がり、笑いながらカーボンロッドの連射を再開する。小猫はバク転で距離をとった後、近くの巨大な岩へと身を隠す。

 

 

 

(あの人………戦車の力同様……いや、()()と同等の戦闘力とタフさ……そして、両掌から発射される赤い結晶……直撃は避けた方が良いですね。それに、あの天真爛漫な顔といい……戦いを楽しんでいる所を見ると好戦的な性格だと断定できますし……どうしたものでしょうね…………)

 

 

「おぉ~い、かくれんぼは止めて早く遊ぼうゾ!じゃなきゃもっとスンゴイのお見舞いするゾォ~!良いノカァ~?」

 

 

 

小猫が岩の影に隠れながら対策を考えていると、ミカは呑気な口調で出てくる様に大声で小猫に話しかける。だが、返事は聞こえてこない………ミカは頭をかしげ小猫が隠れている岩を見つめる。すると、今まで隠れていた小猫が勢いよくミカへと向かって駆け出した。

 

 

 

 

「おっ?やっと遊んでくれるノカ♪」

 

 

 

ミカは両掌からカーボンロッドを取り出して、向かってくる小猫へ勢いよく投擲する。小猫は駆け上がりながら、カーボンロッドを避ける。

 

ミカは右手から小型のカーボンロッド3つを小猫に目掛けて投射する。

 

小猫は向かってくるカーボンロッドを紙一重で避け、ミカの懐へと接近し回し蹴りを腹部へと繰り出す。だが、ミカは回し蹴りを食らう前にカーボンロッドを掌から取り出してタイミングよく防ぐ。

 

 

 

「……くっ!それなら………」

 

 

 

小猫は一旦後退し、先ほど自分が居た巨大な岩を軽々と持ち上げミカへと勢いよく投げつけた。

 

 

 

「ゾナモシ!?」

 

 

 

ミカはカーボンロッドを投げ捨て、巨大岩を両手でキャッチする。

 

小猫は巨岩を抱えたミカの頭上へ勢いよく、飛び上がり前転しながらの力強い踵落としを巨岩に浴びせる。

 

 

 

「………浮鳴流奥義、岩石落脚!」

 

 

 

巨岩は徐々にヒビができ始め……そして、見事に真っ二つへと分裂した。そして小猫の踵落としはミカの頭上へと吸い込まれる様に勢いよく直撃した。

 

 

 

「キュベラッ!?」

 

 

 

戦車の力や上空からの重心がかかった事により、ミカの頭は地面へと勢いよくめり込む。

 

 

小猫は地面へとめり込んだミカへ視線を向ける。試しに指で頭をつついてみるも、ミカはピクリとも反応しなかった。

 

 

 

「………まぁ、この程度じゃこの人は死なないと思いますけど……さっきお腹殴った後にも起き上がってたし」

 

 

「派手に正解だ。ワタシ達はそんな簡単には死なない……そして、ミカは最強の自動人形だ数秒もすれば派手に起き上がる」

 

 

「ッ!?」

 

 

 

不意に後ろから声をかけられ、小猫は後ろを振り向いた。そこには先ほど待遇したミカの仲間であるレイアが気絶している一番嫌いなバカ……久沢を掴んでいるのを視認し、嫌そうな顔をしながらため息をつく。

 

自分こそが最強の現赤龍帝と豪語するも、実力はそこらの雑魚に毛が生えたぐらいで勝てるのは口喧嘩程度………そんなバカがやられても可笑しくないと小猫もわかってはいた。だが、それと同様に自分の王であるリアスはこのバカを特別扱いしている事と喧嘩をしかけて来るので何時うつ病になっても可笑しくない。

 

時々夢の中で龍の姿で現れる赤龍帝ドライグと色々不満や愚痴をこぼしあっているが、お互いに利害が一致するや否やまるで本当の先輩後輩か兄妹の様な関係になっている。

 

まるで害虫を見る様な目を久沢に向けながら、小猫はジト目でレイアに話しかける。

 

 

 

「………それで、何かご用ですか?この人を迎えに来た。と考えても?」

 

 

「半分正解だが……残りの半分は派手にお前に用がある。だからコイツを地味に連れて来た」

 

 

 

レイアはそう言うと、今まで掴んでいた久沢を小猫の目の前で放り投げる。

 

 

 

「……あの、何故にこの人を?…………戦場でバカやってる人が私に何のメリットがあるんですか?」

 

 

「なんだ、仲間と思ってないのか?」

 

 

「……当然です。いつもいつも誰かへ喧嘩を売らないと気が済まない単細胞みたいな生き物ですよ?この人は……」

 

 

「派手に嫌われているみたいですね?貴方の宿主は…………」

 

 

『そうだな。すまん、俺がアイツに運んでくれる様に頼んだんだ』

 

 

「ドライグさん」

 

 

『その様子だと大丈夫みたいだな、小猫』

 

 

「……はい、苦戦しましたが何とか勝てました」

 

 

『そうか』

 

 

 

そんな会話をしていると、先ほどまで地面にめり込んでいたミカが目を回しながらフラフラと起き上がる。レイアは起こす暇が省けたと思いながらミカに近づく。

 

 

 

「ムキュウ~………あっ、レイア」

 

 

「地味に迎えに来たぞ、ミカ。銀時とガリィ、ファラはもうシャトーへ帰還した……私達もすぐに撤退するぞ。仕事は終わりだ」

 

 

「ソッカ……なら、ちょっと待っててくれないかゾ?アイツに言う事あるから……」

 

 

「わかった……なるべく派手に早くな?」

 

 

 

レイアがそう了承すると、ミカはトテトテと小猫の元へ歩み寄る。

 

 

 

「なぁ、コネコ」

 

 

「……あ、もう起き上がってたんですね?」

 

 

「うん、お前スゴいな……アタシと互角にヤリ合って勝つ奴なんて初めてだゾ!なぁなぁ、もし良かったらまた遊んでくれないカ?」

 

 

「……そうですね………あまり用事が無い時なら良いですよ?部長の気まぐれやこのバカが絡んでこなかったらの話ですが…………」

 

 

「良いノカ!?ヤッタァ~♪またコネコと遊べる~♪で・も、次に勝つのはアタシだゾ!!」

 

 

「…………そうはいきません、連勝はいただきますよ?」

 

 

 

また戦える、また遊べると跳ねながら子供の様に大喜びをするミカに対して……小猫は少しだけ笑みを浮かべた。

 

今の今まで戦った敵同士なのにこうしてお互いの力をぶつける好敵手となっているのだから……小猫はこれが世間で言う『戦友』なのだと改めて理解した。

 

するとそこへレイアが二人に歩み寄る。

 

 

 

「用事は派手に済んだか?ミカ」

 

 

「うん、そんじゃコネコ!マタナ!!」

 

 

「……はい、また」

 

 

「赤龍帝ドライグ…機会があればまた……」

 

 

『あぁ』

 

 

 

二人に別れを告げた後、レイアは転移結晶を地面に投げ捨て……ミカと共にその場から消えた。

 

そして、小猫はいまだに気を失っている久沢を引きずりながら戦場を後にしたのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

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キャスト

 

 

坂田 銀時:杉田智和

 

 

 

塔城 小猫:竹達彩奈

 

 

赤龍帝:立木文彦

 

 

 

レイア・ダラーヒム:石上静香

ミカ・ジャウカーン:井澤詩織

 

 

 

 


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