天パー侍と絶刀の少女   作:悪維持

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今回は木場とファラの剣士対決です!

それでは本編スタート!!


第拾話 終末の四騎士・翠緑の剣

ファラside

 

 

 

 

目が覚めると……そこには、一人の男性と二人の姉弟が居た………

 

 

 

 

この人が私を造った親……マスターでその二人がマスターの子供なのかしら?

 

 

 

 

三人は人間……私は動く人形…………ならば人形らしくマスターの命令に従うのが本望…………そう思ってきた…………

 

 

 

 

マスターは私に名を与え、二人のお守りを任せられた。

 

 

 

 

私はキャロル様、エルフナイン様と常に一緒に行動を共にし……そして一緒に遊んだりもした。

 

 

 

 

その時に、人形である私に……楽しいという感情が芽生えたのかもしれない………

 

 

 

 

人形に感情など必要ない……でも、消してしまったら……私はどうなってしまうの………?そう悩んでいた。

 

 

 

 

私はマスターにこの事を相談した……感情を持った人形は壊れれば良い……そう告げたら……

 

 

 

 

 

 

マスターに頬をぶたれた。

 

 

 

そして怒りながら、泣きながら抱いてくれた。

 

 

 

 

『二度とそんな事を言ってはダメだ!!君は私とキャロル、エルフナインの大事な家族なんだ……!!だから……もう、そんな事を言わないでくれ……頼む………!』

 

 

 

 

そしたら……何かが頬につたるのを感じた………そして、次々と目から溢れでて…………そして、何かが沸き上がってくるのを感じた…………これが悲しいという感情だとすぐにわかり……気がつけば私はマスターを抱きしめて泣きながら謝っていた。

 

 

 

 

 

 

『ゴメンなさい……ゴメンなさい…………!』

 

 

 

 

 

 

何度も何度もマスターに泣きながら謝り続けた。涙が枯れるまで何度でも…………

 

 

 

 

 

 

そして、マスターがご病気で亡くなられた後……私はキャロル様を新たなマスターとして仕える事になった。

 

 

 

 

マスターはレイア、ガリィ、ミカの三人をエルフナイン様と一緒に完成させ、私に彼女達の世話係を任された。

 

 

最初はギクシャクした関係だったけど、三人の性格を深く知り……そして今では四人でマスターに仕える【終末の四騎士】を結成し、エルフナイン様と共に初代マスターの理想を叶えるため……そして、マスター自身が目指す『三大勢力の和解、人間と人外が平和に共存する世界』を実現させるために私は剣を振るい、マスターを支え続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この、哲学の牙の名の元に…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

ーー ファラ VS 木場 ーー

 

 

 

 

木場は"魔剣創造"の能力で幾本もの魔剣を自身の場へ造りだした後、騎士の力を使ってファラの周りを縦横無尽に走り回りながら斬りつける。だが、ファラはフラメンコを彷彿させる振る舞いでかわしたり、自らの哲学兵装"剣殺し"で斬撃を捌いたりと木場の攻撃を受け続けた後、つば迫り合いへと持ち込んだ。

 

 

 

「さすがは魔剣創造の使い手……剣の腕といい、駒の力を十分使いこなしているとなると……騎士の名は伊達ではありませんわね?」

 

 

「そういう貴女もお強いですね……貴女の様な剣士とこんな形で戦う事になってしまったのは残念ですが………僕にも負けられない理由があるんです!」

 

 

「そうですか………では、私も【終末の四騎士】リーダーの誇りにかけて、全力で貴方を倒させてもらいます!」

 

 

 

ファラは剣殺しを袈裟がたへ凪ぎはらって木場の魔剣を弾いた後、剣殺しから緑の衝撃波を木場に目掛けて放つ。

 

木場は騎士の力で衝撃波を避けて一気に間合いへと入ろうとするも、ファラは先ほどリアスの魔力を打ち払った竜巻を向かってくる木場の目の前で発生させた。

 

 

 

「くっ!」

 

 

 

木場は一旦停止し、騎士の力で後退するが……ファラは突きの構えで飛び込むと、竜巻を貫通し一気に木場へ突き刺そうとする。

 

だが木場は紙一重でそれを避けた後、先ほど魔剣創造の能力で幾本も地面に出現させた魔剣の一本を引き抜いて二刀流にしファラへと剣先を向ける。

 

 

 

「では、こちらも………」

 

 

 

ファラは剣殺しを何処からか取りだして二刀流で木場へと斬りかかる。二本の魔剣と二本の剣殺しが互いにぶつかり合い、激しい剣技は幾度となく続いた。

 

ファラは一旦距離を離し、二本の剣殺しで先ほどより強力な竜巻を発生させる。

 

しかし木場は、先ほど抜いた魔剣を竜巻へ向けて斬りつけると竜巻は一瞬にして消え去った。

 

 

ファラは竜巻が消え去ったのを直視するが、何事にも動じずに木場へと声をかけた。

 

 

 

「私の風を消し去るなんて……もしかしてそのお持ちになられている魔剣のお力で?」

 

 

「ご明察、これは風凪剣(リプレッションカーム)と呼ばれる魔剣で風を鎮める事が出来ます。貴女の攻撃パターンはその剣による斬撃と風を操る力の2つ……だからこの魔剣が効率が良いと判断しました」

 

 

「相手の攻撃パターンを読み取り、相性が良い魔剣を使いこなす。やはり、貴方は興味深い………あの小娘の眷属にはもったいありませんわね?」

 

 

「お世辞としてもらっておきます、魔剣創造(ソード・バース)ッ!」

 

 

 

木場は二本の魔剣を地面へ突き刺すと、そこから幾本の魔剣の束がファラへと襲いかかる。

 

だが、ファラは微笑みながら二本の剣殺しを構える。

 

 

 

「ですが……その神器が剣である事には変わりはありません。そして、私には手ほどの傷すら負わせることは叶わない……」

 

 

 

ファラは二本の剣殺しから先ほどより強力な緑の衝撃波を放つ。すると、向かってきた幾本の魔剣は衝撃波に衝突すると同時に一瞬にして砕け散った。

 

 

 

「なっ!?」

 

 

「余所見はいけませんよ?」

 

 

 

木場は魔剣が砕け散った事に驚愕するもファラはその隙を見逃さず一気に距離を縮め、剣殺しを上段へと振り落とすと木場は即座に魔剣創造と風凪剣で防ぐ。

 

すると、剣殺しの刀身に赤い術式が浮かび上がると同時に魔剣創造と風凪剣にヒビが入りバラバラに砕け散った。

 

 

 

「ッ!?」

 

 

「Mark the End of!」

 

 

「グァァァァァァッ!!」

 

 

 

ファラは剣殺しから強烈な竜巻を発生させ、いまだに動揺している木場を上空へと吹き飛ばした。

 

竜巻が消滅すると木場は上空から地面へと墜落し、墜落した場所にはクレーターができていた。

 

 

 

「グッ!……ウウッ…………!!」

 

 

 

木場はいまだに気絶しておらず、苦しい顔をしながらも傷ついた身体で起き上がろうとする。そこへやって来たファラは剣殺しを倒れている木場の喉元へと突きつけた。

 

 

 

「まだ続けますか?」

 

 

「……いえ………僕の負けです……死ぬ覚悟はできてます……さっ、止めを…………」

 

 

「いえ、私には貴方を殺す理由はありませんわ。私は銀時様達と仕事で此処に来ただけで、勝負を仕掛けて来たのは貴方達です」

 

 

「だったら…「貴方には迷いがある」………ッ!?」

 

 

 

木場はファラから迷いがあると指摘され、目を丸くする。

 

 

 

「貴方の剣には、仕える主に対する不満……自分の剣と力を主の為に使って良いのか、それにふさわしいかの困惑………そして、御友人の為にも負けられないという信念…………それが感じられました。ですから、貴方は死んではいけない……貴方が居なくなればそれを悲しむ人も現れます」

 

 

「…………」

 

 

「とある人が言っておりました……自分の武士道(ルール)を掲げ、それを貫き通し……自分が思う生き方、仲間を護る意思を魂に刻みこめ……と、要は大切な物を護る為に己を磨き……そして強くなる事だと思います。貴方はまだ若い……そしてこれから強くなれます。だから……生き続けてください」

 

 

「……僕も……できるでしょうか?その人と……同じ事が…………」

 

 

「できる、できないは貴方次第です。そして自ら選んだ選択を後悔しない事……私が言えるのはそれくらいでしょうかね?」

 

 

 

ファラはにこやかに微笑むの視認した木場は、苦笑しながら遠退く意識の中で必死に口を開く。

 

 

 

「敵である……僕の心配を………してくれるなんて…可笑しな人だ…………もし、また機会があれば…………お手合わせ願えますか?………今度は敵同士では無く……一人の剣士として…………」

 

 

「えぇ、その時はお手柔らかに…………」

 

 

「あり……が…………と………………う」

 

 

 

その言葉を最後に木場は気を失った。ファラは倒れている木場を抱き抱えると、近くにあった木の根元へゆっくりと寝かせる。

 

 

 

『ファラ、聞こえますか?』

 

 

 

すると、エルフナインからの通信が入ると耳を傾けた。内容は銀時が勝利し、気を失った少女を連れてシャトーへと帰還した……との事だった。

 

 

 

「畏まりました……こちらも今、終わりましたのでこれより帰還いたしますわ」

 

 

『はい、こっちはガリィが今、帰還して……レイアが少し用事ができて遅れると聞きました。ミカはいまだに繋がらなくて……』

 

 

「その時はレイアに任せたらどうでしょうか?彼女ならミカと一緒に帰還すると思いますので」

 

 

『そうですね、ではまた後で……』

 

 

 

そう言って通信を切り、転移結晶を使ってシャトーへ帰還するも……最後に自分の相手である木場へ視線を向けながら、ファラはその場から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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キャスト

 

 

 

木場 祐斗:野島健児

 

 

 

エルフナイン・マールス・ディーンハイム:久野美咲

ファラ・スユーフ:田澤茉純

 

 

イザーク・マールス・ディーンハイム:遠藤孝一

 

 

 


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