天パー侍と絶刀の少女   作:悪維持

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今回から終末の四騎士とグレモリー眷属の戦いを4回へ分けてお贈りいたします!

それでは第一回、スタートです!!




第捌話 終末の四騎士・蒼き聖杯

ガリィside

 

 

 

 

私は造られた時から性根が腐っていると、マスターや皆に言われてきた……

 

 

 

 

だって、人の嫌な事を煽って逆上した反応を見るのは最高に面白い事じゃない?

 

 

 

 

だからわざとらしく可愛娘ぶったり、きつく言ったりもするのよ。そうしないと……誰も構ってくれないじゃん。

 

 

 

 

 

私の態度に呆れる反応をしたり、任務を終えた後に言葉をくれるマスター。

 

 

 

 

 

マスターの弟なのにいっつもオドオドしてて……からかい甲斐のあるエルフナイン。

 

 

 

 

 

リーダーぶっててもしっかりしてるファラ。

 

 

 

 

 

派手とか地味に拘るレイア。

 

 

 

 

 

いっつも私にうっとおしく、子犬の様にじゃれついてくるミカ。

 

 

 

 

 

マスターの片思いの相手であるアザゼル。

 

 

 

 

 

時々遊びに来る半端堕天使の朱乃。

 

 

 

 

 

そして、異世界から来た天パー侍の銀時……

 

 

 

 

 

 

 

こんな私でも……皆は私を怒ったり、構ってくれた……うっとおしいと思うけど、ちょっとだけ嬉しいと思えた。

 

 

 

 

 

 

でも、私は性根が腐ったままでいさせてもらう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

けどね、これだけは言わせてもらうわよ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆、私に構ってくれてありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

ーー ガリィ VS リアス & 朱乃 ーー

 

 

 

ガリィは凍らせた地面を滑りながら自らの相手……リアスと朱乃に対して憎たらしい笑みで見つめる。

 

一方のリアスは滅びの魔力を、朱乃は雷撃をそれぞれ放つもガリィはそれを鮮やかに……そして嘲笑うかの様にかわしながら、相手(特にリアス)の苛つく反応を楽しんでいた。

 

 

 

「ほらほらあっ!私に悪魔の恐ろしさを味あわせるんじゃなかったのかしらぁ!?いい加減に一発くらい当ててくんないといたぶりがいが無いのよねぇ?」

 

 

「この……調子に乗るな!!」

 

 

 

リアスはガリィの簡易な挑発に憤慨し、滅びの波動を放つ……だが、ガリィは蒼い障壁を張って波動を無効化させた。

 

またか……リアスは自分の攻撃を防がれた事に静かに舌打ちし、前より強力な滅びの波動を放つが……ガリィはニヤリと嘲笑し、再び地面を優雅に滑べりながら避ける。

 

リアスはガリィの態度に腹を立てて募る苛立ちが収まらずに波動を公園全体に放ち始めると、朱乃が雷撃を止めてリアスに声をかける。

 

 

 

「リアス!これ以上辺りに魔力を撃ち続ければ他の皆に……」

 

 

「私に意見しないで!朱乃、貴女は私の眷属の女王(クイーン)なのよ!?王である私の命令は絶対……貴女には意見する権利は無いわ!貴女はただ私の指示だけを聞いていれば良いのよ!!」

 

 

「で、ですがもし祐斗君達に当たったら元も子もありませんわ!」

 

 

「裕斗は騎士よ?自慢の俊足でかわせば問題無いし、小猫は戦車(ルーク)だからこの程度で死なないわ、そしてカイトは現赤龍帝よ?私の眷属ならそんな簡単に殺られない事ぐらいわかるはずよ!?そんな暇があったら、早くあの娘への攻撃をなさい!!私の命令は絶対、良いわね?」

 

 

 

リアスの自分勝手な判断に言葉が出ない朱乃……仲間なら避けて当然、まるで道具の様な……奴隷の様な言い方にガリィは内心リアスに腹を立てた。

 

 

ガリィ達自動人形は、(マスター)であるキャロルの手によって生み出された生きる人形……用が無くなれば廃棄される事もある程度考えていた。しかし、主は……キャロルだけは自分達をエルフナイン同様家族として接してくれた。生意気な態度をとっても怒ってくれるし、仕事を終えれば『ご苦労』と一言を言ってくれた……まさに自分達が仕えるにふさわしい主だ。そんなキャロルの願いを叶える事も自分達の存在意義に等しい。

 

だから仲間を……自分の部下である眷属達を道具の様な言動を取ったリアスに不快感を抱いたのだ。

 

ガリィは地面への滑走を止め、リアス達の元まで歩み寄る。

 

 

 

「聞き捨てならないわね……さっきの言葉?」

 

 

「あら?もう逃げるのを…「黙りな!」…!?」

 

 

「私を狙って撃ったんならまだ良いよ?だけどさぁ……そこの巫女娘の言った通り、そんなにバンバンバンバンバン辺りに魔力を撃ちまくったら、戦ってる仲間に当たんのは当然だと私は思うわね?……もし本当に仲間に当たったとしたら、てめぇは責任取れるのかよ?グレモリー家の次期当主!!」

 

 

「貴女の戯れ言なんて知らないわね?あの子達は栄光ある私の眷属よ?私の為に死ねるなら本望だと思うけど?」

 

 

「あんた……本気で言ってんの?」

 

 

「だったら……どうしたのよ!!」

 

 

 

リアスの言動にガリィは青筋をたてて睨むも、リアスは好機と察し無防備なガリィに魔力を放つとその場で爆発が起きて粉塵が舞い散る。

 

 

リアスは笑いながら、命中した場所に向かって喜びの歓声をあげた。

 

 

 

「どう?これが私の力よ!私を小物扱いさえしなければ、こんな報いを受けずに済んだモ……」

 

 

 

勝った……そう感じた次の瞬間、ガリィは無傷で勢いよく滑走しリアスの頬目掛けて強烈なパンチを放った。

 

 

 

「ブゲッ!?」

 

 

 

リアスは奇声を漏らしながら、後方の木々に激突し、うつ伏せで倒れた。

 

ガリィはポケットからハンカチを取り出すと、リアスを殴った手を拭いた後に憎たらしい笑みを浮かべながらリアスの元へ向かい、彼女の目の前でしゃがむ。

 

 

 

「どぉ?倒した!殺した!ざまぁみろ!……と思った希望をここでバッサリと踏みにじるのがと~っても面白いのよねぇ♪」

 

 

「こ、このぉ……っ!あ、朱乃!何をボケッとしているの!?早く私を助けなさい!!王の命令よ!!」

 

 

「…………」

 

 

「朱乃!聞こえないの!?早くコイツを殺しなさい!!!」

 

 

「わかりました……」

 

 

「あ"?」

 

 

 

朱乃は悪魔の翼を広げ、上空へと飛び立つと雷雲を集め始めた。ガリィが上空に視線を向けた後、リアスは這いつくばって逃げようとするもガリィはそれを見逃さずに彼女の背中を踏みつけた。

 

 

 

「ガッ!?そ、その足を退けなさい!!私を巻き添えにする気!?」

 

 

「あぁ、そうだよ……仲間の落雷を食らえるなんて滅多に無い体験でしょ?だったら仲良く食らった方が平等だと思うけどね?」

 

 

 

ガリィは悶えるリアスにそう言いながら、足に力を入れ続け……逃げられない様にする。

 

朱乃の雷の魔力は、自分が放つ滅びの魔力と同等……もし、まともに食らえば黒焦げになるのは必須……リアスは戦慄し、上空で雷を放とうとする朱乃へ必死に呼び掛けた。

 

 

 

「ま、待って朱乃!?私はまだ……」

 

 

「落ちよ……落雷!!」

 

 

「アアアアァァァァァッ!!!」

 

 

 

リアスの必死の叫びも虚しく、朱乃は魔力で呼び寄せた雷雲から落雷をガリィに目掛けて放った。

 

落雷はまるで導かれる様に、ガリィへと命中する。かたや踏みつけられているリアスもそれ同様に落雷のダメージを受けながら苦痛の叫びを公園内へと響き渡らせる。

 

 

 

そして、落雷が落ちた場所には……黒焦げになっているガリィとリアスが転がっていた。

 

すると、リアスは必死に立ち上がろうとするもダメージが大きく起き上がれずに呻いていた。

 

 

 

「ぐっ……うううっ!!!」

 

 

「あらあら、ご無事でしたか?」

 

 

「あ……朱……乃っ!!」

 

 

「あれま、まだ気を失ってないなんてね?どんだけ頑丈なんだか……」

 

 

「は……?な、何で!?どうして…………!」

 

 

 

リアスは意識が朦朧とするなかで、悪びれも無くやって来た朱乃と自分と同様に雷を食らっていたはずのガリィが無傷の状態で目の前に現れた。

 

リアスはいまだに目を疑いながら、倒れているもう一人のガリィへと視線を向ける。

 

すると、倒れていた方は徐々に揺らめいていくと水となって地面に染み込んでいった。

 

 

 

「一緒に殺られて同士討ちを狙おうと思ったけどぉ……ザ~ンネン♪あれは水に写った幻よ?あの時……あんたの魔力を食らった後に分身を作っておいたの☆……どう?仲間の雷にヤられたご感想は!?」

 

 

「あ、朱乃!まさか貴女……!」

 

 

「うふふ……何を言ってるんですか?あの時、私に攻撃を命令したのはリアス……貴女なんですよ?私に非難の目を向けても貴女の自業自得ですけど?」

 

 

「そぉんなに汚れちゃってぇ……すぐにガリィちゃんがキレイキレイにしてあげる☆」

 

 

 

ガリィは嘲笑いながら上空に魔法陣を形成させると、そこから巨大な水の玉を作り出して一気にリアスへと放水する。

 

 

 

「キャアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!??」

 

 

 

強力な水流に押し流されたリアスは、勢いよく近くの湖へと着水する。

 

そして、ガリィは追い討ちとばかりに魔法陣を目の前まで来させるとそこから猛烈な吹雪を噴射しリアスが着水した湖を凍らせる……すると、湖から彼女の左腕が出てくるも……数秒も経たずに氷塊へと姿を変えた。

 

 

 

「悪魔の氷漬け、一丁あがりっと……あぁ~!疲れたぁ~」

 

 

「うふふ……お疲れ様でした」

 

 

「はい、どうもって……朱乃、さっきのマジで焦ったんだけど……演技でも雷撃の威力は本気過ぎんでしょうが?」

 

 

「いえいえ、今まで溜め込んだモノをそのままお返ししたまでですわ♪おかげで気分爽快で楽になれました……ガリィ様もそう思えませんか?」

 

 

「てめぇのストレス解消なんざ知らねぇよ……『ガリィ、聞こえますか?』ん?」

 

 

 

ガリィは、突如入ってきたエルフナインからの通信に耳を傾ける。内容は銀時が勝利し、気を失った少女を連れてシャトーへ帰還した……との事だった。

 

 

 

「へぇ……意外にやるじゃん天パー侍」

 

 

「いかがなされましたか?」

 

 

「あぁ、こっちの話よ……そんじゃ、後の事は頼んだわよ?」

 

 

「えぇ、お任せを………」

 

 

 

ガリィは朱乃に事の後始末を任せると、転移結晶を使ってシャトーへと帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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キャスト

 

 

 

リアス・グレモリー:日笠陽子

姫島 朱乃:伊藤静

 

 

 

エルフナイン・マールス・ディーンハイム:久野美咲

ガリィ・トゥーマーン:村瀬迪与

 

 

 


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