あれから数日後俺達は敵の情報を集めていた。
わかったことは敵の正体である【
「静かだな。」
「敵の拠点ってのはそんなものだ。」
「アル!」
「ええ。彼らは世界を終わらすつもりです。」
「行くぞぉ!」
「「「応!」」」
「では、行きますか。」
「クハハハ、戦争だぁ!」
それから俺達は宮殿の中に入った。っ何だ?何かが聞こえてくる。チャキチャキと金属が擦れる音が、
「っ!上だ!」
「おらよォ!」
襲撃があった。襲撃者は大きな鉤爪の様なものを着けていた。
「避けてくれてありがとなァ!さァ!英雄候補ども、俺を討ち果たしてみろやァ!」
「はぁ。紅き翼、お前らは先に行け!こいつは僕たちが引き受けよう。」
「クハハハ、楽しくなってきた!バーストリンク!」
「ああ。頼んだ!」
ナギ達は奥へ向かった。
「おいおい!お前らだけで俺を討ち果たせるのかァ?」
「当然だ。」
「おい!サンソン。まだ戦の作法してねぇのに始めようとするな。」
「作法?」
「名乗りだ!俺はバーサーカーのクラスで召喚されたサーヴァント。ヴィレム・ハーケンベルグだ!」
「わかったよ。僕はシャルル=アンリ・サンソン。帝国の処刑人とか言われている。」
「カカ、お前ら面白いじゃねぇかァ!良いぜェ。名乗ってやらァ!俺はバーサーカーのクラスで召喚されたサーヴァント。強欲竜団の長であるファブニル・ダインスレイフだァ!」
「バーサーカーが二人か。どちらもヒヤッハー系か。」
狂戦士いや加速世界の吸血鬼と帝国の処刑人(今は)は邪龍と向かい合い、戦闘を始めた。
「俺から行かせて貰うぜ!
ヴィレムは赤い杭を体から生やした。それを見た邪龍は、
「おっ!お前、それどうなってんだァ?」
「自分で確かめてみろぉ!」
ヴィレムは杭を射出した。邪龍はその鉤爪で打ち払った。
「そんなもんかァ?」
「クハハハ、良いぜ!見せてやんよ!」
「ちょっ!お前いきなりするのか!」
ヴィレムは詠唱を始めた。
「かつて何処かで そしてこれほど幸福だったことがあるだろうか」
「あなたは素晴らしい 掛け値なしに素晴らしい しかしそれは誰も知らず また誰も気付かない」
「幼い私は まだあなたを知らなかった」
「いったい私は誰なのだろう いったいどうして 私はあなたの許に来たのだろう」
「もし私が騎士にあるまじき者ならば、このまま死んでしまいたい」
「何よりも幸福なこの瞬間――私は死しても 決して忘れはしないだろうから」
「ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ」
「死骸を晒せ」
ヴィレムの詠唱により周囲の空間が変化し始めた。
「何かが訪れ 何かが起こった 私はあなたに問いを投げたい」
「本当にこれでよいのか 私は何か過ちを犯していないか」
「恋人よ 私はあなただけを見 あなただけを感じよう」
「私の愛で朽ちるあなたを 私だけが知っているから」
「ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ」
さぁ!見ろよ!邪龍!これが新生の時だ!
「
「これは。」
邪龍は周りの変化を見て、口を三日月型に歪ませた。
「カハハハ!良いぜェ。良いなァ!俺も上げるぜェ!創星せよ、天に描いた星辰を!我等は煌めく流れ星!」
邪龍の
周りの物質がまるで竜の牙や爪のように姿を変え、ヴィレムを襲った。ヴィレムは杭を射出して防ぎ、同じく邪龍は杭による攻撃を牙や爪で防ぐ。こうして均衡を保ちながら戦っていた。だが、奥から声が響き渡った!
『人間を舐めんじゃねぇ!』
ナギの声が聞こえた。向こうはラスボスを倒したみたいだ。
「おうおう。やられちまったのか?」
「お前も降参するか?」
「するわけねぇだろ?アイツらの戦いと俺らの戦いは何の関係も無いだろうが。」
「そうだな。だが、もう終わらすべきだな。」
「それについては俺も同感だな。殺してやるぜェ!」
「クハハハ、それはどうかな。(じゃ、サンソン頼むわ。)」
「(了解。)」
今まで身を隠していたサンソンが邪龍の後ろをとった。ファブニル・ダインスレイフは邪龍と自称しても人であることは間違いない。そして戦場を掻き乱し、一般人をも虐殺したことから悪であることも間違いないなかった。故に確実に決まった。
「刑を執行する。『
ザシュ
彼の首が切断された。
「あ!」
二人はそれを一瞥しナギ達のもとへ向かった。
その後彼らはラスボスの残した魔法無効化現象も無事止め、世界に英雄として名を残すことになった。だが、彼らは大事なことを見逃したのだ。
邪龍の死体の心臓部分が光始めていたことを、彼の周りが戦闘の影響で彼の
「ふむ。記録から推定するとやはり彼らは英雄として相応しくない。」
「なら、どうするよ?」
「再び造るしかあるまいて。素材の調達は頼むよ。
「わかってるよォ!