不死者と英霊達のネギま録   作:羽撃鬼

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何時もより少し長いです。


第12話 闇の不死鳥VS紅き翼

「ヴィレム・ハーケンベルグ? バーサーカー、君は何者だい?」

 

 

僕の前に現れたのは逸話も何も聞いたことのない存在だった。

 

 

「俺か?俺は転生者だ。俺を転生させた神曰くお前の友もそうだと聞いているが?」

 

「そうだと聞いているけど。神がそんなことするとはね。」

 

「俺を転生させた神はもと人間だがな。まぁいい。これからよろしくな、マスター!」

 

「ああ、僕の名はシャルル・アンリ・サンソンだ。サンソンと呼んでくれ。」

 

「わかったぜ、サンソン。バーサーカー、ヴィレム・ハーケンベルグ。お前の剣となろう。」

 

 

こうして僕たちは正式に契約を結んだ。

 

 

「因みに今戦争中だ。」

 

「マジか!暴れがいが有りそうだな!で?強いやつはいんのか?」

 

「これから戦いにいく所で紅き翼とぶつかることになる。こいつらはチートな存在だと言われている。」

 

「紅き翼?って、ネギまかよぉ!」

 

「ねぎま?焼き鳥がどうしたのかい?」

 

「いや、そっちじゃねぇ。」

 

 

 

帝国領土内対象の村付近

 

 

「全員、配置についたな?」

 

「はっ!民間人の避難、完了しました!」

 

「敵軍視認!」

 

「数は?」

 

「数は6!先鋒に赤毛の魔法使い!紅き翼です!」

 

「そうか。全隊待機!バーサーカー!」

 

「おうよ!バースト・リンク!」

 

 

ヴィレムの体が変化した。彼のデュエル・アバターである【ブルート・カズィクルベイ】に

 

 

「君の力見せてみろ!」

 

「クハァ!行くぜー!」

 

 

紅き翼

 

 

「ナギ!こちらに向かってくる者がいます!」

 

「へっ!面白い!」

 

「ナギ避けろ!」

 

「えっ?のわ!」

 

 

バーサーカー

 

 

あいつら呑気にしゃべってるな。まずは一発!

 

 

形成(イエッツラー)・・・闇の賜物(クリフォト・バチカル)。おらよ!」

 

 

俺は即座に闇の賜物を形成し、赤毛に向けて射出した。避けられた。

 

 

「おい!危ねぇじゃねぇか!」

 

「戦場でしゃべってんじゃねぇ!」

 

「お前、俺たちが誰だと知ってんのかぁ?」

 

「ああ、勿論。民間人の村を虐殺しに来たカス共だろぉ?」

 

「民間人?」

 

「カハハ!残念だったな!避難は終了してんだ!まぁ代わりにテメェらを虐殺してやるから歓喜しなぁ!」

 

「何を言っている!私たちは民間人を虐殺したことなど一度もない!」

 

 

眼鏡の野郎がふざけたことを言っている。もしかしてこいつら知らずに殺ってたのか?クハハハ、笑えるな。なら、教えてやるのも一興だな。

 

 

「くっ、クハハハ!」

 

「何を笑っている!」

 

「何、可笑しくてな。大魔法で民間人の村を殲滅している奴等が!自分達は!虐殺なんて!していないだと抜かしているのがなぁ?もう何十の村々を虐殺しておいてふざけるなよ!」

 

「我々は軍の施設以外は破壊していない!」

 

「施設?クハハハ!そう言われて虐殺してたんだろう?民間人を!毎回毎回楽しそうに雑談しながらなぁ!」

 

 

会話しながら杭を飛ばした!

 

 

「な?!グフ!」

 

「え、詠春!」

 

「ほら一匹。あと五匹かぁ。いや死んでないんだから六匹のままかぁ?クハハハ!」

 

「アル!詠春を治療を!」

 

「わかってますけどこれは撤退して治す必要が有るほど重症です。私だけでは難しいです。」

 

「くそ!お師匠、アル。詠春を頼んだ!」

 

「「わかりました(わかったぞ)!」」

 

 

二人と重症者が撤退していった。

 

 

「で?来んのか?来ねぇのか?」

 

「「詠春の仇討ちだぁ!」」

 

「いやまだ、死んでねぇよ!」

 

 

赤毛と筋肉が向かってきた!盾を持った奴は二人の台詞につっこんでいた。あの盾持ったやつ転生者か?

赤毛と筋肉の攻撃を捌きつつ、

 

 

「テメェ来ねぇのか?」

 

「俺達を前に余所見してんじゃねぇ!」

 

「その通りだ。くそ!喰らえラカンてきとうに右パンチ!」

 

 

ドゴン

 

 

バーサーカーは地面に叩きつけられた。砂煙が舞う。砂煙から、

 

 

「クハハハ、面白ぇ、面白ぇなおい!」

 

「なっ?!ラカンのパンチを喰らって無傷だと!」

 

「俺様のパンチが効いてないだと!」

 

「はっ!ナギ、上だ!」

 

「えっ?おわぁぁ!」

 

 

彼の死界から現れた者の攻撃を杖で防いだ。その現れた者の容姿をイアンは知っていた。

 

 

「なっ!お前はシャルル・アンリ・サンソン!」

 

「知っているのか!イアン!」

 

「かのマリー・アントワネットを処刑した。フランスの処刑人だ!」

 

「「マリー・・・誰だそれ?」」

 

 

サンソンはこちらを見て、

 

 

「バーサーカー、手助けはいらなかったかい?」

 

「戦いを楽しんでただけだ、マスター。」

 

「そうなのかい?バーサーカー、宝具の真の力を使うことを許可しよう。」

 

「クハハハ、わかってるなマスター。良いぜ、行くぜぇ!」

 

 

バーサーカーが詠唱し出した。紅き翼の者共は雰囲気に飲まれ動けない。

 

 

「かつて何処かで そしてこれほど幸福だったことがあるだろうか」

 

「あなたは素晴らしい 掛け値なしに素晴らしい しかしそれは誰も知らず また誰も気付かない」

 

「幼い私は まだあなたを知らなかった」

 

「いったい私は誰なのだろう いったいどうして 私はあなたの許に来たのだろう」

 

「もし私が騎士にあるまじき者ならば、このまま死んでしまいたい」

 

「何よりも幸福なこの瞬間――私は死しても 決して忘れはしないだろうから」

 

「ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ」

 

「死骸を晒せ」

 

 

彼の詠唱が紡がれる度に回りの空間が書き変わっていく。これは彼の創る世界。彼の渇望が創る新たな世界なのだ。

 

 

「何かが訪れ 何かが起こった 私はあなたに問いを投げたい」

 

「本当にこれでよいのか 私は何か過ちを犯していないか」

 

「恋人よ 私はあなただけを見 あなただけを感じよう」

 

「私の愛で朽ちるあなたを 私だけが知っているから」

 

「ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ」

 

 

動けない世界で唯一動き出す者がいた。転生者であるイアンだ。彼は詠唱を聞きこの後バーサーカーが起こそうとしていることが分かったのだ。だが遅かった。なぜなら詠唱は完成してしまったのだから!

 

 

創造(ブリア)ーーー死森の薔薇騎士(ローゼンカヴァリエ・シュバルツバルド)

 

 

世界が完成した。赤き空、赤き月そして赤き杭が無造作に周りから生えている世界に変わったのだ!

 

 

「クハハハ!最高だ!力が溢れてくるぜ!カハハハ!」

 

「これがバーサーカーの宝具か!」

 

 

マスターであるサンソンはこの世界が及ぼす影響をいい意味でしか受けていない。周りから搾取している魔力も彼に流れ込んでいるのだ。

 

 

「何だこれ?力が、抜けていく?」

 

「遅かったか!」

 

「魔力が抜けていく!地上に降りなきゃすぐに魔力が尽きるぞ!」

 

「でもよぉ、あんな杭だらけのところに降りんのか?」

 

 

彼らは今杭に囲まれている上は無いが左右そして下も杭がある。上に逃げようとすれば浮遊にかける魔力を使いいずれ底をつくのも解りきったことだ。このままではじり貧だと思い始めたところ、

 

 

「クハハハ!次の手は打たせねぇよ!喰らえ!」

 

 

彼らの上以外の場所から彼らに向かって杭が射出された。

 

 

「やべぇ!イアン頼む!」

 

「解ったけどそんなに持たねぇからな!」

 

「少しでもいい。対策を考える時間をくれ!」

 

「其は全ての疵、全ての怨恨を癒す我らが故郷―― 顕現せよ、『いまは遙か理想の城(ロード・キャメロット)』!」

 

 

白亜の城が顕現した。空中に展開するだけあって、地上で使うよりも魔力がヤバイほど使った。第一陣と呼べる攻撃を防ぎきったとこで彼の魔力は底をついた。白亜の城は消え、彼は落下しそうな所を赤毛が掴んだ。

 

 

「ラカン!」

 

「おうよ!ラカンインパクトォォォ!」

 

 

筋肉は地上に向かって右パンチという名の砲撃を放った。それは地上にあった杭を残らず破壊した。だが、それは地上にあったものだけだ。

彼らが着地した瞬間、周りから杭が射出され、彼らを串刺しにした。急所は運良く中ってないが。いや、運良くではない。バーサーカーがわざと外したのだ。

 

 

「バーサーカー?何故止めを指さなかったんだい?」

 

「こいつらこの世界で英雄になるからな。ここで死んでは物語が始まらないだろ?」

 

 

この会話は赤毛と筋肉には聞こえてなかった。彼らは杭が自らの防御を難なく突破し、自らの体を貫いた痛みで気を失ったからだ。だが、逆に気絶していたが杭が刺さったことで目覚めたものがいた。それが転生者であるイアンだ。

 

 

「グフ!お前ら、なんで。」

 

「そういやこいつ転生者かもしれなかったな?どうなんだ?」

 

「た、確かに、俺は、転生、者だ。」

 

「それで?紅き翼に入ったのは何故だ?やっぱり英雄になりたかったからか?」

 

「な、なんで、ナギ達と、いることが、英雄に、成るん、だ?」

 

「原作知識無しか?いや、転生時に剥奪されたか?まぁいい。お前は眠っとけ!」

 

「な?!グハ!」

 

 

転生者を意識を刈り取った。サンソンに向かって、

 

 

「こいつらを死なない所まで回復させてくれ!」

 

「こいつら敵だけど良いの?」

 

「こいつらが死ぬと戦争終わんねぇし、物語も始まらないしな。」

 

「ふーん、こいつらがキーポジションか。ウザいな!」

 

「クハハハ!そう言うな!いずれ最強とか呼ばれるコイツらを一方的に倒したと名を刻んだだけ儲け物だろう?」

 

「それもそうか。ハハハ。」

 

 

この出来事から数日後、紅き翼が敗北したことが世界中に広まった。連合の者達は紅き翼を倒した者を恐れ、帝国は自分達を追い詰めようとしていた紅き翼の敗北に歓喜した。




二週間後に後期試験が迫ってくる。はぁ。

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