今日はナギ、詠春、、アル、ゼクト、ラカンはいない。メガロのお偉いさんに呼ばれたからである。彼らと共に最近仲間になったガトウもいない。
俺は何故かガトウの弟子のタカミチくんと留守番中だ。
「なあ?」
「何でしょう?」
「暇じゃね?」
「そうですね。」
「・・・」
「・・・」
ヤベェマジ話すことねぇ!どうすれば!啓示(笑)!
『自己紹介から始めれば良くねぇ?』
そうだ。その通りだ!というわけで、
「改めて自己紹介しよう。」
「それもそうですね。」
「まず俺から名前はイアン・ジャゴーダ。旧世界出身、使うのは投影魔術。以上。」
「では、僕ですね。名前はタカミチ・T・高畑。出身は魔法世界です。故郷は言いたく有りません。改めて思いますがいうこと無いですね?」
「そうだな。」
止まった!help!
『質問したら?(こいつバカだなぁ)』
良し。なら、
「タカミチくん!ミドルネームのTって何?」
「・・・」
「・・・」
「言わないといけませんか?」
「無理に言わなくてもいいが、気になるのは確かだ。」
「実は故郷特有の名前なんですが。故郷を出て周りからみると恥ずかしい名前なんです。片親は旧世界出身なので姓名はそっちに決められたのですが、もう片親が故郷特有の恥ずかしい名前をつけてしまってミドルネームがそれに当たります。」
「そ、それは!」
「ただでさえ変な武術を身に付けさせられましたし、師匠に教えを乞うのはそれが原因です。」
「ガトウはそれを知っているのか?」
「師匠ですか?知りませんよ!言えるわけ無いですか!」
「その変な武術って強いのか?」
「知りたいんですか?!いいでしょう!用意してきます!ここで待ってください!」
それからタカミチくんは何かを買ってきた。それから戦いができる場所まで引っ張られてきた。タカミチくんの持つ袋から何かいい匂いがするのだが。
「構えてください!」
「ああ、投影開始。」
俺はよく使う人理の礎を投影した。そして構える。俺が構えたのを確認したタカミチくんは走りだし、持っていた袋からフランスパンを取りだし、両手に持つと、
「フランスパン!」
と叫びながら人理の礎に向かってフランスパンを叩き付けた!
パリーンという音をたてて人理の礎が砕けた?俺はすぐ新しい盾を投影するが彼が、
「フランスパン!」
という叫びと共にフランスパンを叩きつけると盾は無惨に破壊されてしまうのだ!
「ちょっ!お前!強くね?無音拳いらなくね?」
「こんな!フランスパンで戦うなんて!変な二つな付けられたらどうするんです!僕は嫌だー!食らえ!フランスパァン!」
『宝具使わないと防げないよ!今は。』
「其は全ての疵、全ての怨恨を癒す我らが故郷ーー顕現せよ、『
「こんなもの!」
白亜の城はこの物理法則を無視したフランスパンの攻撃を完全に防いだ。タカミチくんは呆然としている。
「このフランスパン闘殺法を防げるものがあるなんて!今までどんなに固いものも一撃で粉砕できたのに!」
「そうか。(マジあぶねぇー。なんだよ!何でフランスパンで真名解放してない宝具を砕けんだよ!)」
「すごいです!イアンさん!尊敬します!改めて自己紹介します!タカミチ・タカティン・高畑です!これからよろしくお願いします!」
懐かれた!つーかこいつ一人で戦争を終わらせるじゃねぇ?こいつがフランスパンを持つ=(例外を除き)相手は死ぬ。あ~、こいつもバグだったのか!いずれ紅き翼はバグの集いとか呼ばれるようになるんだろうな。
宿に戻り、少しするとナギ達が帰ってきた。
「おおー、大分懐かれたじゃねぇか!」
ナギの第一声がそれだ。ぶっちゃけウザかったので無視し、アルに何の話が有ったのか聞いた。話を要約すると、オスティアの姫とあった。戦争を終結に向けての協力要請。ナギ、姫に一目惚れ。ということだった。
「テメェの事情なんか聞いてない!」
「グハ」
悪は倒れた。床に倒れたナギを見てそう思った。
アルが近づいてき、
「タカミチくんと何か有りましたか?」
「お前のアーティファクトでタカミチくんを記録しろ。それで自ずとわかる。」
アルはタカミチくんのもとへ行き、ちょっとして戻ってきた。
「頑張りましたね。彼もバグだったんですね。」
「そうだな。」
「貴方も防御面ではバグです。ナギは魔力面でバグ、ラカンは存在がバグ。バグが増殖しないか心配ですね?」
「お前も相当バグだと思うがな?」
アルはえっ?と驚いていたがそうなのだから仕方ない。紅き翼はいずれバグの集いになるのだから(確信)。
タカミチ・タカティン・高畑
魔法世界出身。かの黄昏のザイツェフことチコタンと同じ故郷。片親が旧世界出身だったためマトモな姓名を持つがもう片親と故郷のものたちの総意でタカティンというミドルネームがつけられる。フランスパンでどんなものでも粉砕するフランスパン闘殺法の使い手。家族で旅行中に戦争に合い両親を失い、戦争孤児になりガトウに拾われる。旅行中にミドルネームが故郷外では恥ずかしい名前だと知りイニシャルで名乗るようになった。ガトウも彼のミドルネームがタカティンだとは知らない。知っているのはイアンと彼を記録したアルビレオだけである。無音拳を習い始めた理由はぶっちゃけかっこいいと思ったからである。才能はないと言われたが彼は頑張る。フランスパン闘殺法というふざけた武術を使わなくてもいいように!