恋のリート   作:グローイング

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※追記
 さすがに章タイトル詐欺な気がしてきたので急遽「大洗編」を加えました。


大洗の長い一日③ みほの笑顔

 一時は荒っぽい空気に占領されかけていた大洗の学園艦は、その日も無事に穏やかな夕暮れの海を進んでいる。

 街頭の光によって照らされ始めた道を、四人の少女と一人の少年が歩く。

 

「すっかり遅くなっちゃったね」

「濃厚な一日だったな」

「西住殿、機嫌を損ねてなければいいのですが」

「ああ、武佐士さん……」

「華はいつまでトリップしてんの?」

 

 今度ばかりは、さすがに寄り道することなく、一行はみほの寮をまっすぐ目指していた。

 少女たちの後ろを、武佐士はシュンと申し訳なさそうな顔を浮かべて歩いている。

 治療によって頬につけられたテープも相まって、やんちゃを働いたことを反省する幼児のようだった。

 

「申し訳ございません。僕のせいで皆様へ向けられる、みほ姉さんの信頼を損ねてしまったかもしれません」

「もう、気にしないの。過ぎたことなんだから」

 

 大真面目に気を落とす武佐士を、沙織は優しげに諭す。

 

「それよりも早くみぽりんに……お姉ちゃんに顔を見せてあげよ? そんな暗い顔じゃなくてさ」

 

 沈んでいる少年に向けて、沙織は持ち前の明るい笑顔を浮かべる。

 

「みぽりんだって、元気な弟くんに会いたいはずだよ?」

「武部さん」

 

 沙織の言葉に励まされて、武佐士はひかえめな笑顔を作った。

 

「そうですね。元気な顔を、姉さんに……」

 

 しかし、その表情はまた暗い面持ちに変化する。

 ぴたりと足を止めて、目線が地面へと向く。

 

「弟くん? どうしたの?」

 

 様子のおかしい武佐士を気にして、少女たちも立ち止まる。

 暮色に変わりだした風景の中で、少年は何やら葛藤した表情でいる。

 気になった沙織が、今一度声をかけようとしたとき、

 

「本当に……」

「え?」

「本当に、僕はみほ姉さんに会っていいんでしょうか?」

 

 理解しがたいことを、武佐士は言った。

 

「……なに、言ってるの?」

 

 沙織を始め、他の少女たちも、要領を得なかった。

 なぜここに来て、姉と会うことを躊躇うのか。

 

 電灯のジジジという音が、しばし静寂の中で響く。

 

「……ずっと、なかったんです」

「え?」

 

 しばらくして、武佐士は呟いた。ひどく切なげに。

 

 

「みほ姉さんが、笑顔で戦車に乗るだなんて、ずっと、なかったことなんです」

 

 

 

 

 

 

 少女たちは、何も口にすることができなくなった。

 

「久しぶりに、見たんです。あんなに楽しそうに戦車に乗って、あんなに元気に試合をするみほ姉さんなんて」

 

 武佐士は寂しげに打ち明ける。

 

「大洗に転校してからのみほ姉さんは、ほんとうに幸せそうだった」

 

 少年がふとこぼした発言は、みほの事情を知らなければ、その重みを理解することができないだろう。

 そして、ここにいるみほの親友たちは、他の誰よりも、言葉の裏に含まれた闇の深さに、圧倒されることとなった。

 

 暗く染まりだした空を見上げて、武佐士は言う。

 

「……これまでのみほ姉さんは、ずっと辛そうでした。戦車道を続ければ続けるほど、明るくて活発だった姉さんから、笑顔がなくなっていきました。僕は、そんな姉さんのチカラに、ずっとなりたかったんです。また昔みたいに、笑ってほしかった」

 

 拳を握る音が、少女たちの耳に届く。

 

「やっている武道は違くとも、お互いに励まし合って、頑張り合うことができる。そう信じて僕は修行を続けてきました。みほ姉さんに頼られるような、強い男になりたかったんです」

 

 そのひたむきな思いが、いまの彼を作っている。それを少女たちは今日、身をもって理解した。

 

「そのために、たくさん強い人と戦ってきました。中には、なんとしても勝たなければならない相手もいました。いまいる友人たちも、最初の頃は倒すべきライバルでした。お互い譲れないものがあって、許せないものがあって、対立してきました。

 でも、戦いを通じてわかり合うことができたんです。共に苦難を乗り越える仲間になれたんです。

 だから、きっとみほ姉さんとも一緒に苦しみを乗り越えていけるはずだって、そう思えるようになったんです。二人なら、どんなことにも負けないはずだって」

 

 どんなに辛くとも、前を向いて進み続ければ、越えられない壁はない。

 友たちが、それを教えてくれた。

 

「……でも」

 

 武佐士は再び地面に顔を俯かせた。

 

「もっと早く、気付くべきでした。彼らとわかり合えたのは、()()()()()()()()()()()()()()だったということを」

 

 一滴の雫が、アスファルトに染みわたる。

 

「……僕じゃ、できなかった」

 

 心底悔しそうに、武佐士は声を絞り出した。

 

「違う“道”を進む僕じゃ、結局、みほ姉さんを笑顔にできなかった」

 

 少年はゆっくりと顔を上げる。

 

「みほ姉さんの笑顔を取り戻したのは、あなたたちでした」

 

 涙に濡れた顔を少女たちに向けて、武佐士は言う。

 感謝するように。一方で、羨むように。そんな複雑な表情だった。

 ごちゃ混ぜになった感情を、姉の親友に向けてしまう自分を恥じるように、武佐士は顔を逸らす。

 

「ごめんなさい。本当は、怖いんです。もしかしたら、このまま会わないほうが、みほ姉さんのためなんじゃないかって」

 

 消え入りそうな声で、武佐士は言う。

 

「僕と会ったら、実家のことを思い出してしまうだろうから。そうしたら嫌なことまで、思い出させてしまうかもしれない……それが、すごく怖いんです」

 

 試合中継に映し出されるみほの姿を見て、

 ライバルたちと握手を交わし絆を紡ぐみほの姿を見て、

 勝利の宴を満喫するみほの姿を見て、武佐士は思った。

 いまここにある、みほの幸せを、壊したくないと。

 仲間に囲まれて、明るい顔で笑うみほを思い出せば思い出すほど、武佐士は葛藤する。

 

「みほ姉さんは、もう報わている。あなたたちが救ってくれた。……そんな素晴らしい友人たちがいるのなら──家族のくせに何もできなかった()()()()がいなくても、みほ姉さんはじゅうぶん幸せなんじゃないかって……」

 

「そんな筈ないだろ!」

 

 鋭い怒号が、武佐士を一喝する。

 声を上げたのは麻子だった。

 友人たちですら聞いたことのない声量で、麻子は怒鳴った。

 戸惑う友人たちを押し退けて、麻子は武佐士の襟元に手を伸ばす。

 華奢な矮躯で、武佐士をぐっと引き寄せる。

 呆然とする武佐士に向けて、怒りの形相を向ける。

 

「家族がいなくても幸せだと? ふざけるな! 二度と言うな、そんなこと!」

「麻子……」

 

 本気で怒る幼なじみの後ろ姿に、沙織は胸が締め付けられた。

 両親を失った麻子の気持ちを思えば、止めることなどできなかった。

 

 怒りのあまりぷるぷると身体を震わせながら、麻子はまくし立てる。

 

「『()()()』だなんて、軽々言うな。お前は、西住さんのたった一人の弟だろ?」

「冷泉、さん」

「いいか? どれだけ友人に恵まれていてもな、どれだけ傍で支えてくれる友人がいてもな……」

 

 麻子は俯く。長い黒髪の隙間から、一滴の雫が落ちる。

 

「家族のいない寂しさだけは、埋められないんだ」

 

 武佐士は目を見開く。

 自分が何を口にしてしまったのか、その愚かさを悟って。

 

「あ、あっ、ぼ、僕、は……」

 

 麻子の言葉は、武佐士にとって何か一線を越えるものだったらしい。

 目に見えて狂乱に陥りかけている武佐士に、すかさず沙織は落ち着かせるように語りかける。

 

「そうだよ弟くん。そんなこと言っちゃダメ」

 

 その声は、とても深い慈しみに満ちていた。

 

「あなたのお姉さんは、そんなこと考える人じゃないでしょ?」

「武部、さん」

「みぽりん、弟くんが来るって知ったとき、本当に嬉しそうにしてたんだよ?」

 

 弟のことに思いを巡らすだけで、あんなにも感情豊かにしていたみほが、どうして弟と会いたくないと考えるだろうか。

 

「武部殿の言うとおりでありますよ、弟殿」

 

 優花里もまた、武佐士を諭す。

 

「確かに西住殿は、大洗に来たことで変わったかもしれません。わたしたち相手でなければ見せられない笑顔を、見せるようになったかもしれません。それは不肖、西住殿の友としてたいへん誇らしいことです。でもですね、それでも……」

 

 優花里は真剣な眼差しで語る。

 

「弟殿だからこそ、見せられる笑顔があるはずですよ?」

「僕だから、こそ?」

「はい。だって、弟殿と電話しているときの西住殿の笑顔は、いままで見たことないほどに幸せそうでしたから。それはきっと、弟殿にしかできないことですよ?」

 

 羨ましいです、と優花里は言う。

 

「そうですよ。武佐士さん」

 

 いつものように、凛とした穏やかさを取り戻した華は、そっと武佐士の手を包み込んだ。

 

「どうか、ご自分を軽んじられないでください」

 

 痛切な面持ちで華は言う。

 

「武佐士さん。わたくしたちは、今日初めてあなたにお会いしました。そんなわたくしたちでも、武佐士さんがとてもお優しい方だということがわかりました。あなたが素敵な殿方ということが、充分過ぎるほどに理解できました。それって、凄いことではないですか?」

「華、さん」

「たった数時間で、ですよ? そんな短い間で、わたくし、こんなにも……」

 

 その先を、華は口にしなかった。頬を赤く染めて、そのまま黙り込んでしまう。

 それでも、彼女の言わんとすることは理解できた。

 

 これだけ短い間だけでも、初対面の自分たちは通じ合うことができた。

 心と心のやり取りができた。

 それは少女たちの大らかさだけが理由ではない。

 武佐士本人の、人柄もあってのことだ。

 

 ならば、

 

「そんな弟くんと、みぽりんの絆が、簡単に切れるわけないじゃない」

 

 沙織が、そう結論づける。

 周りの少女たちも、力強く頷く。

 

 武佐士は眩しいものを見るように、濡れた瞳をそっと閉じ、深々と頭を下げた。

 

「みなさん……ありがとう、ございます。ほんとうに、ありがとうございます」

 

 謝罪よりも感謝を。

 不安に駆られていた少年の胸に、爽やかな風が吹き渡った。

 少女たちの言葉を、武佐士は信じた。

 ここまで真摯に向き合ってくれた彼女たちを、どうして疑えようか。

 

 自分たちはきっと笑顔で再会できる。そう信じて武佐士は静かに、安らぎに満ちたほほ笑みを浮かべた。

 そんな武佐士に、沙織は柔らかな声で言う。

 

「会いに行こ? お姉ちゃんに」

「……はい」

 

 武佐士の表情に、もう迷いは見られなかった。

 

 

 

 

「あれ? みんな、どうしたのこんなところで」

 

 馴染み深い声を聞いて、少女たちは振り返った。

 余所行きの私服に身を包んだみほが、きょとんと首を傾げて立っていた。

 

「みぽりん! 寮で待ってたんじゃなかったの?」

「うん。みんながあんまり遅いから、何かあったのかなって気になって……って、あれ? もしかして、むうちゃん?」

 

 親友たちの間にいる少年が、弟の武佐士であることにみほは気づく。

 

「みほ、姉さん……」

 

 不意打ち気味に再会をはたした武佐士は、呆然と姉の顔を見つめていた。

 

「みんな、一緒だったの?」

「あ、うん。途中で会う感じになってね。一緒に来たの」

「そうだったんだ。ありがとう。弟が迷惑かけなかったかな? ……あ! むうちゃん! やっぱりケガしてる!」

 

 武佐士の頬に治療の痕があるのを確認したみほは、目に見えてわかるほどに怒り出した。

 約束の時間を過ぎた理由を、一瞬で理解したらしい。

 

「もう~! また危ないことに関わったんでしょ! むうちゃん! 歓迎パーティーの前にまずお説教です! 反省しないと唐揚げとアップルパイ食べさせてあげません!」

「お、おう~。みぽりんがちゃんと『お姉ちゃん』してる」

「新鮮であります~」

 

 ()()()()と頬を膨らませて武佐士に説教をするみほの目新しい姿に、親友たちは感心げな顔を浮かべて驚く。

 しっかりと弟を叱ろうとするみほの姿は、まさに『姉』と呼べるものだった。

 きっと実家にいるときに見せるのであろう、みほのもうひとつの一面。

 初めて見る少女たちに対して、武佐士がよく見てきた、みほの姿。

 

「むうちゃん? もう、聞いてるの?」

 

 そう。

 武佐士にとっては、馴染み深いもの。

 みほは変わることなく、弟に姉としての顔を浮かべている。

 

「……姉さん」

 

 変わらない。

 何も、変わっていない。あの頃から何ひとつ。

 みほの態度は記憶にある彼女そのままだ。

 それが武佐士にとっては、なによりも……

 

 武佐士は荷物から手を離した。

 

「みほ姉さん!」

「え?」

 

 一陣の風が吹き抜けたかと思いきや……武佐士はみほを思いきり抱きしめていた。

 

「ふ、ふえぇぇぇぇ!?」

 

 先ほどのむくれ顔はいずこへか、みほは一瞬で顔を真っ赤にしてあわあわとしだす。

 

「むむむ、むうちゃん! だ、だめだよ! みんなが見てる前でこんなことぉ!」

 

 見てなければ良いのだろうか、とぼんやり思いながら、親友たちも武佐士の大胆な行動に瞠目していた。

 目をぐるぐるとさせながら弟を嗜めるみほだったが、武佐士は聞く耳持たず、姉にぎゅっとしがみつく。

 

「あうあう! もう~むうちゃんってばあ!」

「うっ、ぐすっ……」

「え? むう、ちゃん?」

 

 羞恥心で慌てていたみほだったが、武佐士の様子に気づくと、落ち着きを取り戻す。

 武佐士は泣いていた。

 まるで幼い子どものように。

 

「会いたかった……」

 

 堰を切ったように涙を流しながら、武佐士は言った。

 

「会いたかったよ、姉さん」

 

 そこには礼儀正しい少年の姿も、凄まじい気迫は放つ武人の姿もない。

 ただ、姉を慕う、歳相応の弟がいるだけだった。

 

「むう、ちゃん」

 

 弟の声色に含まれた切実な思いと、力強い抱擁から、みほは彼の激情を感じ取った。

 みほもまた、思わず瞳を潤ませた。しかし、浮かべた表情は穏やかなほほ笑みだった。

 泣きながら震える弟をあやすように、そっと抱きしめ返す。

 弟の大きくなった背をさすりながら、みほは優しく語りかける。

 

「そんなに、おねーちゃんに会いたかったの?」

「うん」

 

 小さな子どものように、武佐士は頷く。

 そんな武佐士を、みほはさぞ愛しげに抱き寄せる。

 

「もう。こんなに大きくなったのに、いつまでも甘えん坊さんだね」

「シスコンだけんしょうがなかよ」

「訛ってるよ?」

「どぎゃんでちゃよかバイ」

「しょうがないなあ」

 

 つい方言が口に出てしまうほどに感情を取り乱している弟に、みほは慈しみに満ちた顔を向ける。

 昔よくしてあげたように、武佐士の頭を撫でながら、耳元に囁く。

 

「おねーちゃんもね……ずっと会いたかったよ?」

 

 その日みほが浮かべた笑顔は、春の陽ざしのように、暖かく、優しいものだった。

 

 離れていた月日の分を埋めるように、再会を果たした姉弟は、互いの温もりを確かめ合うのだった。

 

 

 そんな二人を、沙織たちは安心しきった顔で見ていた。

 ほっと、沙織はひと息を吐いて、仲間に目配せをする。

 

「よかったね、二人が無事に会えて」

「はい。西住殿も、嬉しそうでなによりです」

「まったく。なんだかんだ言って姉に甘えまくってるじゃないか。人騒がせなやつめ」

「みほさん。あんな情熱的に武佐士さんに……羨ましいです」

 

 少女たちは口々に、再会を果たした姉弟に向けて感慨を述べた。

 

 それにしても、本当に仲の良い姉弟ということが傍目から見てわかる。

 自分たちがいるのも忘れて、二人だけの空間を作っているではないか。

 

「ねえ、しばらくそっとしてあげよっか?」

 

 沙織の提案に、一同は頷いた。

 もう少しだけ、再会した喜びを味わわせてあげよう。

 四人の少女たちは距離を空けて、今なお抱きしめ合う仲の良い姉弟を見守った。

 

 十秒経っても、みほと武佐士は離れず、抱擁を続ける。

 沙織は微笑ましげに、そんな二人を静観する。

 

 一分が経った。まだまだ、姉弟は抱きしめ合う。

 いっときも離れたくないとばかりに。

 

 そのまま、三分。

 十分……

 十五分……

 三十分と……

 

「いや、さすがに長いよ! いつまで抱き合ってんの!?」

 

 律儀に待ち続けている自分たちもアレだが。

 

「こっちのお菓子もおいしいですね~」

「さすがは熊本の銘菓だ。これはいいものだ」

「これがみほさんと武佐士さんの生まれ育った土地の味なんですね~」

「何いつのまに弟くんのお土産開けてんの!?」

 

 さすがに待ちくたびれたのか、知らぬ間に沙織以外の三人は武佐士から貰った土産の包みを開けて実食をしていた。

 

「もう! みんなはしたないでしょ! こんなところで食べたりして!」

「別にいいだろ。貰ったものなんだから」

「武部殿も食べないと五十鈴殿にぜんぶ取られちゃいますよ?」

「この太鼓の形をした餡子のお菓子、とても美味です~♪」

「それはわたしも食べたい!」

 

 四人がそんなやり取りをしていても、西住姉弟はまだ自分たちの世界に入り込んでいた。

 

「みほ姉さん」

「なぁに、むうちゃん?」

「呼んだだけ」

「もう、むうちゃんたら。よしよし」

「みほ姉さん、暖かい……」

「んっ……もう、本当にお姉ちゃんっ子なんだから」

 

 口で言いつつも、みほは幸せに満ちた顔で、愛弟を胸元に抱き寄せ、頭をナデナデしていた。

 着痩せするみほのB82の胸に抱かれ、武佐士は眠る赤ん坊のように安心しきった顔でいた。

 

「姉さん……」

「むうちゃん♪」

「あのう! お二人姉弟だよね!? なんかそれだけじゃ済まされない危ない空気を感じるんですけど~!?」

 

 沙織のそんなツッコミも耳に入らず、みほと武佐士は過剰とまで言えるスキンシップを取りながら、久方ぶりの姉弟の時間を満喫するのだった。 


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