更新が不定期にも程がある。
後悔、きっとそれは、誰にも経験があるのではないでしょうか。
どうしてあの時。
こうしていたら。
こうだったなら。
誰だって、言ったことがあるセリフだと思います。
私にだってあります。
後悔の最も嫌なところは、
読んで、字の如く、ことわざあっての如く。
後から来るところです。
何故、こんなことを突然言い出したか、と言いますと。
あの図書館の一件以降、"私は先輩にあっていない"
あれから、既に一ヶ月はたっている。
なぜ、こんなにも合っていないのか。
それは、
"私は彼のそばに居ていいのか"
頭に浮かんだこの言葉に、全ての行動を躊躇ってしまうのだった。
私は、多くの男の子に、"可愛い私"を見せ続けた。
その行動は、数多くの好意を受け、行為を受け、敵意を受けた。
しかし、今更やめれるわけもなかった。
結衣先輩は、凄くいい人だ。
初対面でも、あぁ、この人は優しいんだろう。
そう思わせる、オーラがあった。
気弱な所があるけど、最近は、自分の意見も言っているそう。
人に気を掛けれる優しさ、でも、自分を曲げない。
気づいたら、同性から見ても、彼女は素敵になっていた。
雪ノ下先輩は、容姿端麗、頭脳明晰、大和撫子。
そんな言葉の似合う、とても届かない存在。
しかも、先輩や結衣先輩との関わりで、とても明るい表情をするようになったそうだ。
そんな二人が、そんな凄い二人が、心の底から大切にしている存在はやはり。
「たく、何がぼっちなんですかあの人は……」
こんなはずじゃなかったんだけどな。
そう呟く声は、風にかき消される。
そうじゃないだろう、そう言い聞かされる気分だった。
確かに、違和感はあったんだ。
中学生の時、同性の友達が減ってきた時点で、気付きはじめた。
とてつもない、後悔をする予想はあった。
それでも、気づいたらそんな事も忘れていた。
いや、忘れたつもりだったのか…
「いろは?」
隣りから、学友の声がする。
どうやら、既に帰りのSHRすら終わっていたらしい。
「ごめん、何でもないの、ありがとう。」
「あ、ちょっといろは。」
悪いけど、今は頭がいっぱいだ、人に構っている暇がない。
私は知らぬ間に、こんなにも追い詰められていたんだ。
「早く帰りたい。」
口に出した願いは叶わない、なんて言葉を聞いたことがある。
こんな事も、神様は見事に拾ってくる。
「いろはちゃん、ちょっといいかな?」
この子は誰だったか、そんなことすら、思い出せない。
「ごめん、ちょっと今日は帰りたいんだけど、なにか急なこと?」
「ううん、別に絶対必要な事じゃないから、いいんだけどね。」
その言われ方をすると、何故か気になる。
「内容だけでも聞いとくよ。」
聞いてはいけない、本能がそう告げていた。
「その、ね?」
彼女はとても言いにくそう。
嫌な予感がする。
大抵の場合、この予想は。
「先輩について、教えてもらいたいんだけど。」
当たるもので。
「"葉山先輩"の事?」
これは疑問ではなかった、合ってるよね?そういう意味で聞いた。いや、そうであって欲しかった。
「"比企谷先輩"の事」
ほら、世界は私に厳しいのだ。
「なんで?」
「そ、その……」
照れる彼女を見て、完全に理解する。
「好き……なんだね。」
「…うん。」
「そっか、そうだよね。」
「?」
あんな先輩を好きになる、それは、珍しい気もするが、そうではない。
人として、かなりの価値がある。
その価値を知った人間の殆どは、彼に惹かれてしまうのだろう。
「いろはちゃんは葉山先輩が好きなんだよね?だったらさ」
息が詰まる、心が悲鳴をあげる。
「ちが……」
頭が回る、世界が回る。
吐き気がする、身体に何かが這いずり回るよう。
「…は…ゃ…!」
なにか叫んでるのは聞こえるが、耳には入らなかった。
そして、世界が暗転した。
ここはどこだろう、体が浮いているようだった。
夢か、そう判断するのは早かった。
「っ……」
突然目の前が光る。
その光が消えた時、目の前には、見慣れた背中が。
「先ぱ……」
先輩!そう叫ぼうとした声が、途中で出なくなる。
その背中の隣には、知らない女の子が寄り添っている。
心臓に、刺されたかのような痛みが走る
「やめ……やめて!お願いだから、もうやめて!」
そう叫んでも、悪夢は止まらない。
「やだ、そんなのやだ。」
「私の、私の居場所なの!そこから離れて……」
「私が居たいの!頑張るからさ!ねぇ!」
「まって!いかな」
ごんっ、と何かとぶつかる。
「痛った……」
どうやら、おでこを強く打ったようだった。
すぐさま頭は、情報の整理を始める。
独特の薬品の匂いからして、ここは保健室だろう。
ベッドに運ばれたらしい。
そして、勢いよく起き上がった為、当たったもの、恐らく人なのだろう。
横を振り向くと、額に手を当て、痛そうに蹲っている。
その頭には、見た事のあるアホ毛………………
え?
「せ、せせせせ、先輩!?」
「痛てぇな、一色。ゆっくり起き上がれよ…」
状況整理が追いつかない。
「どうしてここに。」
恐る恐る聞いてみる。
「平塚先生に、こき使われててな。それが終わってようやく帰れる、って思ってよ。帰り始めたんだが、廊下を歩いてる時、倒れているお前と、必死に呼びかけている女の子を見つけてな。かなり焦ったんだぞ?」
「そ、そうなんですか…すいません。」
「お、おう。」
「先輩」
「ん?」
「私のこと、いつまで待っててくれますか?」
これは殆ど、そういうことを言っているのと、変わりはない。
そんなセリフに、先輩は。
「さぁな、待つ以外にないしな。」
「そうですか。」
先輩は、こんな私でも待ってくれる。
それに応えよう。
周りの男の子に、なんと言われようと、ましてや、女の子になんて言われたって、やり切ってやる。
自分で描いた理想なんだ。
自分自身の手で、満たしてやる。
だって、好きなものを失うより、酷いことはないよね。
手遅れになる前に、急がなくちゃ!
鍵をかけていた心を開いた。
切れかけていた、ネジを新たに巻く。
遮るものは、全て千切り取る。
私は、自分の力で成長して、この人の隣に立つんだ。
「先輩、私頑張りますね。」
今回は 伊東歌詞太郎さんとかで有名な、
one step ahead
いや、いい曲ですよこれ。
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