俺ガイル×MAJOR   作:疎かなろあ

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25話

《 side hatiman 》

 

雪ノ下に見捨てれられた俺は、後日同じことを繰り返した。

 

雪ノ下は呆れたように溜め息をついたあと、俺の数学の先生になってくれることを了承した。

 

雪乃「ところで比企谷君。貴方の数学が壊滅的なのは知っていたけれど、彼は大丈夫なのかしら」

 

彼とは茂野のことであろう。奴は普段の練習からアホをかましているから、心配されるのも無理はない。

 

事実、アイツはアホだ。勉強だけでいえばあの由比ヶ浜より酷い。この前なんて3乗の公式すらわかってなかったし。

 

八幡「まあ大丈夫だろ。アイツは確かスポーツコースだから赤点だろうと進級は出来るだろうよ」

 

しかし雪ノ下の表情は暗い。·····嫌な予感がしてきた。

 

雪乃「·····比企谷君、私の母がそこまで優しいと思う?」

 

八幡「·····まさか」

 

嘘だろ。そ、そんなことあるわけないじゃないか!

 

雪乃「確かにスポーツコースの人の赤点のボーダーは他の人より低いわ。でもね、それでも赤点をとって留年、というシステム自体は働くのよ」

 

嘘だッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― ――― ―――

 

八幡「これより第一回野球部勉強会を開始します」

 

あのあと、案の定余裕をぶっかましてた茂野を拘束し、ついでに普通に進級が危ない由比ヶ浜も捕獲された。

 

ちなみに野球部の他の生徒は、この時期になって慌てるほど成績が悪くは無く、補習に引っかかることは無さそうだ。材木座は·····多分大丈夫だろ。アイツに確認するのは嫌だ。もし仮にアイツがそこそこの成績だった場合、俺の数学を馬鹿にするのは目に見えてる。だからアイツはスルーだ。大丈夫、きっと大丈夫。

そして由比ヶ浜捕獲後、俺たちは場所を移し勉強会を開く事にした。

どこでするか、俺はもちろんサイゼを押した。

 

無事可決され、サイゼにて勉強会が開かれることになった。

 

練習はテスト1週間前なので停止され、俺たちは放課後すぐにサイゼに向かった。店内に入ると俺たちと同じ様に勉強をしている学生のグループがチラホラ見えた。

 

それでもまだ何席も空いていたのですぐに座ることが出来た。店員に促され、俺たちも席に運ばれる。

 

まず奥に由比ヶ浜、雪ノ下の順で席を詰めていく。反対側のソファーには茂野、そして葉山の順で席を詰める。

 

葉山はいつ来たのかって?流石に雪ノ下1人じゃ3人教えるのは大変だからな。そこで成績優秀な葉山君にむりや、ゲフンゲフン快く来てもらって茂野を担当してもらうことにした。

 

ありがとう葉山、アイツに勉強を教えるのは、仮にあの佐藤が教えるとしても大変だと思うが、お前なら胃に軽く穴が開くくらいで済むと思うぞ。良かったな(外道)

 

さて俺も葉山の隣に座ろうかな。

 

雪乃「比企谷君、貴方はこっち」

 

そういって雪ノ下は自分の隣を示す。いやいや、女子の隣とか勉強どころじゃなくなるんで勘弁して頂きたい。

 

八幡「いやなんでだよ」

 

雪乃「あら、別に隣に座るくらい大したことではないじゃない。それにこうした方が私も教えやすいのだけれど」

 

そう言われると反論は出来ないが·····

 

雪乃「それとも比企谷君は何かいかがわしいことでもするつもりなのかしら?」

 

八幡「するか」

 

変な言いがかりを付けられては溜まったものでは無い。仕方なしに雪ノ下の隣に腰を降ろす。

 

うーむ変に緊張してしまう。いくら付き合いが長いからってこういう事に慣れたわけではない。むしろ付き合いが長いぶん気を使ってしまう。なぜなら雪ノ下含め俺の周りの女の子はそんな気があるわけがないと思うから。

 

駄目だ、切り替えよう。今はとにかく赤点回避、そのことだけを考えよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― ――― ―――

 

雪乃「まあこんなものかしらね」

 

八幡「大丈夫そうか」

 

雪乃「ええ、学年末のテストであれば広く浅く出るはずだもの。とりあえず基礎が出来ればあとはなんとかなるでしょう」

 

八幡「そうか」

 

サイゼに入店してから2時間が経過していた。 人間苦手なものでも目的があれば何とかなるもので、たった数時間で一通り解くことができた。

 

ただ俺一人であればここまでスムーズに解くことは出来なかっただろう。雪ノ下の指導あってのものだ。

 

雪乃「でも油断は禁物よ。テストまであと何日かあるから何度も問題を解き直すこと。いい?」

 

八幡「わかった、ありがとな」

 

雪乃「えっ、ええ。感謝してくれても構わないわよ」

 

素直に感謝の気持ちを伝えると、雪ノ下は何故かそっぽを向いた。そんなに俺が感謝の気持ちを示すことって、目を背けたくなるレベルで気持ち悪いんですかね。私人から感謝されたことがないからわかんなーい。

 

雪乃「コホン、あとは由比ヶ浜さんね。少しは進んだかしら」

 

とりあえず俺は大丈夫そうだ。そういえば集中していて気づかなかったが、茂野と由比ヶ浜はどんな様子だろうか。

 

そう思って顔を起こすと、そこには開始5ページでペンが止まっている由比ヶ浜と思考を放棄してワークを見ている茂野がいた。

 

あと胃でも痛めたのか腹を抑え、茂野のあまりのアホっぷりに心が折れ、廃人になりかけてる葉山とかもいた。

 

·····これはダメかもわからんね。

 

 

 

 

 

 

 

――― ――― ―――

 

その後、雪ノ下と葉山の涙ぐましい努力の結果、由比ヶ浜と茂野は補習を回避した。

 

特に葉山が胃痛に悩まされたのは言うまでもない。あまりの惨状にそっと胃薬を置いていく俺がいた。2年連続の雪ノ下は学習し、由比ヶ浜対策をバッチリしていたので大丈夫そうだった。

 

·····まさか2年の終わりに中学の教科書を引っ張り出してくるとは予想していなかったが。ちなみに去年は中学入試レベルの問題だったらしい。来年は高校受験かな。

 

何はともあれ、野球部全員1人も欠けることなく春休みの練習に参加できる。

 

直近の目標は春の大会で経験を積むこと。もちろん出るからには勝利を目指す。

 

気持ちも新たに、球春は少しずつ近づいてくる




この作品においての2年生の学力ランキング(脳内)

1位 雪ノ下雪乃 学年1位
2位 葉山隼人 学年2位
3位 比企谷八幡 学年20位くらい
4位 田代 学年50位くらい
5位 戸塚彩加 学年70位くらい
6位 材木座義輝 学年150位くらい

─越えられない壁─

7位 由比ヶ浜結衣 学年ワースト2位
8位 茂野吾郎 ぶっちぎりの学年ワースト1位

トップとワーストの1位、2位を野球部で独占する感じ。

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