俺ガイル×MAJOR   作:疎かなろあ

2 / 25
2話

《 side hachiman 》

 

長いようで短かった夏休みも昨日で終わりを告げた。夏休みの宿題は早くに終わらせる派の俺は当然前日に慌てるようなことにはならない。なぜかって?だってもし宿題忘れたら悪目立ちするじゃん。

 

しかしそんな俺も今日から始まる二学期は憂鬱なものだ。早く起きなきゃだし、何か転校生来るし。やな予感するし。

 

若干憂鬱になりながらも、自転車で学校の前まで来てみると何やら騒がしかった。人だかりの中心は2人の男女のようだった。最初こそまた戸部当たりが何かやらかしたかとも思ったが、今日の俺には心当たりがある。ので無視だ。まぁ、無くても無視するけどね。

 

それでも出来るだけ関わらないように、人を避けながら下駄箱まで来ると後ろから声が聞こえた。

 

由比ヶ浜「ヒッキー、やっはろー!」

 

ほらほら、ヒッキーさんとやら後ろから大きな声で呼ばれておりますよ?てかヒッキーとか絶対いじめの対象だろww

 

由比ヶ浜「もうヒッキーてば!おはようて言ってんじゃん!」

 

シラを切っていたら由比ヶ浜に肩を掴まれた。はい、私がいじめの対象でした、まる。さすがに、挨拶をされて無視は酷いかなと若干手遅れながらも、一応返事はしといた。

 

八幡「はいはい、やっはろー、やっはろー」

 

由比ヶ浜「そんなUFO呼ぶみたいに使わないし!」

 

八幡「俺としてはお前が『ベントラー ベントラー』を知ってる事の方が不思議だがね」

 

改めてしっかり挨拶をすると由比ヶ浜は俺の隣を歩き始めた。恥ずかしい、やめて欲しい。

 

八幡「お前、今日は三浦とかと一緒じゃなくて良いのか?」

 

由比ヶ浜「うん。なんかね優美子たち、することがあるだって」

 

八幡「さいですか」

 

まぁ色々夏休みにあったもんな

 

由比ヶ浜「それよりもヒッキー。あの人だかり見た?」

 

八幡「ああ、アレな。どうせ戸部当たりがなんかしたんだろ」

 

由比ヶ浜「戸部っちのことバカにしすぎだし!流石の戸部っちも夏休み明け初日からはしないよ」

 

八幡「つまり明日以降は可能性あるんだな」

 

由比ヶ浜「えっ?うーん······そうかも······」

 

八幡「言った俺が言うのもなんだが否定してやれよ······」

 

やはり戸部。お前ってそういう奴なんだな。可哀想に。同情はしないが。

 

由比ヶ浜「多分だけど、薫ちゃんと誰か男の子が一緒に歩いていたみたいだよ」

 

八幡「薫ちゃん?だれだよ」

 

由比ヶ浜「ヒッキー?クラスメイトを忘れるのは流石にないんじゃないかな······」

 

クラスメイト?そんなものはいらん。あそこには戸塚という心のオアシスがあるだけで他の路傍の石なんか気にしてられん。

 

由比ヶ浜「薫、清水薫ちゃんだよ?ソフト部の」

 

八幡「あー思い出した。で?その薫子ちゃんがどうしたって?」

 

由比ヶ浜「思い出してないじゃん!いや、だから薫ちゃん、姉貴肌?とかいうやつでモテるらしいよ」

 

八幡「それを俺に言ってどうしろってんだよ······。あと姐御肌な。微妙にちげーぞ」

 

由比ヶ浜と話していると教室に着いた。······俺が女子と喋りながら登校なんて世の中何があるかわかんねえもんだな。

 

教室に入ったら、自分の席につき、イヤホンを着け、寝た振りをする。これで「私に話しかけないでください」と意思表示もとい結界を張ることが出来る。これを破るためには大天使トツカエルかコマチエルを連れてこないとダメだ。

 

少しばかりすると、担任がやって来た。教室の角にポツンと一つだけ空席があるがそれ以外は由比ヶ浜の言っていた清水さん?も含め全員いるようだった。どうやら今日は転校生が来るらしい。······由比ヶ浜と目が合った。薄々そんな予感はしてた。どうせ理事長の手回しだろう。

 

担任が入って来いと言うと、1人の男子が入って来た。自己紹介をと促された。

 

吾郎「海堂高校から来ました。茂野吾郎です」

 

それが奴と俺の出会いであった

 

 

 

 

――― ――― ―――

 

俺は取り敢えず観察をして見ることにした。そいつは所謂スポーツマンといった感じでかなりがっちりしている。顔の方も整っており、タイプ別葉山。と言った感じだ。事実授業の間には女子に囲まれていた。しかもその対応を見る限り、爽やかという訳では無いが、なんというかこう、とにかく悪いやつでは無さそうだ。

 

つまり何が言いたいかと言うとそいつはリア充と呼ぶにふさわしい奴だった。

 

なので特別関わることもなく、6時間目の現国が終わって放課となった。部室に行こうかと片付けていたら、教卓にいる平塚先生に呼ばれた。

 

平塚「すまんが比企谷。このプリントを職員室まで運んでおいてはくれないか?」

 

八幡「それくらい別にいいですけど······。なんかあるんすか?」

 

平塚「話をしたところ茂野の奴を奉仕部に連れていくことになった。本当は由比ヶ浜に頼もうかとも思ったのだが、声を掛けた手前他人任せなのは気が引けてな。なので頼んでおいて何だが出来るだけ早く部室に来てくれ」

 

俺は頷き、平塚先生は清水さん?と話している茂野に声をかけに行った。

 

プリントを職員室に運び終え、部室の前まで来てみると聞きなれない男子の声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

「俺の依頼は『比企谷八幡』という男子を探すのを手伝って欲しいってことなんだ」

 

 

 

 

 

入らなくても分かる、今この瞬間あの部屋の空気が俺にとって良くない方に大きく変わっていることを······

 




次回の投稿は12月19日(月)00:00の予定です

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。