俺ガイル×MAJOR   作:疎かなろあ

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14話

《side hachiman 》

現れたのは野球馬鹿(茂野)だった。

 

なのにあいつは俺を見捨てて逃げようとしている。······逃がすわけ無いでしょ?

 

八幡「一色、あいつが部長の茂野だ。あいつに最終確認を貰ってくれ」

 

俺は1人では地獄には落ちんぞっ!フハハハハ!

 

一色「あっ、そうなんですか?」

 

八幡「ああ、ほら茂野入ってこいよ」

 

吾郎「ちぃっ!」

 

あいつ思いっきり舌打ちしたぞ······。

 

八幡「あらかじめ言っておくがあいつにあざといのはきかんとおもうぞ」

 

いや、案外ひっかかりそうだな。具体的にはアメリカ行ったその日に置き引きに逢うぐらいには。

 

一色「こういう時くらい真面目にやりますよっ!」

 

八幡「そうか」

 

さてと······。

 

一色が茂野のところに交渉に行ってる間、俺は雪ノ下と由比ヶ浜の怒りを沈めるべく、頭を地に着けることもいとわない覚悟で死地に赴くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――― ――― ―――

 

 

 

 

 

 

結論だけ言うと、一色はマネージャーになった。総部員の4分の1がマネージャーになってしまった。いや、別に何か問題があるわけじゃないけど。

 

次の日の練習から、一色も参加することとなった。仕事ぶりはどうかというと、特に問題なくむしろ今まで手の回っていなかった部分にも手が届くようになり、大きなプラスとなったようだ。

 

一色「せんぱーい、一緒に帰りませんか?」

 

八幡「······まあ方向一緒だしな。別にいいぞ。ちょっと待ってろ」

 

由比ヶ浜「えっ、あのヒッキーが一緒におかえり?」

 

雪ノ下「どうしたの、比企谷君」

 

なぜかどよめきが起こる、夕暮れのグラウンド。

 

八幡「······小町に怒られんだよ、一色を1人で帰すなって」

 

吾郎「やりますなー、比企谷殿ぉ」

 

肘で小突いてくる、茂野。えーい、うっとおしい!

 

材木座「はちまん!貴様裏切るのか!」

 

八幡「何を言ってるかわからねーが、そもそも俺とお前は仲間ではない(野球部を除く)よって裏切りではないのだ!」

 

材木座「なん······だと······」

 

雪ノ下「小町さんが······、まあ小町さんが言うのならしょうがないわね。しっかり送ってあげなさい」

 

由比ヶ浜「小町ちゃんが······、ならしょうがないね。バイバイヒッキー、いろはちゃん!」

 

こいつらの小町に対する厚い信頼は何なのだろうか。というか俺も流れで一緒に帰ることに了承しちゃったけど······、まあいいか、別にこいつといることは嫌じゃないし。

八幡「おう、じゃあな」

 

一色「待ってくださいよ、先輩」

 

帰り道、ふと疑問に思ったことがある。

 

八幡「そういやお前、小町と連絡先交換してたろ。なら小町に俺のこと聞けば良かったじゃねーか」

 

一色「私もそう思って、聞いたんですけど『お兄ちゃんですか?お兄ちゃんなら······、はっ!お兄ちゃんの事なら現国の平塚先生に聞くのが一番手っ取り早いと思いますよ!』って言われまして」

 

なるほど、外堀から埋めてきたか。我が妹ながら末恐ろしいものよ。平塚先生に聞かれたら俺の逃げ場無くなるしな。

 

一色「それでー、先輩今月文化祭あるじゃないですかー」

 

文化祭、実行委員、うっ、頭が······。

 

八幡「そうだな、明後日あたりのHRで、実行委員とか決めるんじゃね」

 

俺は二度とやらないと決めているがな。

 

一色「ですです。で、文化祭2日目なんですけど······」

 

八幡「いや、俺1人でいるから」

 

一色「な、なんでですかー!」

 

一色は怒ったように、というかぷんスカあざとく怒りながら、こちらを見てくる。

八幡「いや、去年こそとある事情で動き回ったが、元来俺はああいうの嫌いなんだよ」

 

一色「確かに先輩、合唱コンクールとか普段の倍は目が腐ってましたからね······」

 

八幡「お前良くあんな暗くて、遠いところから俺の事見つけ出したな」

 

一色「何ですか別に先輩だけを見てたわけじゃないのに自意識過剰なんですかむしろ俺はお前のことを見てるんだぜっていう遠回しなアピールなんですか見て欲しくないどころかむしろ推奨なんでこれからもよろしくお願いします」

 

一息に喋ったせいか、一色の頬は赤く上気し、肩で息をしている。······久しぶりに聞いたな、こいつのフリ芸。久しぶり過ぎて最初しか聞いてなかったわ。

 

八幡「お、おう」

 

落ち着いたのか、再度一色が抗議してくる。

 

一色「というかなんで、断るんですか!可愛い後輩と文化祭一緒に回るなんて男子の夢じゃないんですか!」

 

八幡「いやほら、俺ってそこらの奴らとレベルが違うから。というかお前もさらっと自分のことを可愛いとかいうのね」

 

もう別に気にしないけど。事実顔立ちは整っているほうだと思う。

 

一色「事実ですから。いいから一緒に回りましょーよー」

 

八幡「お前はなんで俺と回りたがるんだ······」

 

一色「そんなのさい······、最近物騒じゃないですかー」

 

八幡「流石にそれは無理があると思うぞ······」

 

こいつ、財布と言おうとしたな······。

 

一色「じゃあ、誰かと一緒に回る予定でもあるんですか?」

 

八幡「いや、無いけどよ······」

 

一色「じゃあいいじゃないですか!」

 

八幡「はあ······、良いけど奢らねーからな」

 

一色「むぅ、しょうがない、それで手を打ちましょう」

 

八幡「何でそんな上から目線何ですかねぇ······」

 

図らずして、俺の文化祭2日目の予定が決まったのであった。

 

一色「そう言えば、先輩。今日は葉山って人はいなかったですよね」

 

八幡「······。葉山だと?」

 

俺はその言葉で一瞬黙ってしまった。

 

葉山隼人。恐らく全校のほとんどとの生徒が知っており、男女問わず人気を集める学校の中心と呼ぶにふさわしい存在だと誰もが認める人物。

 

しかしながら、俺たち奉仕部を含め数人の生徒にとっては、苦い思い出がある相手。

あいつは過去に1度大きな過ちを犯した。それは1人の人間の人生を狂わせる可能性のある事だった。そしてその事件は未だに俺の中で引っかかり続けている。あいつはどうしてあんなことを······。

 

一色「············ぱい······。せんぱい!聞いてますか!」

 

八幡「お、おう······。悪い、聞いてなかったわ」

 

一色「······その様子を見ると、違うみたいですね」

 

八幡「それより、なんでお前が葉山のことを?」

 

一色「なんでも、葉山って人が部活に入ってない1年生に声をかけてたみたいで。『野球部に入ってくれないか』って。それに中学の時に野球やってったていう男子からだから葉山って人の説明をされたんですよ。なんでてっきり野球部なのかと」

 

八幡「······そうか。そん時にはマネージャーについてなんか言ってたか?」

 

一色「うーん······。私が聞いた話ではそんなこと言ってなかった気が······。あっでも、掲示板に張ってあったビラには『かわいいマネージャー在籍!』なんでことがかいてありましたよ」

 

アレの犯人は茂野だったのか。後で雪ノ下にちくってやろう。

 

ん?まてよ。なら葉山は純粋に野球部の部員集めを手伝っていたのか?何のために?あいつは俺のことが嫌いなんじゃ無いのか?

分からん、あいつはいったい何がしたいのか······。明日雪ノ下や由比ヶ浜にも相談してみるか。後、あいつらにもしなきゃな。

 

一色「······?どうしたんですか、先輩?」

 

心配そうに見つめてくる一色。こいつは素の性格の時の方が可愛いな。

 

八幡「なんでもねーよ。ほら早く帰んぞ。妹の飯が待ってるからな」

 

一色「相変わずのシスコンなんですね······」

 

八幡「ほっとけ、あと俺はシスコンじゃない。妹が可愛すぎるだけだ」

 

一色「それをシスコンっていうんですよ!」

 

とりあえず今は久しぶりに会った後輩とのおしゃべりを楽しもう。

 




次回の投稿は1月30日(月)00:00の予定です。
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