俺ガイル×MAJOR   作:疎かなろあ

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11話

《 side hachiman 》

俺たち総武高校野球部の初勝利で終わった、帝仁戦を終え今後どのように練習を進めていくか、俺は考えている。

 

その前に今はいつかだって?

 

ただいま数字とアルファベット、それから中2心をくすぐるギリシャ文字が黒板の上に羅列されている。

 

ここまで言えば分かるだろうか?そう、数学の時間である。数Ⅱか数Bかは各自の想像に任せます。

 

苦手な理数は全捨ての俺は、日頃の睡眠時間となるこの時間で野球の事を考えているってわけ。

 

茂野?あいつは基本的にいつでも寝てるから。平塚先生の時間以外は。何故かって?察しろ。

 

そんなこんなで時間は過ぎていくのであった······

 

 

 

 

 

――― ――― ―――

 

 

 

 

 

 

放課後、今日も奉仕部には依頼が無かったようで雪ノ下や由比ヶ浜の姿が見える。

 

まだグラウンドの使用について許可が下りないらしく、いつもの河川球場に行くこととなった。

 

大河は一応うちに来ることに決めたらしく、スポーツ推薦を貰えるらしいが、筆記試験もあるらしくお勉強のため欠席だ。

 

取り敢えずアップを済ませると、俺はみんなに集まってもらった。

 

八幡「よし、じゃあ昨日の帝仁戦の反省をしよう」

 

材木座「八幡よ、昨日の試合のどこを反省するというのだ?」

 

八幡「何言ってんだ、打撃面、守備面、走塁面。めちゃくちゃあるぞ」

 

戸塚「そんなにあるんだね············」

 

みんな俺の言葉を聞いて、がっくりしているようだ。だが、口は挟ません。

 

八幡「まず打撃面だが、前半はまだ良かった。それでもバントのミスやストライクとボールの見極めとかはあれだけどな」

 

八幡「だけど6回から出てきたピッチャー、世界って奴なんだが、俺たちは見事に打てなかった。チェンジアップの緩急についていけない奴がほとんどだったよな」

 

そう言うと、思い出したのか顔をしかめる奴も出てきた。

 

八幡「それにあいつは野球を高校から初めたらしい。つまり来年、俺たちとやるとしたらさらに成長してるだろうな」

 

あのピッチャーが高校から初めたばかり、その事実に誰もが驚いている様子だった。

 

八幡「世界だけじゃない。茂野の話じゃ、海堂には茂野と同じくらいの化け物がいるんだ。練習するに越したことはねーだろ」

 

その言葉にみんな納得してくれたようで、ならどうするかと急かしてくる。

 

次の練習の支持だけすると、俺は田代にプロテクターを着けさせていた茂野に声をかけた。

 

八幡「茂野くん?君は昨日何球投げたのかな?」

 

吾郎「あ?100球くらいだろ、多分」

 

雪ノ下「正確には124球よ」

 

雪ノ下さんから茂野の言葉に修正が入る。茂野は鋭い指摘に若干呆然としている。

 

八幡「うん、じゃあ今日は投球禁止な」

 

吾郎「はあ!?たった100球ちょっと投げただけだろ、んなもん関係ねーよ」

 

そう言って何かをアピールするように肩をぶるんぶるんとまわし始めた茂野。

 

八幡「だめだ、投げた次の日は投げるな。てか、田代も言ってやれよ」

 

田代「俺も言ったんだがな、こいつが聞く耳を持たねーんだよ」

 

吾郎「だいたい昨日だって本気で投げたのは最後だけだぜ」

 

八幡「それでもだ、あとキャッチボールも禁止な」

 

そこまで言ってもまだ食い下がろうとする茂野。こういうことは言いたくないんだけどな。俺のキャラ的に。

 

八幡「いいか、ウチは基本的にお前しかピッチャーがいない。そりゃあ作ろうと思えば別のヤツが出来ないこともないが、恐らく勝つことは出来ないだろう」

 

それに、と俺は話を続ける。

 

八幡「野球の試合を作り上げるのは他の誰でもない、ピッチャーなんだよ。ここ一番でお前に投げてもらわねーと話にならん」

 

吾郎「············」

 

やっぱりこういう相手を褒めるように説得するのは俺のキャラじゃないよな······。キャラ崩壊のタグ付けてもらわないと。

 

八幡「第一、お前海堂で休息の大事さとか教えてもらってないの?」

 

何か思うふしがあるのか、納得したような様子の茂野。

 

吾郎「······じゃあ、俺は今日なにすんだよ」

 

八幡「走らせようと思ったが、お前の事だ。日課とかで走ってそうだからな······。守備練習以外は指導に入ってくれ」

 

吾郎「守備練のときは?」

 

八幡「君には外野に入って貰います」

 

吾郎「さっきの話はなんだったのか······」

 

八幡「最後まで聞けよ。大会通してお前が投げ切れればそれに越したことはないが、肩のことを考えるとそうもいかん。野口はセカンドも出来るらしいから、ライトに入ってもらうことになるだろうな」

 

吾郎「ライトなら海堂でみっちりやったことがあるから大丈夫だろ」

 

さらっととんでもないことを言って、茂野は指導に向かった。あいつほどの奴がピッチャー以外のポジションに回せれるとかどんな環境だよ。

 

改めて海堂って馬鹿みたいな場所なんだな、と思いました。そしてそんな海堂に喧嘩を売ろうとしている俺たちもなかなかの大馬鹿者だなと感じました、まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― ――― ―――

 

練習は一通り終わり、日も暮れてきた。ナイター設備のないこの球場でこれ以上は続けられない。もっともナイターあっても、金がかかるからそう簡単には使えないけどな。

 

という訳でグラウンドにレイキをかけていると、由比ヶ浜に呼ばれた。

 

由比ヶ浜「ヒッキー、ゆきのんがなんか呼んでたよ」

 

八幡「ん?ああ、分かった」

 

何でも雪ノ下が俺を呼んでいるらしい。······なんだかとってもやな予感がするのは気のせいなのん?

 

俺はベンチで練習の内容を日誌のように書いていた雪ノ下のところまでいった。

 

八幡「おう、来たぞ。話ってなんだ?」

 

雪ノ下「わざわざごめんなさいね。ちょっとこれを見てほしいのだけれど」

 

そう言って雪ノ下が見せてきたのは雪ノ下のスマホだった。そしてそこには『千葉県横断お悩み相談メール』とでかでかと中央にポップアップされていた。つまりは奉仕部が運営しているサイトが表示されていたのである。

 

雪ノ下「便利な時代になったものね。昔はパソコンでしか出来なかったようなことがこんなものでも出来るなんて」

 

······お前も現代を生きるティーンエイジャーだろうが。

八幡「それでこれがどうしたって?」

 

雪ノ下「よく見なさい」

 

雪ノ下は俺にスマホを押し付けるようにして渡してきた。俺が言うのもなんだがそんな簡単に他人にスマホを渡していいもんなのかね。

 

雪ノ下「······別に、貴方は信用してるからよ······」

 

俺の表情で察したように雪ノ下が呟く。別に俺、難聴ではないので聞こえるんですよね。勘違いしてしまうのでやめて頂きたい。

 

しおらしくなってしまった雪ノ下から目を背けるように俺は手渡されたスマホに目を落とす。

 

するとそこには······

 

『 人を探しています!!

 

私は総武高校1年の女子です。実は今、ある人を探しています。その人は総武高校の2年生で、黒髪、中肉中背で、特徴としては頭から一房生える立派なアホ毛と腐りきった目をしています。誰に聞いても知らないらしく困っています。どうか探すのを手伝ってください。

このサイトの事は平塚先生から教えていただきました。

よろしくお願いします!

HN ラビットハウスのパン作り担当 』

 

 

雪ノ下「······これってあなたの事よね······ 」

 

···············あぁ^〜心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~




次回の投稿は1月19日(木)00:00の予定です。
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