俺ガイル×MAJOR   作:疎かなろあ

1 / 25
1話

「まぁ、これから大変だと思うけど頑張りなよ」

 

「ああ、まだどこ行くかは決めてねーが、絶対おめーら海堂ぶっ倒してやるから覚悟しとけよ」

 

「ふふ、分かったよ。楽しみにしてる」

 

「それじゃあな、寿也」

 

「じゃあね、吾郎君」

 

 

 

 

 

 

これは後に高校野球界を騒がせることになる、ある高校球児たちの物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― ――― ―――

 

八月中旬、海堂を辞め、転入するまで暇な吾郎は転入しようと考えている三船高校の試合を見に行った。最初こそこれからまた一緒にプレーするであろう小森達の様子を見に行こうと思っただけだったが彼は三船に行くつもりにはなれなくなった。

 

そこには中学の頃から比べれば格段にレベルを上げた小森や大林の姿があった。そして何より吾郎と同じように右投げから左投げに転向した山根がマウンドの上で力投していた。

 

自分たちの道を歩む小森たちの邪魔は出来ないと思った吾郎は三船高校への入学を辞め、他に高校を探すことにした。

 

しかしそうはならなかった。海堂のチーフマネージャーである江頭が手を回し、裏で金のやり取りがあったのでは?と脅し入学出来ないようにしていたからだ。その事を海堂の二軍監督早乙女から聞いた吾郎は義理の父である茂野英毅に伝えた。

 

《 side goro 》

 

吾郎「クソッ!あのとっつぁん坊やめ!片っ端の高校に話してやがる!」

 

英毅「落ち着け、吾郎。まだ手が無い訳じゃない」

 

吾郎「何があるってんだよ!」

 

英毅「お前が創ればいいんだよ。新しく野球部をな」

 

吾郎「なっ!確かにそれなら大丈夫だろうけどな······」

 

英毅「何だ、弱気だな。自信が無いのか?」

 

吾郎「っ!······上等だよ、むしろそっちの方が燃えるってもんだぜ」

 

英毅「ふっ、お前らしいな。これでお誘いも無駄にならずに済んだな。実はだな、あの総武高校からお前にうち来ないかとお誘いがあったんだよ」

 

吾郎「何だって?親父にしちゃ随分頭が回るなと思ったらそういう事かよ。てか総武高校って清水の奴が行ったとこだよな」

 

英毅「そうらしいな。何でも総武高校の理事長がお前に興味があるらしい。さっきの話もその人から教えて貰ったんだよ」

 

吾郎「なるほどな。まぁ何にせよ。良かったぜ」

 

英毅「あっ、お前は知らんかもしれんが総武は進学校らしいから多少の勉強は覚悟しろよ」

 

吾郎「······まじかよ」

 

 

 

 

――― ――― ―――

 

ところ変わってここは総武高校のある空き教室。そこには2人の女子高生と白衣を着た教員、それと腐った目をした男子高生がいた。

 

《 side hachiman 》

 

平塚「うむ、それでは発表しよう。なんと来月から転校生がやって来る」

 

「「「て、転校生?」」」

 

八月もど真ん中。つまりは夏休み中である。それなのになぜ俺たち奉仕部員がクソ暑い中集まっているかと言うと、平塚先生から呼び出しを喰らったからだ。具体的な連絡が無いまま、奉仕部の部室に来いとだけ言われた。集合10分前に部室に来てみると、中には既に平塚先生と雪ノ下がおり、少しすると由比ヶ浜がやって来た。

 

見たい深夜アニメが溜まっていたので、先生に早くするよう促した。そして冒頭へ繋がる。

 

平塚「そう、転校生だ。時期といい色んな部分で不思議かも知れないが、どうやらスポーツコースに編入ということらしい」

 

そう言えばありましたね、そんなの。実質普通コースとか変わらんから忘れてたわ。クラスも普通に同じだしな。

 

雪ノ下「それは分かりましたが、先生。それがなぜ私たちの呼び出しと関係があるのでしょうか」

 

平塚「それはだな、奉仕部として何かあればそいつのサポートをして欲しいと理事長に頼まれたからな」

 

雪ノ下「理事長がですか······」

 

何か思うことがあるらしい雪ノ下さん。ここはノータッチが正解でしょうね。由比ヶ浜も黙ってるし。それに俺も先生に言いたいことがある。

 

八幡「まったく、何で俺たちがそんなめんどくさいことしないとなんですか」

 

平塚「何でも比企谷。今回の件、うまくいくかどうかはお前に掛かってるらしいぞ」

 

八幡「なんだよそれ、やっぱりめんどくさいじゃないですか」

 

由比ヶ浜「まぁまぁヒッキー、私たちも手伝うし何とかなるよ。うーん······でもサポートっていっても何をすればいいんだろう」

 

平塚「そうだな、なんでも学校生活以外にもその生徒は何か始めるらしからその手伝いをしてあげて欲しい。とのことだ」

 

八幡「これまた適当だな······」

 

平塚「まぁ、そう言うな。取り敢えず奉仕部の理念に反しない程度やってみてはくれないか?」

 

雪ノ下「分かりました。ただし私たちからではなくその人がこちらに依頼してから。ということでもいいですか?」

 

平塚「ああ。そいつには私の方から奉仕部の存在も伝えてみるとするか。理事長にも私が伝えよう。取り敢えず奉仕部としては条件付きではあるがOKということでいいな?」

 

雪ノ下「はい」

 

平塚「そうか。ちなみにそいつは茂野吾郎、と言うらしい。仲良くしてやってくれ」

 

それだけ言うと、先生は部屋から出ていった。茂野、吾郎ね。どんな奴何だろうか。なんか聞いたこともある気もする。スゲェめんどくさいな、絶対何かに巻き込まれんじゃん。未来が見えるわ。はぁ、さよなら。俺の平穏よ。 やっはろー、喧騒なエブリデイ。

 

 

 

 




次回の投稿は12月15日(木)00:00の予定です

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。