グレモリー家の次男   作:EGO

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課外授業のデイウォーカー
life01 次の舞台はルーマニアだぜ


あの魔法使い騒ぎから何日か経ち俺は

『シドウ、ごめんなさい。急に連絡しちゃって……』

「いいさ、セラ。丁度暇してたところだ」

兵藤宅の俺の部屋でセラと連絡用魔方陣で会話していた。と言っても音声だけだがな。

「それで、何だ?まぁ何でかはわかるけどさ……」

『ええ、グレイフィアさんについての連絡とあなたの処遇についてよ』

「だよな……」

『今のところグレイフィアさんはサーゼクスちゃんとの行動の禁止。それに伴ってのグレモリー家での行動も制限されているわ』

「そうか……」

『シドウの行動には報告義務が付いたからそのつもりで』

「俺がやることを全部にか!?それをユーグリットを捕らえるまで!?」

『ええそうよ。学校関係や買い物とかのものはいいけど、何でそこに行って何をしたか程度のことは連絡してちょうだい。どこに行くのかは先に言って、場所によっては監視が付くから、何をしたかは事後報告でもいいからね。一応言うけどこれでも頑張ったのよ?あのままだったら教師辞めさせて最悪強制送還されてたんだから』

「……いつもすまんね」

『もう慣れたわ。一応昔の任務で使った腕輪、あれと同じものを送るわ。すぐに着けてね』

セラがそう言うと小型の転移魔方陣が展開され、その腕輪が到着する。指示通りすぐに左手に装着してと

「着けたぞ」

『こっちでも確認したわ。使い方は同じだからよろしくね。あぁそれと』

「まだ何かあるのか?」

『あなたが行動できるのはあの襲撃であなたも捕らえられたってことで共犯の疑いが弱いからってことと私やサーゼクスちゃんがあなたに賭けているからよ。何としてもユーグリット・ルキフグスを捕らえてね。上のおじいちゃんたちにもそう言ってある程度の自由を正確には禍の団(カオス・ブリゲード)追撃を許されたんだから』

「了解だ。そんじゃ切るぞ」

『うん。気を付けて』

セラがそう言ったところで連絡用魔方陣を消す。

ユーグリットの登場のせいでグレイフィア義姉さんや兄さん、ついでに俺まで迷惑が掛かるとは……上の連中は俺かグレイフィア義姉さんがあいつらと繋がってると考えてんだろうな。

俺が自由に動けるのは上の連中が俺も一応被害者って考えたことと、兄さんたちが俺に俺や義姉さんの無罪を証明するためにユーグリットを捕らえるチャンスをくれたってことか……また兄さんたちに迷惑かけちまったな。

俺は今着けた腕輪を眺めながらそう思っていた。

すると再び連絡用魔方陣が展開される。

今度は誰だよ?まったく……

俺はそう思いながら送り主の言葉を待つ。

『リッパーいいか!』

「アザゼル!?どうしたんだよ!定時連絡には早いぞ!」

『詳しくは全員揃ってからだ!ソーナのほうには俺が連絡するからお前は教会サイドに連絡してくれ!』

「了解っ!」

アザゼルの様子からただ事ではないことをすぐに察しが付いた。ならば動くだけだ。

俺はすぐさま部屋を出て、階段を駆け下りる。転移の準備のために地下に向かうためだ。地味に五階からだからすぐの距離が余計に長く感じる。

もうすぐ二階というところで人影を見つける。あれは…

「レイヴェル!ちょっといいか!」

「シ、シドウ様!?ど、どうかされましたか!?」

俺の声に驚きながらも訊いてくるレイヴェル。

「イッセーたちを上に呼んでくれ!俺は他のメンバーに連絡する!」

「は、はい!」

レイヴェルはそう言うとイッセーたちがいると思われる部屋のほうに駆け出した。急でもすぐに動いてくれる当たり流石だなと思いつつ、俺はグリゼルダを連絡用魔方陣で呼び出す。

そして待つこと数秒、すぐに届いた。

『どうかされましたか?シドウ様』

「アザゼルから緊急の連絡が来た!ジョーカーと一緒にこっちに来てくれ!」

『……!わかりました。すぐに向かいます!』

これで後は地下の転移魔方陣を起動するだけだな。

俺はその後も階段を駆け下り、地下の部屋に到着と同時に転移の準備を始める。

転移魔方陣を起動してグリゼルダたちのいる教会施設と繋ぐ。それを確認したら魔力をこめる!

その瞬間魔方陣が輝きだし、その光が弾けた。

そこにはいたのはグリゼルダともう一人、金髪の青年だ。

到着を確認するとグリゼルダが訊いてくる。

「その金髪のがジョーカーか!」

「はい、デュリオ……」

「詳しくは後だ!今は行くぞ!」

青年が名乗ろうとした瞬間に失礼ながら割ってはいり指示を出す。それを聞いてグリゼルダがはっきりとジョーカーは少しショックを受けながらも頷いたのを確認したら再び上を目指す!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という訳で兵藤宅のVIPルームに集まった俺たち。

リアス眷属、ソーナと真羅さん、グリゼルダとイリナ、そしてジョーカー。

俺はそれを確認してアザゼルに魔方陣の映像越しに訊く。

「それで、アザゼル。何があった?」

『ああ、どうやらツェペシュ側で大きな動きが、簡単に言うと"クーデター"が起きたようだ。リアスと木場はそれに巻き込まれた可能性が高い、というよりも拘束されているだろう。こっちから連絡がつかん』

それを聞いて朱乃が小型の連絡用魔方陣を展開するが繋がらないのかすぐに切っていた。

それにしても……

「クーデターか……」

「あぅぅ……そ、そんな…」

俺の呟くと同時にギャスパーは顔を強張らせていた。

俺はギャスパーを気にしつつも話を続ける。

「それで……どうなった?」

『カーミラ側の幹部によるとツェペシュ側のトップが入れ替わった、とのことだ』

それを聞いてこの場にいる全員が顔を強張らせた。

トップが入れ替わった、それはつまり……

「クーデターは終わったのか……速すぎるだろ?まだクーデター中とかならわかるが」

俺が本心駄々もれになっているがアザゼルは続ける。

『現在ツェペシュ側の大元の王は首都から退避したとのことだ』

「事が鮮やかすぎるな。やっぱり禍の団(カオス・ブリゲード)の介入があったのか?」

滅んだはずの邪龍を蘇らせたのは聖杯の可能性が高いと報告が来ていた。

現在禍の団(カオス・ブリゲード)と吸血鬼は繋がっているというのが各勢力の公式見解になっている。

『ああ、だろうな。どの勢力も一枚岩じゃないからな。聖杯の噂を聞きつけた禍の団(カオス・ブリゲード)の連中は現政権に不満のある連中と繋がり、じわじわと侵食していったんだろう』

「そんでそれに気づいても救援は頼まれなかったんだろ?」

俺が答えがわかりきっている質問をする。

『そうだ。自分たちを至高と考え、誇りとやらを重んじた結果だろう。死んでも助けを求めたくもなかった。それとも聖杯を隠そうとした。そんなところだな。というわけで俺はツェペシュの本拠地に向かう予定だ。そんで……』

「お前たちも来い、だろ?」

俺がアザゼルの言葉を先読みで言うとアザゼルは嘆息していた。

『その通りだ、リッパー。結果的にいつも通りになるんだな。戦力をこちらに集中も出来ないからな……』

「だったらいつも通りに俺とイッセーたち、イリナでいいだろ。こっちにはジョーカーと刃狗(スラッシュ・ドッグ)がいれば十分だ』

俺の提案にアザゼルは驚いた表情になっていた。

「どうした?」

『リッパー、お前動けるのか?』

「それなら問題ない。報告義務はあるがな。今回はアザゼル、お前が俺の監視役ってことにすれば納得してくれるだろ」

『上の連中はまだお前が禍の団(カオス・ブリゲード)と繋がっている、もしくは任務時の虚偽報告を、正確にはその任務時にユーグリットと接触したと疑っているのか』

「そんなとこだ。兄さんたちが頑張ってくれたらしい。後が面倒だが俺は動けるぞ」

『ならいいが、先に言っておくとこっちにはヴァーリがいるからな、その事は頭に入れておいてくれ』

アザゼルの一言に俺はある疑問が生まれた。

何でヴァーリが吸血鬼の王国に?聖杯がらみかそれとも邪龍を追ってか?

俺が考え込んでいるとソーナが手を挙げた。

「いい機会です。シドウ様、うちの新人二人を連れていってもらえないでしょうか?」

ソーナの眷属の新人二人か、あの襲撃の後に紹介されたな。

「ベンニーアとルガールだったな。悪魔としての経験を積ませたいのか?いつもなら止めるところだが、ルガールの力は特に必要になってきそうだしな。アザゼル、二人追加だ」

『わかった。それとレイヴェル、お前は残れ。客分のお前を危険地帯に連れてこさせるわけにはいかない。わかってくれるな?』

アザゼルの言葉にレイヴェルは頷いた。

「はい。こちらはお任せください」

聞き分けのいい子で助かるな。文句の一つ言ってくると思ったが……

『詳しくはお前らがこっちに来てから話す。準備が出来たらすぐに来てくれカーミラ側に受け入れ用の魔方陣を展開する。状況開始だ』

『了解だ(はい!)』

全員が応じてそれぞれの準備に動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

皆と別れたら俺はセラに連絡を入れる。

〔これから吸血鬼の国に行く。監視役はアザゼルってことにしといてくれ、詳しくは終わってからまとめて報告する〕

メッセージを送るとすぐに返信が来た。

〔わかったわ。詳しくは後日まとめてね、了解よ。気を付けてね〕

よし、これで動ける。ユーグリットがいれば今回で終わらせたいもんだな。

俺は思いながら準備を始めた。

 

 

 

 

 

 

 




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