グレモリー家の次男   作:EGO

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今日でこの章を終わらせたい!
では一話目どうぞ


life09 VS邪龍だぜ

イッセーがグレンデルに突撃していき、それを見たグレンデルは愉快そうに笑った。

『いいじゃねぇか!真っ正面からか!』

そう言うとグレンデルはイッセーに拳を放つ!

イッセーはそれを避けて懐に潜り込み叫ぶ!

龍剛の戦車(ウェルシュ・ドラゴニック・ルーク)!」

イッセーの叫びとともに鎧がより太く、厚く変化し懐に潜り込んだ勢いで拳を顔面に打ち込む!

喰らったグレンデルは後ろに大きくのけぞるが倒れはしなかった。

並の奴ならあれで終わりなのだが相手は邪龍だ。あれぐらいでは倒れないたろうな。

グレンデルは頬をさする。

『…………なんだこりゃ?おいおいこんなもんか?』

兜で見えないがそれを聞いたイッセーは驚いているだろう。

するとイッセーが呪文を唱え始めた。

「我、目覚めるは王の真理を天に掲げし、赤龍帝なり!無限の希望と不滅の夢を抱いて、王道を往く!我、紅き龍の帝王となりて……汝を真紅に光り輝く天道へ導こう!」

呪文を唱え終えたその瞬間。イッセーを紅のオーラが包み込む!

今のがイッセーの新しい力、イッセー的に言えば鎧の女王(クイーン)形態。《カーディナル・クリムゾン》というやつか。

それを見てグレンデルは再び笑った。

『おもしれぇ!さっきよりも強くなったじゃねぇかよ!』

グレンデルはそう言うと飛び出していく!

あの巨体であの速度か、速いな。

瞬時に距離を詰めたグレンデルはイッセーに爪を降り下ろすが、イッセーは冷静にそれを避けてカウンター気味に顔面を殴った!

だが相変わらず大したダメージがない感じだ。

俺の攻撃通るのか?うーん……どうしたもんかな。

俺が考えている中でもイッセーとグレンデルの戦闘は続いていく。

その途中で一度距離を取ったイッセーは何かを考え、すぐにまとまったのかすぐさま突撃していった!

それにあわせてグレンデルは三連続で火炎を吐いた!

イッセーは一発目、二発目と回避していくが三発目の前に上空に移動していたグレンデルが広範囲に炎を吐き出した!

三発目は魔力弾(イッセー的に言えばドラゴンショット)で相殺し、上からの炎には飛び込んでいった!

イッセーのやつ相変わらず度胸あるねぇ~まったく!

その炎を抜けた瞬間

「後輩たちの分、お前らに返すぜぇぇぇ!」

イッセーは叫びグレンデルの腹部に拳を打ち込んだ!

ドコン!

低く鈍い音が空間に響いた。

それを喰らったグレンデルは青い血を盛大に吐きながら落下し、その衝撃でこの空間が震えた。

明らかにさっきまでとは違うな。そうか龍殺し(ドラゴンスレイヤー)の力を乗せたのか!それなら納得できるし、これで終わりかな?

俺がそう考えているとグレンデルは立ち上がり首を鳴らしていた。

龍殺し(ドラゴンスレイヤー)でも倒れない!?どんだけタフなんだよあいつ!

驚いているのは俺たちだけではなく、打ち込んだイッセーも驚いていた。

そんな俺たちを他所にグレンデルは醜悪な笑みを浮かべた。

『最高に痛ぇぇぇよ!いいパンチじゃねぇか!おろしれぇおろしれぇ!殺し合いはこうでないとなぁぁぉぁ!さぁ続けようぜぇぇぇ!』

このままだとイッセーが持たんな……助太刀するか。

俺がそう考えているとグレンデルがこっちを向いた。

『だがその前に予定変更だ!全員死ねぇぇぇぇ!』

こっちに三連で火炎を吐き出してきた!だが……

「なめるな!」

俺は大剣を出現させると同時にこちらも三連で斬撃を飛ばし相殺する!

いやはや出来るか不安だったが行けたわ……

それを確認したグレンデルが叫ぶ。

『おうおう!やるじゃねぇかよ!悪魔ちゃんよぉぉぉ!』

俺はそれを無視してイッセーに言う。

「イッセーもうそいつに付き合わなくていい!全員でやるぞ!」

「はい!」

『んじゃ、二戦目といこうか、紅い龍帝ちゃん!』

グレンデルがそう言った瞬間俺は大剣に魔力を込める。広範囲には広げず一点に魔力を集中させる。

これならいけるか?いや行くしかないがさ……てかイッセー以外は眼中にないってか!なめやがって!

俺が準備をしているとグレンデルが翼を広げ突撃の姿勢に入った。

ヤバっ!間に合うか!?

俺が警戒していてもグレンデルは何もしてこない。

俺が疑問に思って見ているとすぐに理由がわかった。

グレンデルの足を黒い影が、いや闇が包み込んでいた。

俺とイッセーはその闇の発生源に目を向けた。

そこにはギャスパーがいた。赤い両目を妖しく輝かせ全身をだらりとしている。

ギャスパーはそのままグレンデルに向かおうとしている。

あれがギャスパーに隠された力か……。

不気味なオーラを放ち闇がこの空間を飲み込もうとしている。

『なんだありゃ。まぁいい。あれもやっていいってことだな!強ぇクソガキがまだいやがるのか!いい時代だ!』

グレンデルはこの状況すら嬉々として受け入れようとしていた。

ギャスパーをこれ以上やらせるわけないだろが!

イッセーも同じ事を考えたのかグレンデルの標的を変えようと動き出そうとした瞬間

「いえ、グレンデル。そこまでにしてください。実験は成功していたようです。木場祐斗もいればよかったのですが……」

ローブの男が制止の言葉を投げた。

それを聞いたグレンデルは不満な叫びをあげた。

『止めんなよ止めんなよ!こっからだ!こっから!潰し会わせてくれよ!今度こそ思う存分、喰って、喰われて、壊して、壊されて、ぶっ殺すんだよ!』

凶暴なドラゴンだ。ここで殺る!

それを聞いたローブの男がなにか言おうとした瞬間俺はグレンデルに突っ込む!

それに気づいたグレンデルはまた嬉々とし始めた。

『そうだよ!わかってるじゃねぇかよ!悪魔ちゃんよぉぉぉ!』

俺に対して拳を振ってくるが俺は持ち前のスピードで避け懐に飛び込み大剣を腹部に突き刺す!

よし刺さったな。まぁこんだけ魔力を込めてダメだったら死んでたな。

『グォ!痛ぇな!だがその程度じゃあなぁぁ!』

グレンデルは余裕そうだが俺の本命はここからだぜ?

「グレンデル、こういう言葉知ってるか?」

『あん?なんだよ!この状況で授業でもしようってか!?』

「まぁ冥土の土産ってやつだ聞いとけ!」

『冥土の土産?なめるなよ!悪魔がぁぁぁ!』

グレンデルはそう言うと足元の闇を振り払い飛び上がる。

おそらくボディープレスで俺を潰すつもりなんだろうが…もう遅い!

「外からダメなら中からってな!」

俺はそう言うと一気に魔力を流し込んでいく!

その瞬間グレンデルは苦しみ空中でバランス崩しを背中から落ちる。

『ッ!なんだよ!なんなんだよ!』

そう言いながら俺を振り払おうと手を振ってくるがするがその前に流し込む魔力を増やす!

『グゥァァァァァァ!』

グレンデルは苦しみ攻撃する余裕すらなくなってきていた。

俺がやっていること、簡単だ。体内に直接滅びの魔力を流し込んでいる。肉を内臓を骨を少しずつ消し飛ばしていく。俺の大剣が刺さればもはや避けようのない一撃!ある意味俺の切り札みたいなもんだ!

グレンデルは苦しみのあまり横に転がりだした!もちろん腹に張り付いている俺も潰されるが今離したら止めまで持っていけない!

そのまま張り付き続け魔力をさらに流し込んでいく!

それからも何度も潰されながらも流し込み続けそしてついにグレンデルが動かなくなる。タイミング悪く丁度俺が下のときに止まってしまった。

というわけで俺は残った魔力でグレンデルの体を完全に消し飛ばし脱出する!

「シドウさん!大丈夫ですか!」

「ああ、どうにかな……」

とは言っても骨が何本か逝ったなこれは……

グレンデルの体を完全に消し飛ばす気でやったんだが頭だけ残ってるな。

『くそ!くそ!この俺がぁぁ!』

「「!?」」

頭だけのグレンデルが悔しそうに叫んだ。それを聞いて俺とイッセーは驚く。

頭だけでも死なないのかよ……脳までは消し飛ばせなかったか。もう魔力がカツカツだぞ。

「グレンデル……だから言ったのですよ。素直に聞いていれば白い方と戦えたというのに」

ローブの男はそう言うと龍門(ドラゴン・ゲート)を展開しグレンデルが何か言う前に転移させた。

それを確認するとローブの男はフードを取り払う。

その男は銀髪の若い青年だった。そして俺は同時にあのとき探ったオーラの答えを確信した。

俺が睨み付けるなか男は言う。

「私は"ルキフグス"。ユーグリット・ルキフグスです」

やはりそうか!あいつはグレイフィア義姉さんの親族か!

「この町に侵入し魔法使いを招き入れたのはあなたですね?グレイフィア様と同質のオーラを持つ者なら結界を通過出来てもおかしくありません」

ソーナが言うがおそらくそれが結界関係の真実だろう。

ユーグリットはそれを聞いて冷淡な声音になる。

「姉に、グレモリーの従僕に成り下がったグレイフィア・ルキフグスに伝えておいてください。あなたがルキフグスの役目を放棄して自由に生きるのであれば、私にもその権利がある、と」

……なるほどグレイフィア義姉さんの弟か。ん?待てよ……

俺がそう考えているとユーグリットは再び口を開く。

「それでは"義兄さん"またお会いしましょう」

やっぱりそうなるよな!義姉さんの弟ならな!てかあいつの方が年下なのか……

俺が真剣にどうでもいいようなことも考えていると、ユーグリットは転移魔方陣に消えていった。

その瞬間この空間が崩れ始めた。ここももう持たないな。

するとギャスパーが再び倒れてしまった。

「とにかく脱出だ!ソーナ、朱乃、転移の準備頼む!」

「「はい!(わかりましたわ!)」」

二人は返事をすると転移魔方陣を展開し始める。ギャスパーは小猫が回収していた。

すると、レイヴェルが手元に小型魔方陣を発生させて培養カプセルのほうに放っていた。その魔方陣がカプセルに当たると一度輝いてから消えた。

「……せめて、これぐらいはさせてもらいますわ」

そうか今のは……

「そんじゃ俺もやっとくか」

俺も小型魔方陣をカプセルに飛ばす。

これでマーキング完了だ。

ソーナと朱乃がそれを確認すると俺たちは転移の光に包まれる。

それにしても、邪龍とユーグリット・ルキフグスか。

俺は転移の光の中でその事を考えていた。

 

 

 

 

 

 




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