グレモリー家の次男   作:EGO

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今日は二話いきたいと思います。
では一話目、どうぞ


life07 襲撃の理由だぜ

あのクローンを見せられた後、いくつか話を聞かされ再び移動することになった。俺は泣いているレイヴェル嬢を立ち上がらせる。

するとカプセルのすぐ後ろの壁がまたスライドした。それを確認すると男が手で行けと合図してくる。そのまま進むとまた白一色の部屋に到着した。

今回のは随分広いな。これぐらいなら好きに暴れられそうだ。

俺たちは部屋の中央ほどまで進むと俺たちがさっきまでいた部屋の壁が閉まり見えなくなる。すると左前方五メートルに転移魔方陣が展開され光だした。

その光が止むとそこにいたのは

「シドウ様、皆様もご無事ですか?」

「ソーナ!?何でここに!?……いや、何でかはわかる」

ソーナと匙、リアス眷属とイリナだった。助けに来てくれたのか……また迷惑かけちまったな

「ここは次元の狭間に作った"工場"なのですよ。悪魔のゲームフィールド技術の応用で作りました」

フードの男が口を開いた。イッセーたちは警戒して男を見ていた。

男は続ける。

「彼らをお返ししましょう」

ローブの男が言ってきたが俺たちは警戒して動かなかったが、男は何もしてこない。そこで俺たちは警戒しつつもイッセーたちの方に移動した。

「イッセー様………」

レイヴェル嬢が瞳を潤ませていた。

「レイヴェル、何かされたか?あいつらフェニックスのことを探ってると聞いたから……」

イッセーの一言にレイヴェルは黙りこみ体を震わせていた。

「俺は何かを魔方陣で調べられたが……小猫は?」

「こちらも同じです。ただギャーくんが私たちを守ろうとして………」

俺たちが話していると男が言う。

「彼に関しては申し訳ない、こちらの落ち度です。彼が立ち向かってきたもので配下の者がつい手を出してしまったようです。それ以外は丁寧に扱いました」

それを聞いてリアス眷属全員のオーラが高まった。

このオーラは怒りによるものだな。後輩にこんなことされたら誰でもキレるか……

そんなイッセーたちをソーナは手で制して口を開く。

「あなたが今回の黒幕ですか?」

「ええ、そうです」

男はソーナの問いに即答した。

今度は俺が訊く。さっきは何にも聞けなかったからな。

「テメェは禍の団(カオス・ブリゲード)なのか?そうだとしても襲撃の理由はなんなんだ?」

「ええ、禍の団(カオス・ブリゲード)をさせてもらっています。そして今回の襲撃の理由はいくつかありまして。まず一つ目は彼らの好奇心です。もともとここに所属していた者たち……」

「その者たちとはぐれ魔法使いの集団は手を組んでいた、でしょう?先ほど私たちが戦ったのはそんな彼らの混成チームでした」

「彼らは比較的頻繁に交流していたようですから」

「今回の襲撃は協会が出したという若手悪魔の評価に関連しますか?先ほどの集団戦で私たちの力に関して大変な関心を抱いていました」

「私が説明しなくてもいいぐらいですね」

ソーナと男が話していくが簡単に言うと、今回はあいつらの好奇心で襲ってきたと、なるほどね……身勝手な連中だ。

「若手が多いため自制が効きにくいところがあったのですよ」

「まぁお前らの二大派閥が無くなって、そいつらの意見が通りやすかった。てのもあるだろ?」

「ええ、私が一部指揮しているのですがなかなか大変でして。今回の襲撃は彼らのわがままを叶えた形でした。上からも"好きにやらせてみろ"と言われていましたから」

こいつよりもさらに上の立場の奴がいるのか……一体どんな奴だ。

「そして二つ目はこれです」

男がそう言うと俺たちが通ってきた部屋がまた見えるように壁がスライドする。

ここからでも培養カプセルが見える距離だ。

レイヴェルがその部屋から目を逸らした。確かに何度も見たい物ではないよな……

「フェニックスの涙の製造方法はなかなか面倒でしてね。純血のフェニックスの者が、特殊な魔方陣の中で特殊な杯を使い、その杯の水に自らの涙を落とすのです。ここまでならどうにか出来るのですが、その時心を無にしなければならないのですよ。感情がこもっていたらそれはただの涙です。そうなると脅してやらせたらそれはもう助かりたいが一心でやる自分のための涙になってしまい意味がない。なのでフェニックスのクローンを作り涙を量産することにしました」

さっき俺たちが聞かされたことを再び話してきた。

「と言ってもここは廃棄する予定なのでもう機能は停止させています」

「そしてここで作ったものを闇のマーケットに流して資金を集める。フェニックス関係者に接触したのはその精度をあげるためですね?」

「ご理解が早くて助かります。シトリー家次期当主。どうやら魔法使いの研究でも限界があるようでしたので、最終手段としてフェニックス関係者に接触していたのです。そして純血の者でないとわからないこともあるようでしたのでレイヴェル・フェニックスを連れ去ることにしたようです。心配しないでください。彼女の体には何もしていませんから」

男はそう言うがこいつらレイヴェル嬢の心を傷つけまくりやがって!

「酷い……酷いよ……………どうして」

レイヴェル嬢はまた涙を流していた。裏のルートで涙を手に入れていたが、それが止められて独自に研究していやがったのか。

男は気にせず淡々と言う。

「ギャスパー・ヴラディの情報は予想外の収穫でした」

相変わらずこいつの言葉には心を感じない。こんなことを話したら多少興奮とかが言葉に混じると思うのだが……

男はローブを翻して改まる。

「さて、次が最後の理由です。あなた方と戦いたいと願う者がいるのでお相手をしてもらえませんか?実は今回の襲撃はそれが主目的でした。それ以外はあくまでも"ついで"でして」

男がそう言うと巨大な魔方陣が展開された。

お相手、ね。いいぜ、丁度イライラしまくっているところだからな!

にしてもこの魔方陣見たことあるな。よくドラゴンを呼ぶのに使うやつだったか。

龍門(ドラゴン・ゲート)?」

匙が呟いた。

そうだ、それだ!イッセーを呼び出そうとして駒だけが帰って来たあれ………何か嫌なものを思い出してしまった。

その龍門(ドラゴン・ゲート)は深い緑色をしていた。

俺が知る限り深緑を司るのは!

「深緑を司るドラゴン………テメェまさか!」

「ええ、そのまさかですよ」

ローブの男がそう言うと龍門(ドラゴン・ゲート)の輝きが増していき、弾けた!

グオオオオオオオオ!

その瞬間この空間を震わせる程の咆哮が響き渡った。

 

 

 

 

 




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