あれから無事に戦後処理も進み俺は無事に駒王学園に戻ってこれた。
早速部室に来たわけだがアザゼルからあることを聞かされ室内に混乱が生まれていた。
「やっぱり、総督を更迭されたか。仕方ないとは思うが」
「確かにな。うるさい連中に黙ってオーフィスなんざここに招き入れちまったわけだ。仕方ないさ」
今俺が言った通り、アザゼルは総督を更迭つまり辞めたのだ。
「で、アザゼル。今のお前の肩書きはどうなったんだ?」
一応訊いておく、どうせ何とか顧問とかそんなんだろうがな。
訊かれたアザゼルは首をひねっている。
「うーん、一応この地域の"監督"ってところだな。グリゴリだと"特別技術顧問"だ」
あんまり変わってない気がするんだが……
「"総督"から"監督"」
小猫が呟くが、大して違いなくね?
要するに組織のトップが地域のトップになっただけだろ
「ま、そういうことだ。今の総督はシェムハザになった。副総督はバラキエルだ。あー、さっぱりした!こう堅苦しいのは頭の堅い連中の方がお似合いだ。これで安心して趣味に没頭できる」
なんか開放的な表情をしているんだが!?こいつが余計に自由にやりだしたら俺やロスヴァイセだけじゃ止められないぞ!
俺がそんな事を考えているとアザゼルが三通の書類を取り出した。
「あ!それは!」
「リッパー……隙だらけだったぞ?疲れてんじゃないのか?」
俺が兄さんから預かってきた奴じゃないかよ!いつの間に!まぁアザゼルに渡してくれって言われてたけどさ。
にしてもホントに疲れてんのかな?
「とりあえずこれは先日の中級悪魔昇格試験の合否発表の紙だ。サーゼクスは忙しいし、リッパーは疲れが溜まってるようだから代理で俺が告げる」
「もう好きにしてくれ……」
俺が嘆息しながら言うとイッセーが声を出した。
「ちょ!シドウさん!いいんですか!?」
「最初からアザゼルに渡せって言われてたからいいんだよ」
「そういうわけだ。まず、木場。合格だ。おめでとう」
「ありがとうございます」
木場は書類を受け取り頭を下げる。
「次に朱乃お前も合格だ。バラキエルに言ったら男泣きしてたぞ」
「もう、父様ったら。ありがとうございますわ」
顔を赤くしながら書類を受け取る朱乃。
そしてラスト一枚になった。
「最後にイッセー」
「は、はい!」
名前を呼ばれ緊張気味に返事をしたイッセーだが何とも言えない表情をしていた。
やってみて可もなく不可もなくみたいな感じだったんだろうな。
そんなイッセーのことを知ってか知らずかアザゼルは早々に口を開いた。
「お前も合格だ。おめでとさん」
「…………や、やったぁぁぁぁ!」
イッセーは万歳をしながら大声を上げていた。
一応アザゼルが言ってないことを伝えておこう。
「で、三人とも。正式な授与式は後日連絡があるから気を付けろよ」
「「「はい!(わかりました)(わかりましたわ)」」」
「ならOKだ。それとイッセー」
俺はイッセーに指を突きつける。
「な、何でしょうか?」
「お前の復活劇はもう上役の語り草になってる 。現魔王派の対立派閥はお前に畏怖し始めてるぐらいだ」
「な、なんでですか?」
「殺しても死なないからだよ。最強の
「そうだぞイッセー!お前どんだけだよ!本っ当におかしいぞ?もはや存在がな」
言われてるイッセーはわかってない感じになってるが仕方ないか……な?
ちなみに
この事は一般の悪魔には知らされていないことだ。要らん混乱が生まれそうだからな。
俺がそうこう思っているとアザゼルが話を続けていた。
「ここまで来たらあれだ。世界中にいる悪い奴はお前が倒せ。そしたら俺たちが楽できる」
それを聞いたイッセーはすごいイヤそうな顔をしていた。
仕方ないね、イッセーの夢はハーレムだからね。
そこ!もうできてるだろとか変な事言うなよ?
「ところで先生、シドウさん。英雄派のその後は?」
イッセーの質問に俺が答える。
「気になるか?ハーデスや旧魔王派の横やりがあって正規メンバーのほとんどがやられた。拠点への襲撃も止んだし、英雄派は終わったようなもんだな」
「それに曹操たち
俺に続いてアザゼルも答えてくれたが、何とも言えんな。
あいつらの事だから生きてるんだろうが。
俺はあいつらが生きているとどこかで確信していた。理由はわからないがそんな気がする。
アザゼルはどこか合点がいかない表情をしているが
「奪われた、ってことはないのかしら?強力な
リアスの意見を聞いたアザゼルは頷いていた。
「まぁ、そうなるよな。そうだとしたら俺が考える最悪のシナリオが今後起きないことを願うばかりなんだが…」
アザゼルの奴、スゲエ険しい顔してるな。
また戦争はゴメンだぜ。ホントによ……
するとアザゼルは苦笑いをし始める。
「ま、あいつらの失点はお前らに手を出したことだな。よく言うだろ触らぬ神に祟りなしってな」
「この場合は触らぬ悪魔に祟りなしじゃないか?」
「腫れ物のように言わないでくださいよ!」
「だがなイッセー!お前らそのうち伝説になるんじゃないか?奴らにケンカを売ったら生きて帰れないってな!」
アザゼルがふざけて言ってるんだろうが、マジでなりそうで怖いわ。
それを聞いたリアスは嘆息していた。
「私たちは悪霊や怨霊ではないのよ?変な風に言わないでちょうだい」
「けれど、実際襲われたらやっちゃうしかありませんわ」
朱乃がイヤな笑みを浮かべていた。
あれはあれだ。Sっ気が強い奴の笑みだ。
そんな事を知ってか知らずかアザゼルは続ける。
「だかな、
魔法使いの派閥とかもあったな。そいつらもイッセーたちを狙うかな?
俺はそんな事を考えつつ部屋の隅を見る。
「だが元ボスがこっちにいるからな~」
俺が言うとイッセーたちもそっちを見る。
視線の先にはボケーっとしているオーフィスがいた。
イッセーと目が合うとオーフィスは口を開いた。
「我、ドライグと友達」
そういえば、イッセーがそんな事を言ってたな。
「俺は兵藤一誠って名前があるんだよ。友達はイッセーって呼ぶんだ」
「わかった。イッセー」
即答で返すオーフィス。ホントにイッセーに懐かれてるな。
女子たちがしようとする事を見様見真似でやったりしてるし、イッセーが言ってたとうり純粋なんだな。
「俺の呼び方はそれでよし」
呼ばれかたは解決したらしいが念のために言っておくか。
「イッセー。オーフィスは眷属にできないからなわかってるな?」
「はい、オーフィスはここにいないことになってるからですよね」
「ああ、テロリストの親玉だったやつだからな。今も封印を何重にも掛けて強すぎるドラゴン程度にしてあるぐらいだ。それに神格クラスは転生出来ないからな。半神のヴァルキリーはいけたが」
俺が解説を終えると木場が口を開いた。
「彼らに奪われたオーフィスの力がどうなるか、それが気になりますね」
確かにそうだ。英雄派がその力を使って新たなオーフィスを作りそれを傀儡にしようとしていたらしいが、その英雄派が潰れたわけだからな。
「それは意見がわかれてるところだ。だが何かしらやってるってことは一致している。そのうち会うだろうから覚悟決めとけ」
俺の発言でイッセーはうなだれていたが、リアスが話題を変える。
「それも大事だけれど当面の目的は三つね。一つはギャスパーのこと」
それを言われたギャスパーはあわあわしていたが、例の話だろう。俺は見てないからわからないがなんかスゴかったらしい。一人でゲオルグを倒したって話だ。
「今まで事情が重なって静観していたんだけど、いい加減"ヴラディ家"にいえヴァンパイヤの一族にコンタクトを取るわ。ギャスパーの力をきちんと把握しないと」
「す、すいません」
それを聞いてギャスパーは恐縮していたが他にも色々ありそうだな。
「ヴァンパイヤも内部でもめてるからな。要らない戦いに巻き込まれるかもだが」
俺は嘆息しながら言う。
「ご、ご迷惑おかけします……」
ギャスパーが謝ることでもないと思うんだがな。あまり深くは言及しないでいこう。
それからも魔法使いとの契約の話をしていったが俺はどうしたもんかな?任務のせいでマトモにやった記憶がないわ。
更にその後にイッセーとのデートの話になったがリアス以外(男子、教師含め)にも誘われたイッセーが俺に助けを求めてきたが無視だ!無視!なんか疲れてるからゆっくりさせてくれ。
この章はここまでです。
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