では一話目、どうぞ
life01 魔獣襲来だぜ
あれから二日程経ち俺はセラのところに向かっていた。
シャルバ・ベルゼブブの外法にによって生み出された例の魔獣は全部で十三体。それらは出現後、各重要拠点と主要都市に進撃を開始した。
今頃テレビでも伝えられているはずだ。
このまま行けば速い奴は今日にでも都市部にたどり着いてしまうだろう。他の奴も明日にはたどり着いてしまう。
さらに厄介なのは奴らは進撃しながら小型のモンスターを生み出していることだ。こちらは一体一体が人間より少し大きいぐらいではあるが数が多く被害を大きくしている。
奴らが通った場所には何も残らないと言うしかないほど酷い状況だ。
その魔獣たちの中で一番大きいのが魔王領の首都リリスを目指している奴だ。これを冥界政府は
昨夜
その事実が余計に民衆の不安を煽ることになってしまった。
そして旧魔王派がクーデターを各地で起こしている。この状況はあいつら的には計画通りであり、その対処にも人員を割いてしまっている。
さらにこの混乱に乗じて上級悪魔の眷属も暴れだしていると報告を聞いた。前に行ったように主への復讐をしているのだろうとすぐに考えられた。こちらにもさらに人員を割いてしまっている。
この状況を裏で手引きしたのは冥府の神ハーデスなのだろうが………英雄派の連中も一杯食わされたようだが、奴らも何をしてくるかわからない以上、神や魔王を下手に前線に出せない。ハーデスがいつ
兄さんが中心となり民衆の避難を最優先させているため大きな死傷者が出ていないことだけが幸いと言える。
そんなこんなでセラのいる部屋に到着。
「失礼します」
一言言ってからドアを開ける。
「シドウ、待ってたわ」
俺が最後か……
「マスター、指示は」
「これから眷属のみんなには
『ハッ!仰せのままに!』
奴らを斬って来いってことだな。上等だ。
「もうすぐアジュカちゃんが対魔獣用の魔方陣を完成させてくれるはずだからそれまではどうにか進行を止めて。完成したら一気に叩くわ。では準備を始めて」
セラの一言で次々と部屋を退出していく。俺も行こうと立ち上がると
「シドウ、いいかしら」
「……はい」
俺だけ残された。
「………大丈夫?」
「?……俺は健康だが」
「そうじゃなくて」
「わかってるさ、正直あの時一緒に行っておけばよかったと思ってる。けど過ぎたことは考えてもしかたないだろ?今は魔獣どもをどうにかしないと」
「リアスちゃんは?」
「………どうだろうな。部屋にこもった後一応声は掛けてきたが反応してくれなかった」
「大丈夫かしら」
「ソーナにも頼んだし、それでも無理かもしれないから一つ頼んである」
「頼んである?」
「まぁ発破かけるのに最適な奴に連絡してくれってな」
「何となくわかったわ」
「そんじゃ、準備してくる」
「わかったわ、ごめんなさい呼び止めちゃって」
「いや、ありがとな」
「え?」
「何でもない」
俺はそう言い残して部屋を出た。
情けないな……兄としてリアスに何もしてやれてない……
俺はそう思いながら準備を始めるのだった。
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