グレモリー家の次男   作:EGO

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life10 脱出作戦開始だぜ

あれからしばらく俺、アザぜル、リアス、途中で呼んだ朱乃の四人で作戦を練り、ようやくまとまったところだ。

そこで動けるメンバーを一室に集め、集まったところでアザぜルが説明を始める。

「さて、まずはどうすればこの空間から出れるかだが、方法としては三つだ。一つ目は術者が、つまりゲオルグが自ら解除すること。これは京都でやっていたことだな。二つ目は強制的に出入りすること。こっちは今からやろうとしていることだ。最後に三つ目は単純明快。術者を倒すか、結界を支えてる中心を破壊することだ。その作戦を伝える前に、ルフェイ場所を頼む」

「はい。総督」

ルフェイが返事をすると、ホテルの見取り図を置く。そこに目印になるもの(今回は紙の鶴だ)を複数置いていき、外部に"目"を作り出すとのことだ。その後も魔術文字を書いたり、呪文を唱えたり、灰をまいたりなどの手順を踏んでいき術式を完成させる。

俺はあんまり詳しくないからよくわからんが、リアスや朱乃が興味深そうに眺めている。

ルフェイが手を見取り図に向けると鶴が動きだし、魔術文字が光り、灰が動いて紋様を描いていく。

そこまでするとルフェイが口を開く。

「駐車場に一つ、屋上に一つ、二階ホールに一つの計三つですね。それらは尾をくわえたウロボロスの形の像です」

ルフェイはその像を紙に描きアザぜルに渡し俺にも見せてくれる。

「三つとは随分大がかりだな。力を削ったオーフィスを封じる前提で作ったんだろ。それでルフェイ、死神はどんな感じだ?」

「はい、総督。どの結界装置にも死神の方々が集結しています。というか、この階層以外にもたくさんいらっしゃいます。駐車場が一番多そうですね。曹操様はいませんが、ジークフリート様がいらっしゃっていまし、ゲオルグ様は駐車場にいらっしゃいますね」

ルフェイの言葉に俺が呟く。

「てことは駐車場の装置が一番重要ってことだな。そいつを壊せればいいが……」

「兄様、アザぜル、先程の作戦通りに行きましょう」

それを聞いて俺とアザぜルは頷く。

「ああ、にしてもイッセー。お前が惚れた女は誰よりもお前を理解しているようだぜ?」

アザぜルが苦笑しながら言うが、まったくその通りだよ。

イッセーはわかってない感じだが、朱乃が耳打ちする。

それを聞いてイッセーには仰天していたが、俺も驚いたぜ。

尊敬の眼差しをリアスに送っているイッセー。俺はそんなイッセーの肩に手を置く。

「俺だって驚いたんだぜ?まったく。リアスはお前に夢中だよ。ソーナとは違う方向の戦術だろ」

それを聞いてイッセーは何回も頷いてきた。

「さて、皆、集まって」

リアスの声かけに全員がリアスに注目する。

「さぁ、私の大事な眷属たち。さっさと突破しましょう。作戦を説明するわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちの説明が終わった後、駐車場が一望できる部屋に移動したときに小猫のイッセーへの逆プロポーズ騒ぎがあったがイッセーがどうにか沈めてくれた。

「術式、組み終わりました」

そんな中でも準備を進めていたルフェイの言葉を受けて、リアスがイッセーに合図を送る。

それを受けてイッセーが叫ぶ。

龍牙の僧侶(ウェルス・ブラスター・ビショップ)!」

その叫びと共に赤いオーラがイッセーの背中に集まり、バックパックとキャノンが生み出される。イッセーはそのキャノンを上下に向けてさらに叫ぶ。

「行きます!」

作戦は簡単だ。屋上と二階ホールの装置をまとめて吹き飛ばす。砲撃力の高いイッセーだからできる作戦だ。

ドゥゥゥゥ………

イッセーのバックパックが静かに鳴動してオーラを集めていく。それが溜まりきったところで

「いっけぇぇぇぇぇ!ドラゴンブラスタァァァァァ!」

ズドォォォォォオオオ!

イッセーの砲撃で天井と床に穴が空いた。

それを確認したルフェイが告げる。

「屋上と二階ホールの装置が破壊されました!死神の方々ごとです!これで残るは駐車場だけです!………転移の準備も出来ました!」

言い終わった瞬間、転移の魔方陣が輝きだし、ルフェイ、イリナ、ゼノヴィアを包み込んだ。

「二人とも!頼むぞ!」

転移の光に包まれる二人にイッセーが告げる。

「死ぬなよ!」

「この事は必ず伝えるから!」

そう言い残して、二人は脱出した。

「よし!これで後はあいつらを倒して装置をぶっ壊せば終わりだ!いくぞ!」

俺はそう言いながら大剣を横薙ぎに振り部屋の窓とその周辺の壁を破壊する!

『はい!』

皆が返事をして、前衛の俺、アザぜル、リアス、木場、朱乃は翼を広げ飛び出していく!今回イッセーは後衛で援護砲撃をしてもらうことになっている。アーシアは回復の光を矢として放ってもらい、黒歌は防御結界を張り、小猫はその護衛、ヴァーリも無理しない程度にやってもらっている。オーフィスも後衛組と一緒にいてもらっている。

俺たち前衛組は前に出てきた死神の一団とそのまま激突する!

一人また一人と斬っていくわけだが………こいつら弱くね?

俺がそんな事を思った直後

ドッゴォォォォォォォォォォン!

突然の爆発と煙で視界が奪われる。すぐさま、煙から飛び出し近くにいたアザぜルに訊く。

「アザぜル!今の誰のだ!」

「多分オーフィスだろ!ちょっと待ってろ!行ってくる!」

そう言って後衛組の方に飛んで行った。

「とにかくお前ら無事か!」

「私は大丈夫よ!」

「こちらもですわ!」

「同じくです!」

「了解、作戦続行だ!行くぜ!」

こうして俺たちの脱出作戦が始まったのだった。

 

 

 

 

 




今回はここまでです。
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