グレモリー家の次男   作:EGO

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本日三話目、どうぞ


life05 報告とこれからだぜ

イッセーたちを送り出し俺たちはホテルで試験が終わるまで待機しているところだ。念のためヴァーリチームには変装させてフェンリルはルフェイの影の中に、オーフィスはそのまま(誰も顔を知らないため)の状態だ。

にしてもそろそろ終わってもいい頃だと思うが。

俺がそう思った矢先連絡用の魔方陣が展開された。

「アザぜル!来たぞ!」

「へいへい」

「また昼酒かよ!まったく」

俺がアザぜルに物申しているとイッセーの声が聞こえてくる。

『アザぜル先生!シドウさん!実技なんですけど…』

俺がにやけながら答える。

「圧勝だっただろ?」

『は、はい』

「やれやれ、言ったろ?そっちの三人は上級悪魔クラスだって。その試験に参加するのは高くても中級悪魔の上クラスだぞ?負ける方がおかしいぜ」

『知りませんでした。俺たちそんなに強くなってたんですね』

「イッセー、自分が弱いとか思ってるかもしれないが今までのは相手が強すぎるだけだ。今のお前らは十分に強いよ。そのうち全員が上級悪魔クラスになるだろうな」

ここまで言うとイッセーは不思議そうな顔をしている。

「どうした?まだ聞きたいことでもあるか?」

『あの~、アザぜル先生は?』

「また昼酒だよ。まったくいいご身分だ」

「うるせ~」

「こんな感じだ、わかったか?」

『あっはい』

イッセーの返事にアザぜルが軽くキレながら叫ぶ。

「何が、あっはいだ!イッセー!」

「アザぜルうるせぇ!耳元で叫ぶな!」

「なんだとリッパー!いいじゃねぇかよ!」

アザぜルはそこで一旦息を吐いて落ち着く。

「にしても、よくこれだけのメンツと巡り合ったもんだよ、お前の惚れた女は」

「にしても、じゃねぇよ。まぁ確かにスゴいがな」

俺たちの言葉にイッセーが自信満々の表情で言う。

「はい、リアスは最高の女性です!」

なるほど、なるほど

「おい、リアス。イッセーが"リアスは最大の女性です"だとさ」

「………」///

リアス、顔真っ赤にしてるな。まったく慣れなさいよいい加減。

『ちょ、シドウさん!?リアスもいるんですか!?』

「ああ、いるぜ。にしても顔真っ赤にしてるぞ、リアスのやつ」

俺がイッセーとリアスを煽っているとアザぜルが突然声を出す。

「お前らお熱いこったな!クソ!涙が出てくるぜ!俺は独り身を極めっかな、ちくしょう!」

調子狂うなまったく。

俺は気を取り直して続ける。

「アザぜルがさっきリアスにちょうど言ってはいたんだ。リアス自身がそこまで強くなることもないってな」

それを聞いてイッセーも思うことがあるのか考え込んでいるが俺は続ける。

「リアスの持つ一番の武器は、巡り合わせの良さなのかもな。眷属の豊富さだけでいったら上級悪魔の比じゃない。これは生まれもってのものだからこれからも続くはずだぜ?こういうのは」

「俺的に言わせてもらえば、もはや奇跡、いやそれをとうり越してイカれてるレベルだな」

アザぜルも言うが、イカれてるレベルね、確かにそうかもな。

「とりあえず試験は終わったろ?センターにある転移魔方陣でこっちに来い。とりあえず打ち上げといこう」

『はい!向かいます!』

そこで連絡用魔方陣が消えた。

あいつらのことだからしっかり受かるだろ。後は中間テストだな。イッセーが心配だ。一段落したら勉強見てやろう。

俺はそう思いながらイッセーたちの帰りを待とうとしたのだが

「くそ!何で俺には出会いがないんだぁぁぁ!」

アザぜルがいつかのロスヴァイセみたいになってるんだが、無視でいこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後無事に到着した。イッセーたちと食事をしていたんだが、イッセーがある話題を振ってきたんだ。

「先生、一つ思ったんですけど俺の覇龍《ジャガーノート・ドライブ》みたいなのは他にもあるんですか?」

「ああ、できる。強力なドラゴンを封じたものでやれば覇龍だが、強力な魔物を封じたものだと覇獣《ブレイクダウン・ビースト》てのがある。まぁお前らの覇龍の方が強力だがな。だからといって使うやつはいないさ。力は劣るが代償が同じだからな」

実際使うやつなんていないだろあんなヤバイもんを。

そこでまたイッセーに疑問が生まれたのか訊いてくる。

「アザぜル先生、サイラオーグさんのレグルスは神滅具《ロンギヌス》ですよね?」

「そうだ。あれは本来"獅子王の戦斧"《レグルス・ネメア》だ。今さらどうした?」

「いえ、神滅具って発見したらすぐに報告が決められてるんですよね?でもバアル側は報告しなかった。それって同盟違反では?」

「イッセー、所謂ところの政治ってやつだ。あのゲームの後大王派の連中は相当追及されてる」

アザぜルが返すがまたイッセーは訊いてくる。

「黄昏の聖槍《トゥルー・ロンギヌス》の覇輝《トゥルース・イデア》っていうのは?やっぱり覇龍的な何かですか?」

「イッセー、あの槍にはな、あれには"聖書に記されし神の遺志"みたいなもんが封じられてるんだ」

それを聞いてイッセーはまた何かを考え込んでいるようだ。

最近脳ミソフル回転だな。イッセー

「なんで神か神を殺せるものを作り残したのか、それは誰にもわかっていない。どちらにしても聖槍があったから神滅具が定義され今のところ十三種類あるわけだ」

「この調子じゃそのうち増えるだろうな」

アザぜルに俺が続いて俺の考えも言っておく。

「だろうな。だから神器研究は面白いんだよ」

「はいはい」

そのやりとりの後も話は続いていったんだが、そこにアーシアも参戦し話は広がっていった。

どうやらアザぜルはそのうちアーシアに魔物を使役させたいようだ。俺もそれには賛成だし、楽しみだ。他のメンバーの強化プランも固まってきているし俺も負けてられないな。

俺がそう思った時全身を嫌な感覚が包み込んだ。

一瞬で転移させられたような感覚、

「アザぜル、これは」

「ああ、だろうな」

俺とアザぜルが確認しているとき黒歌が変装をときながら呟く。

「"本命"が来ちゃうなんてね。ヴァーリはまかれたようにゃ」

本命、つまりあいつらか。

俺がそう思った瞬間、俺たちを霧が包み込んでいった。

 

 

 

 


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