グレモリー家の次男   作:EGO

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本日二話目どうぞ


life04 出発だぜ

あれから何日か経ち今俺はイッセー宅の地下にあるプールにいる。理由は簡単

「ルフェイちーん!パス!」

「はーい!フェンリルちゃん!」

「………」ボフ

「ちょっとフェンリルちんどこ跳ばしてるのよ!」

「あはは…大丈夫ですか?フェンリルちゃん」

「…………」

ヴァーリチームの監視だ。

一応家から出るなとは言ってあるがこいつらが何するかわからないので他のメンバーはテストで忙しいこともあり、俺がやることになった。オーフィスはイッセーのところにいる。

にしてもあいつら緊張感の欠片もないな。ここ敵地みたいなもんなのに。

俺はそう思いながら監視を続けるのだった。

 

 

 

 

 

その日の夜、俺は部屋に戻ろうと階段を上がっていたのだが

「イッセー様から離れてください!」

今のはレイヴェル嬢の声か。何事だ?

声のした階で廊下に出てみると黒歌とすれ違った。

「お前、何かしたのか?」

「いいえ~別に♪」

俺が訊くと黒歌は舌を出して部屋に戻っていった。

小猫の部屋から明かりが漏れてるな、あそこか

「小猫、入るぞ」

一言声をかけてから部屋に入ると小猫の頬に手を当てているイッセーが!

「ちょ!イッセー!それは…」

俺が心配して声をかけたが小猫はノーリアクションだ。

それを確認してイッセーが訊く。

「小猫ちゃん。体調どう?」

言われた小猫は自分の体を触り確かめてから言う。

「普通に戻ってます」

それはよかったが

「何が起こってますの?」

レイヴェル嬢が言ったとうりだ。なにが…まさか黒歌が?

「とりあえず、部屋に戻ったらどうだ?」

「はい」

「わかりましたわ」

俺の一言で解散となったわけだが、とりあえずイッセーの心配事が一つ減ったわけだからな、よかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遂に来てしまった試験当日。イッセーたちを転移魔法で会場まで送り俺たち試験に参加しないメンバーは近くのホテルで終わるまで移動し待機することになっている。

理由は簡単、イッセーたちは有名すぎるからだ。ただですら番組で人気だと言うのにこの間のゲーム中に告白したことによってさらに拍車がかかってしまったからだそうだ。

レイヴェル嬢の兄、ライザー・フェニックスのところにも取材が殺到しているそうだ。一応リアスの"元"婚約者だからだろう。

するとイッセーがキョロキョロしてるな

「どうした、イッセー?」

「いえ、ギャスパーがいないなと思いまして」

「ギャスパーか、詳しくはアザぜルに聞け」

「はいはい、ギャスパーは今朝早くに"一人で"グリゴリの施設に向かった」

「ひ、一人で!あいつが!?」

「ああ、バアル戦の後にな、泣きついてきたんだ」

『もう守られるばかりは嫌なんです!先輩みたいに強くなりたいんです!』

「だとさ」

アザぜルに説明させてから俺も続く

「臆病な性格のあいつが一人で行くと決めた。相当な覚悟を持って行ったんだろ。今頃あいつも頑張っているはずだ」

俺たちの話を聞いてどこか嬉しそうな顔をしたイッセーは次にオーフィスたちに目を向けた。何を言いたいのか何となくわかった俺は訊かれる前に言っておく。

「イッセー、安心しろあいつらは俺たちと一緒に行動するから」

「はい、わかりました」

イッセーの返事を聞いたアザぜルが言う。

「それと試験が終わったらオーフィスを連れてサーゼクスたちのところに行く。オーフィスはイッセーが行くなら一緒に行くと言っているからな。お前らも行くことになる」

前に言ってたタイミングってこれのことだな。

「これで終われば一気にテロリスト全滅ってのも夢じゃなくなってきたな」

「ああ、ホントヴァーリには感謝したいくらいだぜ」

俺とアザぜルの会話を聞いてイッセーが訊いてくる。

「ヴァーリは何を考えてるんでしょうか?」

それを言われたアザぜルは目を細めながら言う。

「隠そうとしたのかもな。脅威から」

脅威か、オーフィスを狙うやつは多いからな。例えば身内の英雄とか。

イッセーは何か考え込んでいるが今は

「イッセー、深く考えるのは後だ。今は…」

「わかってますよ。試験頑張ります!」

イッセーの言葉を聞いて転移させようとした時、リアスが声を出す。

「兄様、少し待ってください」

「ん?あぁわかった」

一旦転移を中止したところでリアスがイッセーに近づき頬にキスをした。するとイッセーが

「リアス!俺が試験に合格したらデートしてください!」

おお!イッセーがガッツを出してデートの誘いを!

それにリアスはとても嬉しそうに笑顔で答える。

「ええ。デートしましょう。約束よ。待ってるから」

良かったなーこれでグレモリー家は安泰だ。

「前にも言ったかもしれんが二人きりの時にやれ」

「いいじゃねぇかアザぜル。若いってああいうことだろ」

アザぜルの言葉に俺が返すがまた二人とも顔を真っ赤にしているんだが、いい加減慣れろよ。

「そんなわけで、行ってきます!」

照れ隠しをするようにイッセーが言ったので俺は転移を再開させ、イッセーたちを無事に送れたところで俺たちも待機場所のホテルに転移するのだった。

 

 

 

 

 

 

 




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