事の発端は京都の妖怪を束ねるボス、"八坂"様が須弥山の帝釈天から遣わされた使者との会談をするために屋敷を出たまま行方不明になったことらしい。
妖怪サイドはすぐさま捜索を行ったが見つかったのは瀕死の護衛ただ一人だけ…その生き残りも仲間に"八坂様が襲われ、拐われてしまった"と言い残し亡くなってしまった。
そこで、京都にいる怪しいやつを片っ端から当たっていて、イッセーたちを襲撃してしまったらしい。
その後アザゼルとセラの頑張りで誤解を解き、今回の事件の首謀者は
「えらいことになってきたな」
俺が思ったことだ。イッセーたちも思っているはずだ。
俺たちは九重姫の屋敷に上がらせてもらい、九重は大広間の上座に座っている。
「ま、こういう時は狙われやすくなるもんなんだよ。オーディンの時はロキが来たろ?それが今回はテロリストになったって訳だ」
アザゼルが不機嫌そうにこう言うが平和を一番楽しんでるのはこいつだしな、腹のなか煮えくり返ってそうだ。
九重姫のわきにはさっきの狐の妖怪と山伏姿で鼻の長いじいさんがいる。このじいさんは天狗の一族の長で、何でも昔から九尾の一族と関わりが深いらしく八坂様と九重姫が心配で来たそうだ。
「魔王殿、総督殿どうにか八坂姫を助けることはできないじゃろうか?我らはいくらでも力をお貸し申す」
天狗のじいさんがそう言ってくれると心強いな。
そこで天狗のじいさんが一つの絵画を見せてくれる。これは…
「この絵画の方が八坂姫じゃ」
巫女装束に金髪の女性、そして狐の耳か…
「八坂姫を拐った奴らはまだ京都にいるな」
アザゼルがそう言うがイッセーが
「なんでわかるんですか?」
と返す一応説明しとくか
「イッセーいいか?九尾の狐はここらへんの地に流れる気を統括するのも役目の一つだ」
「ああ、そんで今は京都に何も起きてない。てことはまだ京都にいるって訳だ。いなければ京都に何か起こってるよ」
俺にアザゼルが続いてくれる
「セラフォルー、悪魔のスタッフはどのくらい調査を行ってるんだ?」
「つぶさにやらせてるわよ。京都に詳しいスタッフを中心にね」
なるほどね。俺は頼られないわけだな、俺はあんまり京都知らないし。
「イッセーたちにも頼ることになるかもしれん。ここにいないメンバーには俺たちから伝えとくから、とりあえず修学旅行を楽しんでいいが準備だけはしといてくれ」
「「「「「はい!」」」」」
アザゼルの言葉にイッセーたちが元気よく返事をする。
その時九重姫が手を付き深く頭を下げ、それに狐の妖怪と天狗のじいさんも続く
「どうかお願いじゃ。母上を…母上を助けるのに力を貸してくれ…いや、貸してください。お願いします。」
小さな子どもが頭を下げ、声を震わせている…言われなくてもやることは決まってる。だがアーシアの
「イッセーさん、エッチなこと考えてませんか?」
その一言のせいでなんか気が抜けた。じゃないわ!
「何考えてんだ!イッセー!」
「ご、ごめんなさぁぁぁい!」
広い屋敷に俺とイッセーの声が響いたのだった。
その日の夜…あの時にいなかった木場とソーナ眷属に今後のことを話し今日は解散になったのだが俺は変な気配を感じてイッセーの部屋に向かった。
「イッセー、入るぞ」
入ってみたが誰もいないのか?
ガタッ!
今押し入れが動いたような?とりあえず開けてみると
「「「あ」」」
アーシア、ゼノヴィア、イリナがいた。イッセーは気絶してんのか?とりあえず
「お前ら?大人しく部屋に戻る?それとも力ずくで…」
「「「すいません!すぐ戻ります!」」」
やれやれまったくこいつらは…とりあえずイッセーを布団に戻してっと
「ふぃ~」
高校生を一人でやるって面倒だな。次からは誰か連れてこよう。
俺はそう思いながら部屋に戻るのだった。
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