グレモリー家の次男   作:EGO

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今日は2話更新する予定です。
では、1話目、どうぞ。


Extra life 71 家族旅行!? ⑥

俺たちは琴の屋敷に一泊させてもらい、次の日の朝に出発した。また遊びにくる約束をしたのだが、セラとロセがスゴい迫力で睨んできていた。まぁ、今のところ恋人が増える予定はないので安心してほしい。

てなわけで旅行4日目。今日は大阪に来ている。で、今回のパートナーは、

「パパ!どこ行く?」

元気一杯の愛娘、リリスだ。鈴に会ったおかげでいつにも増してテンションが高い。で、リリスがパートナーということなのでやることはあれしかない。

「とりあえず、食って食って食いまくる!」

「オー!」

大阪は食い倒れの街らしいからな、大食いのリリスにはもってこいだろう。それはそれとして、

「………………」

俺はそれとなく後ろを見る。そこには、

「太ってもシドウさんに嫌われませんかね?」

「大丈夫よ☆シドウはそこまで鬼じゃないわ☆」

黒いサングラスをしたロセと、マスク姿のセラがいた。会話からして2人も食い倒れる気でいるようだ。多分、俺とリリスついてくるのだろう。尾行はなしと言ったのはどこの誰だったっけな?ちなみに、俺は惚れた女が太っても気持ちは揺るがないぞ。

俺は2人の追跡者を無視してリリスに言う。

「とにかく行くか。行くならやっぱり道頓堀だ」

ちなみにこれは小猫に訊いたことだから間違いはず。小柄な割に結構食べるからな、あの()。なのに色々と大きくならないのはなぜだろう。

「行こ行こ!早く行こ!」

俺の疑問を他所に、興奮した様子のリリスが俺の手を引きながら駆け出した。

リリス、道頓堀まで走るわけじゃないよな!?

 

 

 

 

 

はい到着!しっかり電車で来ましたよ!そして、到着したら早速食い始める。たこ焼きから始まり、串カツ、お好み焼き、イカ焼き等々、目にに入った店に入って腹に詰め込んでいく。食べていて思ったが、俺も案外大食いのようだ。リリスも結構食べるが俺も同じくらい食べられた。

「次だ!次はどこに行くかな!?」

テンション高めでリリスに訊くと、リリスは首をひねって珍しく真剣な表情になった。何となく、考え事をしているときのロセの表情に似ているような気がする。

「うーん、ん?」

考えてていたリリスがふと前方を見た。俺も視線をリリスが見ているものと思われる場所に向けると、店の行列とは違う人だかりができていた。

俺がそれを見つけたと同時にリリスが訊いてきた。

「何だろ?」

「イベントか何かをやってるのかもな。行ってみるか?」

「うん」

俺とリリスは頷きあってその人だかりの方へ。

人が壁になって近づけないが、どうにか騒ぎを起こしているのは虎の頭部をした巨体の暴漢を発見することができた。なぜか大阪タイガースのユニフォームを着ている。なんで大阪タイガースのユニフォーム?

そしてその暴漢の周囲には黒ずくめの集団がって、

「パパ、見えない!見ーえーなーいー!」

リリスが俺の横でピョンピョンと跳んで見ようとしているが、高さが足りない。俺はリリスの抱き上げ、そのまま肩車をする。

「どうだ、見えるか?」

「うん!見えるけど、なにあれ?」

「わからんが、とりあえず近づいてみるか」

俺はそう言うとリリスを降ろして手を繋ぐと、「すいません、通してください」と言いながら人だかりの中心を目指す。ようやく人だかりの中心に到着すると、

「ほれほれ、関東人めっ!このお好み焼きで白米を食べるんやっ!ほーれほれっ!」

関東の人と思われる男性が絡まれていた。食べられないと抵抗しているが、野次馬の関西人と暴漢のノリに圧されているようだ。

お好み焼き定食っていうのか?俺はいけるかな?いや、いけるか。俺としては米は米、お好み焼きはお好み焼きって感じなんだがな。

俺が食へのこだわりを考えていると、リリスが俺から離れてその暴漢の方へ。よだれを垂らしながら………。

「お米、お好み焼き、お米、お好み焼き、お米、お好み焼き……」

な、何か呪詛のようにお米とお好み焼きを交互に言っているんだが、大丈夫なのか?

俺がリリスの心配をしていると、もう1人心配してくれるヒトがいた。

「じょ、嬢ちゃん、大丈夫かいな?暑さでやられてもうたか?」

意外にもリリスの心配をしてくれたのは例の暴漢だった。だが、リリスは構わずに関西のノリに圧されていた男性を退かすと、その男性が座らされていた席につく。

すると暴漢は笑った。

「にゃにゃにゃっ!嬢ちゃんが食べるんかいな!ほな、食ってもらいましょか!」

俺は暴漢の笑い声に吹き出しそうになるがそれを抑え、リリスの様子を見る。

暴漢はリリスの前に白米とお好み焼きを出す。それを受けたリリスは目を輝かせながら一言。

「いただきまーす!」

はい、召し上がれっと。

周囲の野次馬も「嬢ちゃんやれやれ!」とノリノリだこうして、リリスと暴漢の戦いが始まった。今さらだが、虎と龍の対決って凄いな。

 

 

 

 

 

 

最終的にこの勝負はリリスの圧勝で終わり、暴漢は気を失った。俺たちはそれを特に気にすることもなく、尾行していたセラとロセと合流して、大阪の名所を巡り始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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